ハードルは低く、目標設定は細かく。えみりーに学ぶ、夢の叶え方|トレーナー探訪
久下 真以子
- 2021年03月08日
フィットネス業界を支えるトレーナーを訪問して、仕事へのやりがいやトレーニングへのこだわりをインタビューする連載企画「トレーナー探訪」。
第13回は、「LOWMEL式表情筋トレーニング」や「YOLO GYM LIVE」にも登場してくれた、パーソナルトレーナーのえみりーこと柳本絵美さんです。今回は、なりたい自分を叶えてきたえみりーさんに、「夢の叶え方」を教えていただきました。
Index
10代から芸能界で活躍するパーソナルトレーナー
えみりーさんは中学時代から芸能活動をはじめ、女優やタレント、リポーター、アイドルなどを経験。2016年にトレーニングに出会い、翌年2017年に肉体美を競うコンテスト「ベストボディ・ジャパン」で日本一に輝いています。現在もトレーナーとしての仕事の傍ら、フィットネスモデルなどのタレント活動を行うなど幅広く活躍しています。
えみりースマイル満開!美くびれで人気のトレーニング
去年YOLOに初登場していただいて以来、おなじみになったえみりーさん。普段は、ジムでパーソナルトレーニングを指導しているんですよね。
初めてのお客様にはカウンセリングシートを書いてもらって、その方の目標や悩みなどについて深掘りしていきますね。例えば「大会に出て1位になりたい」だったら、そこにどう向かっていくかというのをしっかり話します。1対1の関係を重視して、お客様の未来を少しでも変えられるようにすることを大切にしていますね。
トレーナーによって、背中や脚など自分の強みとする分野があると思います。えみりーさんは?
私は姿勢とくびれですね。特にくびれで悩んでいる方ってすごく多いですし、男性でぽっこりお腹を気にしている方も多いですね。だから私はレッスンの中で、トレーニングだけでなくマッサージも取り入れています。マッサージクリームを持ってきてやり方を伝えていくと、ウエストがすごく細くなったということがよくあります。
すごい……!私もくびれがなくて悩んでるんですけど(泣)、誰でもできますか?
できますよ!私もトレーニングで痩せ始めたときは、ただ細いだけでくびれが全然なかったんですよ。でもメリハリがなくて、「ボディラインがカーブを描いていないと優しい感じや柔らかい雰囲気は出せないんだな」と思って4年前からマッサージを始めたら変わってきたんです。「くびれがあってすごいね」ってよく言っていただけるんですけど、私自身元からあったわけじゃないので、みんな絶対作れるんだよっていうことは伝えていますね。
YOLOではLOWMEL式表情筋トレーニングを紹介していただきましたが、これはどんな風にしてできたんですか?
大会に出るようなお客様からのステージング(舞台上での歩き方やポーズ、振る舞いなど)の指導を要望されることが多かったことがきっかけです。表情を教えるってどうしたらいいんだろう……と思ったんですけど、私は10代から芸能活動をしていたので、演技のために笑顔とか悲しい顔とか色んな顔を鏡を見ながら練習していたんですよ。「当時培ったことが役立つじゃん!」と作ったのが、LOWMEL式表情筋トレーニングなんです。
トレーナーは「天職」。芸能界で味わった挫折と光
えみりーさんは、中学から芸能活動を始めたんですよね。
中学3年生の時ですね。家政科のある高校に進学が決まっていたんですけど、急に「女優になりたい!」という思いが湧いてきて。決めたらやらないと嫌な性格なので(笑)、親に言って進学する高校を変えました。日出高校という芸能人が多く通う学校で、同じクラスにはいまでは有名な俳優さんたちがいましたね。芸能活動をしている友達が学校にたくさんいて、でも仕事ではライバルとして切磋琢磨していくというのは、すごくいい経験でした。
20代に入ってからは、アイドルやスポーツリポーターなど、活動の幅も広がりましたよね。ただ、その時期に摂食障害になったんですよね。
どの仕事も楽しいけど、すごく大変じゃないですか。お世話になっている方々から頂いた仕事だし、しっかり応えなきゃと頑張る反面、いつしか自分の行く道に迷ってしまって……本当にしたいことは何なのかということを見失ってしまったんですよね。そのストレスで、食に走ってしまったんです。パンを一気に20個買ってきて、気持ち悪くなっても食べて吐いて……そんなことを繰り返していたら、顔はパンパンに腫れるし、二重アゴになるし、肌は吹き出物でボコボコになってしまって。もう心身ともにボロボロでしたね。
そこからトレーニングに出会って、人生が変わり始めたわけですね。
友人に勧められて、ゴールドジムに入会したんです。運動を何もしていなかった自分だからこそ、ゴールドジムに入ったのが逆に良かったんですよね。周りにいたトレーニングをしている人達がみんなかっこいいし、可愛いし、「私もあんな風にお腹出してみたい!」ってモチベーションが上がったんです。店長さんもすごく丁寧に食事まで教えてくれて、楽しくなって週に3回通い始めたら、最初の3ヶ月で3~4kg痩せましたね。その後ボディメイクに目覚めて、翌年の2017年にベストボディに出場して優勝することができました。
優勝できた要因は何だったと思いますか?
