美ボディは「仙骨」から!ベストボディ日本一・NORIKOさん|トレーナー探訪
久下 真以子
- 2020年09月29日
フィットネス業界を支えるトレーナーを訪問して、仕事へのやりがいやトレーニングへのこだわりをインタビューする連載企画「トレーナー探訪」。
第2回の今回は、ベストボディ・ジャパンで優勝経験も持つ、パーソナルジム「LOWMEL」の代表、NORIKOさん。数あるトレーナーの中でも「コンディショニング」を重視するトレーナーとして、注目を集めています。自身のトレーニングやコンテスト経験から得た、美ボディを作る秘訣とは?NORIKOさんのトレーニング観に迫りました。
Index
骨からアプローチする実力派トレーナー
自分の姿にショック?ボディメイクのきっかけになった「海の事件」
NORIKOさんは、肉体美を競うコンテスト「ベストボディ・ジャパン」で何と優勝経験の持ち主です。
2016年に初めて挑戦したんですけど、地域予選である横浜大会で優勝して、部門別であるパーソナルトレーナー部門でも優勝。そして全国大会でも総合優勝をすることができました。自分でも信じられませんでした!
初挑戦で見事な成績ですよね。もともとボディメイクをはじめたきっかけはなんだったのですか?
フィットネスそのものは長くやっていたんですけど、本格的に自分がボディメイクを始めたのは2015年のことです。実は友達と海に行って撮った写真で自分の体を見たときに、ショックを受けたんですよ。すごく脚とかお腹が太くて上半身がガリガリで…「私バランスの悪い体なんだな」って気づいてしまって。
写真を見てショックを受けることってありますよね…。ベストボディでグランプリをとって、ご自身の中での変化はありましたか。
「何かで1位になる」というのは初めての経験だったので、すごく自信がつきました、小学校のマラソンとか運動会くらいしか1番をとった記憶ってないんですよね(笑)。大人になって何かに一生懸命になって、それを評価してもらえる。知らない方々から「勇気をもらいました」っていう言葉をかけていただいて、パワーをもらえる。トレーニングはやった分だけ返ってくるんだというのを、身を持って体感しました。
もともと大学を卒業後は全く違う仕事をされていたんですよね。
アパレル系の企業でウィンドウディスプレイやお店を作る仕事をしていました。でも働きすぎて体を壊してしまって、会社を辞めてヨガインストラクターの資格を取ったんですよ。それまでは対モノの仕事だったのが、対ヒトの仕事になって、「伝える喜び」を感じましたね。ボディメイクを本格的に始める3年前からは、トレーニングの仕事にも関わるようになっていました。
美ボディは「仙骨」から。コンディショニングを重視する理由
NORIKOさんは、パーソナルジム「LOWMEL」を2018年にオープン。代表としてお客様にレッスンを提供しています。
トレーニングはもちろん、食事のアドバイスもしますし、特に私がメインにしているのは「コンディショニング」ですね。
どうして重視しているのですか?
「コンディション=調子」、つまり調子を整えるということです。柔軟性を上げたり姿勢を改善したりすることですね。姿勢が崩れることによる身体へのダメージってすごく大きいんですよ。例えば、腰痛のある人にお尻を鍛えましょうといっていきなりガンガンやっても、不調が悪化するだけなんです。関節や筋肉をしっかりと整えて、筋トレをより効果的にできる状態に持っていくようにしています。あと、私は「仙骨」の重要性をうたっています。
仙骨、ですか?
骨盤の後ろの真ん中にある、三角形の形をしたお尻の骨です。「仙骨が整えば身体が全部整う」とも言っていますね。「骨盤の歪みを整える」というワードはよく耳にすると思いますが、そのカギを握っているのも仙骨なんですよ。たとえば猫背の人は仙骨が後傾していることが多いんですけど、それは骨盤が後ろに倒れているということでもあって、結果お尻が下がってしまう。その状態で鍛えても、どんどんお尻が横に大きくなってしまうんです。だから単に筋肉を鍛えるだけではなくて、骨から変えていかなきゃいけないと考えています。
なるほど…!キュッと上がったお尻は憧れです。
トレーニングにおいても、お尻を鍛えることは絶対に必要です!女性は上半身の変化がなかなかわかりにくいんですが、お尻は短期間で変わる人が多いんですよ。私自身は始めて1ヶ月で変化を感じられたので、これからトレーニングをする方は、お尻から始めてみるのもいいかもしれませんね。
フィットネスのハードルを下げて、楽しさを伝えたい
「自分を知ること」がカギ。生涯活かせる習慣作り
NORIKOさんのお話を聞いていると、身体と根本から向き合っていらっしゃるんだなと感じます。
LOWMELのテーマが「身体を創る。未来を創る。」なんです。筋トレというのは一つの要素でしかなくて、コンディションもそうですし、メンタルも食事も含めてトータルでお客様の人生をよくするお手伝いをしたいという思いがありますし、それができる仕事だと思っています。お客様の心と体の健康を作っていくことが、トレーナーとして大切にしている部分ですね。
食事でいうと、どんなことを教えているのか気になります。
まずは自分で食事記録をつけてみましょうというところからはじまります。人によっていろんな生活があるので、生活リズムやお仕事のスタイルに合わせて、「ここを改善していきましょう」と1人1人のお客様と一緒にやっていく感じですね。
自分を知るところから始まるのですね。食事制限などはないのですか?
