リモートワークのメンタル不調。原因は偏った食事の摂り方にあった!
YOLO 編集部
- 2022年04月01日
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リモートワークでメンタルが不安定に。
「幸せホルモン」の不足かも!?
リモートワークが定着しつつある現在、だるい、イライラ、不眠など、メンタルに不調を覚える人が増えています。その原因のひとつは、間違った食事の摂り方。じつは、食事とメンタルの安定には深い関係があるのです。ストレスがたまって過食や偏食をしていませんか?栄養が偏って「幸せホルモン」の分泌が減少してしまっているのかもしれません。
幸せホルモン「セロトニン」とは?
幸せホルモンとは、脳内で精神・感情・睡眠などをコントロールする神経伝達物質のひとつである「セロトニン」のこと。セロトニンが不足すると、不眠、イライラ、不安感など、精神面によくない影響がでてきます。
メンタルを安定させるためには、睡眠と休養が大切ですが、セロトニンが不足すると睡眠障害を引き起こすことがあります。不眠がつづくと、不安感がつのってますますイライラ……さらに眠れなくなるという悪循環に陥ってしまいますよね。
では、良質な睡眠を得るためには、どうすればいいのでしょうか。それには、セロトニンからつくられる睡眠ホルモン「メラトニン」を増やせばいいのです。
幸せホルモン「セロトニン」を
減らす食事をしていない?
リモートワークで自宅に閉じこもっていると、ついつい好きなものや同じものばかり食べてしまいがち。それこそまさに、セロトニンを減らしてしまう食事です。幸せホルモン「セロトニン」や睡眠ホルモン「メラトニン」は、トリプトファンという必須アミノ酸からつくられます。つまり、トリプトファンの不足が、眠れない、イライラする、しんどい、といったメンタル不調を引き起こす原因になっていることがあるのです。
トリプトファンが含まれる食品とは?
トリプトファンは体内ではつくられず、食品から摂らなければいけない栄養素。メンタルの不調は、トリプトファン不足でセロトニンを増やせない食事の摂り方に問題があります。トリプトファンが含まれる食品を積極的に摂りましょう。
どんな食品に含まれるのでしょうか?
トリプトファンがとれるおすすめの食品
- 豆腐・納豆・味噌・しょうゆなどの大豆製品
- チーズ・牛乳・ヨーグルトなどの乳製品
- 米、うどん、パンなどの穀類
- 卵、バナナ
栄養素は相互作用!それだけ摂っていてもダメ
「トリプトファンが含まれるパンやチーズはよく食べているけど?」と思うかもしれませんが、栄養素がもつパワーを引き出すためには、それだけ摂ってもダメなのです。栄養素は体内で合成されて、身体に役立つ成分へと変換されます。
トリプトファンから幸せホルモン「セロトニン」や睡眠ホルモン「メラトニン」を生成し吸収するためには、ビタミンB6、 ナイアシン、マグネシウムなどを摂る必要があります。「栄養バランスの摂れた食事を心がけよう」といわれる理由は、栄養素が相互作用によってパワーを発揮するからなのです。
メンタル安定のためには
「夕食の食べ過ぎ」に注意!
メンタルが不調になると、つい夜更かしや昼夜逆転などの生活リズムが乱れがち。夜中についハンバーガーやラーメンなどの重いものを食べてしまい、朝には胃腸がもたれて体がだるい、やる気が起きないなんて事も。
「脳腸相関」という言葉があります。これは、脳と腸がお互いに密接に影響しあうことを示す言葉です。脳で感じたストレスが自律神経を介して、腹痛や下痢などを引き起こします。そして逆に、腸の不調も脳に影響を及ぼし、不安感が強くなるという報告があります。
食事のボリュームは、朝昼を主として夕食は軽めに済ます。「第二の脳」である腸にストレスをかけない事が大切です。
また、トリプトファンは、1日の早い時間にとる必要があります。とくに、朝食・昼食で摂ると効果的です。その理由は、トリプトファンからセロトニンやメラトニンがつくられるまで、8時間程度の時間がかかるからです。
夕食では就寝時に身体を冷やす作用があるものを
人間の身体は体温が下がると眠くなるというシステムです。夕食はできれば早い時間に、カプサイシンを含むトウガラシ料理がおすすめ。カプサイシンには発汗作用があり、食べた直後は体温が上昇しますが、3~4時間後の就寝時には体温が下がり、眠くなってきます。就寝1時間半〜2時間前の入浴も効果的ですよ。
甘いもので糖質を摂りすぎると逆効果!
トリプトファンが炭水化物から摂れるなら、糖質を含む甘いものでもいいのでは?という考えは要注意です。糖質を摂ると血糖値が急激に変動します。それに伴い分泌されるホルモンの影響でイライラや不安感が増してしまいます。「甘いものでストレス解消しよう!」という考えは幻想にすぎません。逆にメンタル不調を悪化させる恐れがあります。3食のごはんで、バランスよく栄養を摂るようにしましょう。
メンタルの安定には
栄養バランスのとれた「和定食」がおすすめ!
メンタルを安定させるための食材として、トリプトファン(米・大豆製品・卵・乳製品)、ビタミンB6(鰹・マグロ・鮭などの魚類・玄米・ぬか)や ナイアシン(たらこ・マグロ・鶏肉)、マグネシウムなどがあります。日本には「和定食」という素晴らしい栄養バランスメニューがあります。毎日の食卓に、主食・副菜・野菜の小皿が2~3個ついた和定食を取り入れてみてくださいね。
【監修】
城西内科クリニック
髙橋 聡美(たかはし さとみ)院長
- 順天堂大学練馬病院糖尿病内分泌内科助教、医学博士
糖尿病療養指導医、臨床栄養学会指導医、内科認定医
米国マハリシ国際大学アーユルヴェーダ臨床医学ドクターベーシックコース終了、日本ホリスティック医学協会専門会員 - 人を「からだbody・こころmind・いのちspirit」と捉える。肉体面への西洋医学による治療に加え、アーユルヴェーダの診断や自然栄養療法、運動療法、量子力学的知識を組み合わせた医療を展開。心身のバランスを整えて自然治癒力を高めるホリスティック診療を行なっている。
【この記事を書いた人】
鳥本典世(ナチュラル・ハーモニー)
- 医療健康系ライティング実績2000件以上のライター。
文部科学省後援 健康管理能力検定 健康リズムカウンセラー。株式会社リクルートにて求人・結婚メディアの制作ディレクターを経て独立、現在は「医療・健康系ライターチーム」を運営中
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