「1位になりたい」という思いを強く持っていたからだと思います。その思いがステージでも出てたよって周りにも言われましたね。気持ちが顔に出ていたし、思いで涙すらもにじんでいたと思います。その日まで妥協せずにトレーニングを積み重ねてこられたのも、その思いが原動力になっていたからですよね。
その後トレーナーとしてデビューを果たしたえみりーさん。今までのどの仕事もやりがいはあったと思いますが、トレーナーの仕事は天職だと感じますか。
天職ですね。一番は「人の人生を少しでも変えられること」でしょうか。1日に24時間あるうちの1時間でも自分を頼ってきてくれて、何かを受け取って帰ってもらえることにすごくやりがいを感じています。私にとって、女優は努力が必ずしも結びつく仕事ではなかったし、努力をしていても自分に自信がなくて、正解がわからなかった。トレーナーもくっきりと正解がある仕事ではないですけど、少なくとも喜んでいただけるということはお客様にとっても私にとっても正解なんじゃないかなと思うんです。そういう意味では、すごく自信が持てるようになりましたね。
夢は言語化!えみりーに学ぶ夢の叶え方
書けば叶う。人生を再び変えた「夢ノート」
えみりーさんには、「夢ノート」の存在があるそうですが?
2018年にラスベガスで行われたボディメイクの大会で、スケジュールをメモするために用意したノートがはじまりです。事前のワークショップや本番の日程が直前に結構変わってきたので、不安をなくすために自分が着る衣装の順番なども含めて全部メモしていたんです。その大会そのものは世界2位を取ることができて嬉しかったんですけど、周りの海外の出場者から話しかけられても簡単な英語でしか返せなかったことが悔しかったんですよね。だから、「英会話教室に通う」「今度は海外の人とも交流を持つ」という今後の目標をノートに書き留めていったんですよ。加えて「フィットネスウエアのブランドのモデルになるか、もしくは自分でブランドを作る」という夢も書いたら、なんと「VANQUISH」という海外ブランドからオファーが来たんですよ!
すごい!
しかも全部英語で担当の人とやり取りをしているので、「英語で交流する」という夢も叶いました。書いたことが現実になるなんて、「デスノートの逆バージョンで、夢ノートじゃん!」となったんですよね(笑)。今も続いていて、もう3冊目になります。夢をノートに書いて、そのために何をしたらいいのかという目標を書くと、自分の中に落とし込めるんですよ。叶ったものにチェックを入れていくと、すごく喜びを感じますしね。スマホやパソコンでもいいですけど、一番は手書きをおすすめします。筆圧や筆跡にも感情がこもっているので、当時の自分を振り返ることもできますよ。
例えばこれって、「夏までにくびれがほしい」ってノートに書いたら、過程となる目標を書いていけばいいんですか?