全くないですね。食事は制限するものではなく楽しむものだし、食事こそが体調を整える一番大事な要素です。食事を減らして栄養素が減れば減るほど体調は悪くなってしまうので、「生涯活かせる食生活習慣を身につける」というところを伝えていますね。
スイーツとかも大丈夫なんですか…?
全然大丈夫!私もめちゃくちゃ食べますし、アイスもチョコレートも好きだし、ケーキもパンケーキも好きだし、ハンバーガーだって食べますよ。でも、大事なのは「自分のキャパ」をよく知っておくことです。自分がどの程度カロリーをとっていて、どのくらい運動していればキープできるのか。そういう意味でも食事記録をつけてみるのはいいと思いますよ。ただ、トレーニングをしていると体の変化が出て、以前よりジャンクなものを欲しなくなりました。楽しむときは楽しんで、普段は自分が落ち着く食事で、その繰り返しが習慣になりました。
ハードルは低くていい!フィットネスは人生を輝かせる手段
トレーナーはお客様と一緒に「創る」仕事なんだと、改めて感じました。
アパレルの時もお店のレイアウトを作っていましたけど、私って何かを「創造する」仕事がすごく好きなんですよね。こんなに誰かの人生に関われる仕事ってなかなかないのですごく楽しいし、トレーナーは天職だなと感じています。
天職と言えるって素敵なことですよね!今後の夢はありますか。
フィットネスのハードルを下げて、全ての女性に楽しさを伝えていくことですね。「フィットネス=筋トレ」と思われている方も多いんですが、本来はもっと範囲が広くて、ストレッチ一つでもフィットネスだし、自分が心地よいと思うことだけやっていてもいいと思っているんですよ。私もYouTubeで3分や5分でできるトレーニングやダンスフィットネスを発信しているんですけど、「楽しそうだからやってみたい」と思ってもらえるものを広めていきたいですね。
続けられるものを続けていく。これも大事なことですよね。
YOLOでは、幣ジムで働いているえみりーの「LOWMEL式表情トレーニング」も配信しましたけど、それも立派なフィットネスだし、フィットネスは「自分の可能性を広げるもの」だと考えています。「どうせお尻なんて上がらないだろう」「ウエストなんか細くならないし」って諦めてしまうこともあるかもしれませんが、いくつになっても体は絶対に変わります。事実、私のジムには84歳のお客様がいて、トレーニングを続けていらっしゃいますし…!
自分の可能性を広げる、なんだかワクワクします!
自分の人生を輝かせるものだと思います。私自身も死ぬまでフィットネスを楽しんでいたいし、女性の皆さんも目標を叶える「手段」として是非フィットネスに取り組んでいってほしいですね。
NORIKO
外苑前パーソナルトレーニングスタジオ「LOWMEL」代表、NESTA JAPAN Assistant director。
『指導者は最高の実践者である』をモットーに自分自身のボディメイクにも励み、コンテストに挑戦。ベストボディジャパンでは2016年初出場にして三冠。翌年からアジア、世界大会にもチャレンジし様々なタイトルを取得。現在は代表を務めるLOWMELを拠点に、生涯美しい身体へと導くボディメイク術を提案。コンテスト出場選手の育成にも力を注いでいる。トレーナー活動9年目。パーソナルトレーナーの他、ヨガ、ピラティスの資格も持つ。
Instagram:noriko3.25
【コンテスト実績】
・ベストボディ・ジャパン2016パーソナルトレーナー大会グランプリ
・ベストボディ・ジャパン2016横浜大会レディースクラスグランプリ
・ベストボディ・ジャパン2016日本大会レディースクラスグランプリ
・ベストボディ・ジャパン2016日本大会 女子総合グランプリ
・2017WBFF ASIA Singapore Diva Bikini Model 部門 準優勝
・2018Muslemania Lasvegas 世界大会 Sports Model部門 準グランプリ
・2019 IFBB MUSLECONTEST JAPAN Open bikini-Pro Qualifier 優勝
その他の「トレーナー探訪」はこちらから。
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Profile
YOLO / コンテンツディレクター
久下 真以子
現役のアナウンサーでスポーツライター(専門はパラリンピック、野球、サッカー)。トレーニング好きが高じてYOLOメンバー入り。夢はベストボディ出場とフルマラソン完走。欲しいものはウエストのくびれ。猫と一緒に暮らす30代女子。
現役のアナウンサーでスポーツライター(専門はパラリンピック、野球、サッカー)。トレーニング好きが高じてYOLOメンバー入り。夢はベストボディ出場とフルマラソン完走。欲しいものはウエストのくびれ。猫と一緒に暮らす30代女子。