身体にも人生にも「スペース」を。〜TOMOEさんがリトリートを通して伝えたいこと〜
YOLO 編集部
- 2023年02月13日
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「吸って・吐いて」で身体が変わる!2泊3日のリトリートツアーに込めた思いとは?
2022年11月末に開催された奄美大島のウェルネスリゾート『THE SCENE』でのリトリートツアー。テーマやプログラム内容については、こちらの記事でレポートしていますが、今回は改めて、ツアーのテーマともなった【呼吸の大切さ】と【ヨガの魅力】についてご紹介。インストラクターのTOMOEさんがなぜ「呼吸」をテーマにツアーを開催したのか?プログラムを通して参加者の皆さんとシェアしたかったこととは?など、ツアー開催の内側にあったTOMOEさんの思いや願いにYOLOが迫ります!
誰にでもできる「呼吸」をテーマに、身体と心が変化する経験を
——今回のリトリートで「呼吸」をテーマにした理由を教えてください。
TOMOE:「呼吸」は、もともと私が講座を作ろうとした時に頭に浮かんだキーワードだったんです。10年前に受講したヨガインストラクター講座で、呼吸がうまくできないし、むねも全然開かない…!ということに初めて気がつきました。そこから呼吸をテーマに学んできたあれこれを、リトリートで共有できるんじゃないかと思ったのがきっかけです。
どんなタイプのヨガクラスでも呼吸の誘導はあるし、結果、自分がどんな呼吸をしているかを意識することになるはずです。それでも敢えて「呼吸」をテーマにしたのは、呼吸はみんなができることだから。ヨガクラスには、初心者も経験者も、背景としての運動経験も体格も様々な人が集まりますが、「吸って、吐く」ことは全員ができる。他の人と比べて腕が上がらないとか、ポーズがとれないとかを気にする必要はないんだけど、それは簡単なことではないし、やっぱりネガティブに感じることもありますよね。だったら、「吸って、吐く」だけで身体が変わることを実感できるツアーにしたいなって。1回きりのヨガクラスではなくて、3日間一緒に過ごすツアーだからこそ、私自身が常々感じている呼吸の大切さ、そして私が思うヨガの魅力を、じっくりと皆さんにシェアできたら、という思いで今回のテーマを決めました。
——実際、呼吸についてどんなセッションを行ったのですか?
TOMOE:朝のルーティーンで、ナディショーダナという呼吸法を行いました。呼吸が浅いと緊張して身体が硬くなるなど、呼吸と心身の状態が繋がっていることは経験上知っている方も多いと思うのですが、【今の自分】が緊張しているか、リラックスしているか、というのは意外と分からないもの。ナディショーダナは、左右の鼻から交互に息を吸って吐くことで、心のバランス、そして自律神経のバランスを取るのに役立つといわれている呼吸法。【今の自分】がどちらに傾いているとしても、まずは呼吸で心身のバランスを整えて、瞑想につなげていく。そこから、身体を動かすいわゆるヨガクラスで後屈のポーズでむねをひらいていく…、という流れで行いました。
——参加者の皆さんも「吸って、吐く」を意識することが、より深い瞑想(集中)につながったり、ヨガにも没頭できたりと、自分が変化していく実感を得られているようでした。誰もができることだからこそ「呼吸の大切さ」に気づければ、普段の生活にも変化が生まれそうですね。
TOMOE:呼吸は、自律神経の中で唯一コントロールできるものなんです。全身に血をめぐらせる心臓の動きや、食べ物を消化するなど、自律神経がコントロールしている機能は、私たちには意図的に動かすことはできません。でも、呼吸だけはそれが可能です。だから、例えば、落ち込んでしまった時に、沈んだ気持ちにフォーカスするのもいいですが、呼吸に意識を向けてみる。そうすると、呼吸がスムーズに流れるようになるにつれて、内面の波風も落ち着いていくのを感じられるはずです。
<心はコントロールできないけれど、呼吸で身体を変えることができれば、身体が心も連れてきてくれる>
そういう実感を積み重ねていくことで、日常に戻ってからも「そういえば、ツアーで呼吸をして身体や心が変化したな」と思い出せるかもしれないし、それが生活に変化をもたらすきっかけになるかもしれない。そんな風に、ヨガを生活の一部に取り入れてもらえたら嬉しいです。
