ランニングダイエットで100%痩せるためのトレーニングメソッド
- 2021年03月25日
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ランニングダイエットは効果的!2~3カ月をかけて体重を落とす
ランニングはダイエットに最高のトレーニングです。その理由は、体脂肪を直接的に燃焼させる唯一の手段である「有酸素運動」だからです。ただし、正しい方法でトレーニングを行わないと、ランニングのダイエット効果が台なしになってしまうことも。
ダイエットを主目的にランニングをする場合は、即効性を求めないことが大切です。とくにあまり運動歴がない人は、最初はランニングで消費できるカロリーは多くないということは知っておきましょう。はじめはエネルギーを消費する主要な部位である筋肉量が少ないことから、一気に体重が落ちることはありません。そのため、少なくとも2~3カ月という少し長めのスパンで体脂肪を減らしていくことを目指すようにしてください。
体重計の値に一喜一憂しない!
ランニングダイエットの効果をさらに高めたい場合は、食事管理も合わせて行うことが望ましいのですが、過度な食事制限はリバウンドの確率ほぼ100%です!食事を減らせば一時的に体重は落ちるのですが、それと同時にエネルギー消費工場である筋肉も落ちてしまうためです。人間の体は栄養不足に陥ると筋肉内のタンパク質を分解してしまうので、筋肉量がどんどん減ってしまいます……。加えて、ランニング中は発汗により体内水分が減り、筋肉の障害が起きるので、回復のために必要な栄養素をしっかり補給しないとさらに筋肉が減り、さらに走ることで傷ついた筋肉も回復しないので、せっかく走っても体脂肪は燃えにくくなってしまうのです。
また、脂肪は筋肉と比較して比重が20%程低いため、体脂肪が減っても体重の減少として現れにくいということも知っておいてください。つまり「体重計の値に一喜一憂しない」という意識をもつこともランニングダイエットを長続きさせる大切な要素です。
120~130拍/分キープラン&長時間ランがランニングダイエットの基本
では、体脂肪をもっとも効率的に燃焼するためには何を指針としてランニングを行えばいいのでしょうか?それはズバリ「最大心拍数の50~70%程度の低~中強度運動」です。ただし、最大心拍数がよくわからないという人もいるかもしれません。そんな人は、心拍数を120~130拍/分に維持できるようなスピード、いわゆる「ジョグスピード」で走ることを目標としてください。
個人差はありますが、この心拍数の範囲内で走ると、エネルギーとして消費される体脂肪は、グリコーゲン(炭水化物)と脂肪がおおよそ半分ずつ使われることになります。いっぽう、それ以上の強度の高い運動になると、体脂肪がエネルギーとして消費される量が極端に低下して、逆に炭水化物の消費量が多くなってしまうのです。このことからも、体脂肪を減らしたい場合は、長く、ゆっくり走ることを心がけてください。
走る頻度ですが、運動経験があまりない人はまずは週末だけでもOKです。心拍数を120~130拍/分に維持しながら60分程度走ることを目標に。60分がキツいようなら、徐々に走る時間を延ばしていきましょう。
頻度は上げれば上げるほどいいわけではありません。走りすぎは筋肉量を減らす可能性もあるからです。筋肉には休息も必要です。そのため、最低でも1日おきにするなど、休息日を設けるようにしてください。
ここで忘れないでほしいのが、心拍数をこまめにチェックできるスポーツウオッチの着用です。心拍数チェックが欠かせないランニングダイエットにおいて、スポーツウオッチは必須のアイテムとなります。
体脂肪燃焼効率抜群のエクササイズウォークからスタート!