夏まで3ヶ月だとしたら、12週間ありますよね。細分化していって、1日の目標、1週間の目標、1ヶ月の目標を立てていけばいいんです。3ヶ月もあれば、途中で仕事が忙しくなったり外食に行くこともあるだろうけど、大丈夫です!メリハリを作って、「じゃあ明日とあさっては頑張ろう」とリズムを作れると、自分をコントロールできるようになりますよ。
その上で、日々の目標は「継続できるもの」で設定したほうがよさそうですね。
ハードルは「めっちゃ低い」方がいいです。いきなり1日1時間走るって言っても無理な話。だから「仕事帰りはエスカレーターを使ってもいいから、行きは必ず階段を使ってみる」とか、「お菓子を毎日たくさん食べてるけど、一日一個だけにする」だと取り組めそうですよね。「達成できた」という自己肯定感はすごく大事で、自分との会話ができるようになってきます。
ハードルは低く、道のりは少しずつですね。
車だっていきなりギヤを入れたら、エンストしたり、うまく走ってくれないじゃないですか。少しずつ上げていって出来なくなった時はもう1回見直せばいいので、最初は本当にハードルを低くして、積み重ねていくのが大事です。SNSなどで自分以外のことに目が向いて比較してしまうけれど、一番大事なのは自分。自分を大切にできていれば、自分の好きな人のことも家族のことも大切な人のことも大切にできると思っています。
「共感」を大事に。夢を持つ人の後押しを続けたい
えみりーさんの今後の夢はありますか。
夢ノートにも書いてるんですけど、夢を持って運動習慣を身につけた人が男女問わずこの日本に増えることです。この夢自体が壮大過ぎるので、それこそちゃんと目標を細かくやっていかなきゃいけないんですけれども(笑)。私は運動習慣が身について人生が変わりましたけど、根っこにあるネガティブな自分がいなくなったわけじゃないんです。隣でポジティブな自分が一緒に走ってくれているので、そういう人がたくさん増えて欲しいなと心から思いますね。
表情筋トレーニングでは、えみりーさんのオンラインサロンが昨年末はじまりましたよね。
ボディメイクの大会に出る人に限った話ではなく、顔の表情が明るい人ってすごく魅力的に見えるじゃないですか。顔の表情が違うだけで声のトーンも変わるし、それをたくさんの人に伝えたい。体のトレーニングをやっていなくても、まず顔からやってみるのもおすすめします。オンラインサロンには就活生の子もいるんですが、夢の後押しが出来たら嬉しいです。
えみりーさんは4月で29歳。振り返ってみて、どんな20代でしたか。
苦しい時期が多かったんですけど、自分のリズムを作れるようになれた20代ですね。「何者かになりたい」という願望に縛られていたのが、「将来何歳くらいでこういうことをしようかな」という風に未来も考えられるようになってきて、自分のことを客観的に見られるようになったなと思います。
30代は、どんな自分でありたいですか。
30代になったからこそ、届けられる層が増えると思うんですよね。35歳くらいからトレーナーのピークが来るんじゃないかと自分の中では思っていて、30代や40代のお客様にも「私もやってみたらできるのかな」って共感してもらえる存在でありたい。そのためにも、もっともっと経験を積み重ねていきたいですね。
最後に、YOLO読者の皆さんにメッセージをお願いします!
YOLOのいいところは、日々を楽しみたい、暮らしの中に彩りを入れたいという思いに一貫性があるところ!記事を読んでくださっている方も、自分のためにプラスになることはないかなってアンテナを張ってらっしゃると思うので、やってみたいと思ったことは積極的にやってみてほしいです。人生にたくさんスパイスがあるととても素敵な毎日になっていくと思うので、ワクワクとかドキドキを大切にして欲しいなって思います。あとは是非、「LOWMEL式表情筋トレーニング」の動画を見てくださいね!
えみりー(柳本絵美)
パーソナルトレーナー、モデル、タレント。10代から芸能活動を行い、2016年にトレーニングを開始。ベストボディジャパン2017日本大会ではガールズクラスでグランプリを獲得。2018年、日本代表としてベストボディ世界大会出場。Musclemania WorldFitness America(Ms.BIKINI)2位など受賞多数。パーソナルトレーナーの資格も持ち、現在はパーソナルジム「LOWMEL」で指導している。
Instagram:emiyanagimoto
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YOLO / コンテンツディレクター
久下 真以子
現役のアナウンサーでスポーツライター(専門はパラリンピック、野球、サッカー)。トレーニング好きが高じてYOLOメンバー入り。夢はベストボディ出場とフルマラソン完走。欲しいものはウエストのくびれ。猫と一緒に暮らす30代女子。
現役のアナウンサーでスポーツライター(専門はパラリンピック、野球、サッカー)。トレーニング好きが高じてYOLOメンバー入り。夢はベストボディ出場とフルマラソン完走。欲しいものはウエストのくびれ。猫と一緒に暮らす30代女子。