ヨガは“教え”ではなく人生を並走するもの
——今回のツアーでは、「日常に持って帰れる『何か』を渡したい」とTOMOEさんが語っていたのが印象的でした。「ヨガ座学」のセッションも実はその一つだったそうですね。
TOMOE:はい。ヨガ哲学についての座学クラスは、リトリートツアーの開催が決まった瞬間から「絶対やろう」と思っていました。理由は、おもしろいから!(笑)。今までヨガを学んできて思うのは、哲学は“崇(あが)めるもの”ではなくて“そこにあるもの”だということ。私も人生の色々な局面で、「ヨガがそこに居てくれて良かった!」と思うことが何度もありました。
それに、ヨガのポーズをしたり、瞑想をしている時点で「ヨガ」という哲学(ヨガは、もともと古代インド哲学体系のひとつでもありました)に触れているわけなので、それなのにそのシステムについて知らないのはもったいない!とも思います。
ヨガのポーズの背後にどんなシステムがあるのか?ということを知り始めると、ヨガをもっと深掘りしたくなるかもしれないし、アーサナ(ポーズ)以外のヨガの世界に興味を持つかもしれない。また、知ることで、いつものヨガや瞑想、呼吸法の練習も変わるはず。もちろん、日常に持って帰れる「何か」もぎっしり、ヨガ哲学には詰まっています。
——ヨガ哲学で持って帰れる「何か」とは、例えば、どんなことでしょうか。
TOMOE:ヨガの目的、そして目的を達成するために必要な8つのプロセスを示した「八支則」について紹介しました。その中で、Yama(ヤマ)=すべきではないこと、Niyama(ニヤマ)=すべきことについて、参加者の皆さんとも意見を交換して、ご自身の生活の中で「やっていこうと思うこと」「これはやらないようにしようと思うこと」を発表してもらったんです。
例えば、Yamaの一つ「アパリグラハ=欲張らない」。これについて、参加者のSさんから「仕事も家事も『自分がやらなくちゃ』とつい頑張ってしまうけれど、もしかしたら後輩が力を発揮する機会を奪っていたり、自分で家事を多くやることで夫に気を遣わせていることもあるのでは」との振り返りがありました。良かれと思ったことを、「あの行動は、アパリグラハだったのか?そうじゃないのか?」と自ら問いを立ててみることで、その行動の裏に隠れているものに気づけたり、仮説を立てて次の行動をかえてみることができます。そういう風に、主観の世界から少し距離を置いて自分を俯瞰できるようになる。そうやって手助けしてくれるのがヨガの哲学なんじゃないかと私は思っています。先ほども言いましたが、ヨガ哲学は崇めたり従うものではなくて、そこにあって、人生に並走してくれるもの。難しいものでも、もちろん宗教でもなくて。日常を平和に穏やかに過ごす糧となってくれるものなんだな、って思ってもらえたら、いいかな。
——なるほど。高尚な教えではなく、「持って帰れて、実用性もある」ということなんですね。
TOMOE:ヨガは学べば学ぶほど、実践してみるほど面白いと思ってます。せっかくリトリートツアーに参加しよう!というほど、ヨガに興味をもった皆さんと一緒にヨガができるなら、私が今までヨガをしてきて、良かったこと全部をプログラムに詰め込んで、経験や実感を通してヨガの魅力を伝えたかった。
ヨガを生活に取り入れるには習慣にすることも大事なので、呼吸法や瞑想は、ぜひ毎日の生活に取り入れてもらえたら嬉しいですね。今回のリトリートで芽生えた興味や、やってみようという気持ちがあったら、この先も続けてみてほしいし、そうやってずっと追い求めていける、一生続けていけるのがヨガの素晴らしさのひとつ。ヨガはポーズをとること以外にもいろいろな方法を提供してくれるから、日常の中にも“ヨガする時間”はいっぱいあります。そういうことをツアーを通して感じてもらえたかなと思うので、今後も私なりにヨガの魅力を伝えていこうと思っています。
TOMOEさんのリトリート第2弾、開催決定!
好評につき、TOMOEさんのリトリートツアー「呼吸で胸をひらく」が2023年4月15日(土)〜18(火)に開催されます!詳しくはこちらをご覧ください。
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