ジョグスピードといわれても、長く運動をしていない人にとってはなかなかハードルが高く感じるはずです。また、体重が重い人(BMIが30以上など、肥満気味の場合)は体重を落としてからランニングへと移行しないと、ヒザ痛や腰痛などのトラブルが発生するリスクも高まります。ランニング中は、体重の約3倍の負荷がヒザと腰にかかるといわれているからです。そういった人たちは、まずは速歩(エクササイズウォーク)からスタートすることをおすすめします。
具体的には、ウォーキングとランニングの中間のスピードといわれる8㎞/hか、少し遅い7㎞/hでの速歩からスタートします。スピード計測が難しい場合は、汗をかいて、少し息がハアハアするようなスピードで歩くことを心がけましょう。ただし、心拍数は120~130拍/分を超えないようにしてください。
歩き方の基本は、腕をしっかり振って、大股で歩くことです。じつはこの歩き方は、ゆっくりジョグよりエネルギー消費が多くなることもあるのです。また、体重オーバーによるヒザや腰への負担も軽くできるというメリットもあります。
また、日常生活の見直しがトレーニングと思い、ランニングに耐えうる体をつくることもランニングダイエットを成功させる秘訣となります。たとえば、通勤で電車やバスの1区間を歩いたり、エスカレーターやエレベーターを使わずに階段にする。加えて、ストレッチを習慣づけることも効果的です。ストレッチはダイエット効果がないと思っている人も多いようですが、定期的に行えば血流がよくなり、体脂肪が燃えやすい体質をつくることができるのです。
ランニング前の糖のとりすぎはダイエット効果を低下させる!
ランニング前に糖をとりすぎるとダイエット効果が低下するので注意しましょう。糖をとりすぎると体脂肪の燃焼を妨げるからです。体脂肪が燃焼されるには、運動という刺激によった分解されて遊離脂肪酸という物質に変換され、血中に放出されてはじめてエネルギーとして消費されることになります。しかし、糖が血中に漂っていると体は糖を優先して消費しようとするため、遊離脂肪酸を細胞内に溜め込み、血中への放出を抑えてしまうのです。つまり、体脂肪の燃焼量は減少してしまうことになるわけです。
ただし、糖不足は危険です。一時「空腹ラン」がダイエット目的のランナーに推奨されたことがありました。しかし、これは低血糖と言われる状態を引き起こすことがあるため、とても危険な行為なのです。
また、体脂肪を燃焼させるには糖が必要となります。体脂肪は燃料、糖は着火剤のような働きをもつためです。そのため、ランニング前には糖を適量補給しておくことは必要です。おすすめは、バナナやゼリードリンクなど、糖を含む食品を走る30分くらい前に食べておくことです。朝ランで食欲がないといった場合は、ドリンクにハチミツを入れて飲む、チョコレートを1~2片くらい食べるなどでもOKです。ただし、カフェインには利尿作用があるため、カフェインレスのドリンクがベターです。
ランニングでダイエットを成功に導く4つのポイント
ここで、ランニングダイエットを成功させるためのプラスαのポイントをご紹介します。
自分のペースで走る
効率的な体脂肪燃焼を得るには、あくまで自分のペースで走ることが大切です。そのため、走力の違う人とのグループ走はランニングダイエットには不向きです。自分より速く走ることができる人に無理にペースを合わせれば、体脂肪燃焼効果の高い運動強度を超えてしまいます。その逆に、自分より走力がなく、遅すぎるペースで走っても体脂肪燃焼効率は低下してしまいます。理想は1人で走ることですが、どうしても1人で走るのはつまらないという人は、できる限り同じような走力の人と走るようにしましょう。
20分以上継続して走る
走る距離ではなく、時間を目安にして走りましょう。20分以上走ると体脂肪を利用する比率が上がるからです。最初から20分以上が無理なら、心拍数が上がりすぎたらウォーキングに切り替えてと、ランニングとウォーキングを混在させてもOKです。
食後2~3時間は走らない
食後に走る場合は、ある程度時間を空けるようにしてください。おすすめのタイミングは、体脂肪の蓄積を促す働きのあるインスリンというホルモンの分泌が収まる2~3時間後です。
体温調整に気を遣う
体温が上昇しすぎると、体脂肪燃焼を促す酵素の活性が低下します。そのため、夏は通気性や速乾性に優れたものを着用する、冬は2枚程度の重ね着にして、汗をかき始めたらアウターの前のチャックを開けたり脱ぐなどして、体温を調整する工夫をしましょう。
<監修>
医療監修
伊藤重範(いとうしげのり)
医療法人三九会三九朗病院循環器内科専門医・医学博士。心臓病や生活習慣病の運動療法、心臓病や生活習慣病を抱えた人たちのスポーツの取り組み方などの研究に取り組む、循環器内科専門医。ランニングをはじめとしたスポーツの愛好家でもある。
出典
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- RUNNING style
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