素材の味を引き出す、おいしいスープ作りのための5つのポイント
MY LIFE RECIPE 編集部
- 2017年10月30日
秋も深まり、温かいスープがうれしい季節になってきました。ところで、そのスープですが、ご自宅ではどんなふうに作っていますか? スープの素や粉末だしでしょうか? スープの素や粉末だしは便利で手軽に使えますが、素材そのもののうまみを利用したほうが、飽きずにおいしくいただけます。毎日、口にするものだけに、できれば自然のおいしさが感じられるものがいいですね。
でも、スープの素を使わない作り方って大変そう……。
そんな不安に応えてくれるのが料理研究家の大橋由香さん。「食材の持つおいしさを生かすだけで、誰でもおいしく作れます」と話します。ストウブ鍋を使った野菜料理に定評がある大橋さんだけに、素材のうまみを引き出すのはお手の物。大橋さんが実践している5つのことをご紹介しましょう!
Index
1.うまみのたっぷり出る食材を使う
それ自体からうまみがたっぷり出る食材を使えば、だしをとったり、スープの素を使う必要がありません。なにより、素材のうまみを感じられ、おいしいスープができます。豆乳は成分無調整のものを選びます。牛乳よりもしっかりうまみが出る、頼れる存在です。あさりは火の通りが早く、少し加えるだけでコク深い味わいに。
2.じっくり炒めて、うまみを引き出す
玉ねぎ、長ねぎ、キャベツ、きのこ……。スープ作りの最初に野菜を炒める際は、『じっくり炒める、でも、さわりすぎない』のがポイントです。たまにへらを動かして炒める程度にし、少し焦げるぐらいにして甘味を引き出します。また、最初に塩をふると水分が出てきてしまうので、このタイミングでは入れません。余分な水分をとばすようにして炒めます。
3.しっかりめの塩で、よりおいしく仕上げる
塩は、うまみと甘味を引き出すのに欠かせない存在。少なすぎるとうまみも甘味も出ないので、味見をしながら『おいしいライン』を見つけていきます。毎回同じ塩を使い、感覚をつかんでいくのも大切です。大橋さんは、和の澄んだスープや、仕上げにパラッとかけるときは讃岐の藻塩、そのほかのときは、ほどよくミネラル感と甘味がある海の塩を使っています。
4.好みのオイルを上手に使う
「スープに限らず、料理には大抵オリーブ油を使っています」と大橋さん。中華風のスープにはごま油で香りづけを、そのほかは、だいたいがオリーブ油。仕上げ用には、良質なエクストラバージンオリーブ油をひとふりすることも。良質なものは加熱せずに使い、その持ち味を生かします。お気に入りを常備しておくとスープ作りが楽しくなります。
5.旬の時期のおいしい食材で作る
大橋さんの住んでいる神奈川県厚木市には、新鮮な食材が手に入るファーマーズマーケット『夢未市』があります。週に2~3回のぞき、ここで選んだ食材でスープを作ることも多いそう。おいしい食材さえ使えば、おのずとスープもおいしくなるもの。素材のおいしさを存分に生かしてあげる気持ちでスープを作ります。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
常備菜で作る、キャベツとウインナーソーセージのスープ
特別な食材がなくても、冷蔵庫にあるキャベツとウインナーで手軽に作れます。キャベツを焦げ目がつくほどしっかり炒めるのがおいしく作るコツ。
【材料】2人分
キャベツ 1/8個
ウインナーソーセージ 4本
にんにく 1片
水 300ml
塩 小さじ1/2
粗びきこしょう(黒) 少々
オリーブ油 大さじ1
【作り方】
1.キャベツは2cm角に切り、にんにくは薄い輪切りにする。ソーセージは1cm幅に切る。
2. 鍋にオリーブ油を中火で熱し、キャベツを焦げ目がつくくらいまでしっかりと炒める。にんにくを加えて軽く炒め、ソーセージを加えてさっと炒める。
3.水を加え、沸騰したら弱火にし、ふたをして15分煮込む。塩、こしょうで味を調える。
★好みで斜め切りにしたさやいんげん少々を加え、さっと火を通しても。
キャベツをしっかりと炒めることで、うまみを引き出します。あとから加えるソーセージからもうまみがたっぷりと出ます。
●大橋由香さん
料理研究家。調理学校を卒業後、フレンチレストラン、カフェ、ダイニングバーで経験を積む。結婚・出産を経て、2014年に『パン食堂 はるひ』をオープン。2017年『ストウブビストロはるひごはん』として移転オープンし、ストウブ鍋を使った体にやさしい野菜料理を中心に提供している。著書に『ストウブで無水料理』(誠文堂新光社)がある。
(出典:『繰り返し作りたくなる! スープレシピ』、著:大橋由香)
(編集 M)
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