【上高地の楽しみ方・中級編】山小屋に泊まってトレッキング!
ランドネ 編集部
- 2017年08月18日
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まだ見ぬ上高地に会いに行こう
夏は上高地のベストシーズン。せっかく訪れるなら、観光客で賑わうエリアから少し足を延ばしてみては? おすすめは、山腹の山小屋で夜と朝を迎える小さな山旅。日帰りでは味わえない上高地の姿に、きっと出会うことができるはず。
いざ、河童橋から見えるあの山小屋へ出発!
実際に穂高連峰の中腹にある山小屋「岳沢小屋」を目指してルートを紹介。
マイカーで「沢渡ナショナルパークゲート」まで自走し、ここでシャトルバスに乗り換えて上高地へ。「これぞ北アルプス!」という景色が楽しめる「涸沢」も魅力的だけれど、そこまでの道のりは歩いて6時間。その点「岳沢」までは片道約2時間半と、朝に自宅を出る計画でも時間にゆとりが持てる。それに、小屋は梓川に架かる河童橋から見える場所とあって、眼下に上高地を一望できるという楽しさが! 可憐な高山植物が彩る登山道を、ワクワクしながら歩き出した。
▲登山口からしばらくは静かな森の中を進んでいく。
▲「ユウレイソウ」との異名をもつ、「ギンリョウソウ」。菌類から栄養をもらって生きる不思議な植物。
風穴あり、展望スポットあり! 森の中の登山道を行く
登山道には「岳沢トレイル」と書かれた写真・番号入りのラミネート標識が10カ所に設置されており、それを歩行ペースの目安に静かな森の中を進んでいく。
急にヒンヤリとした空気を感じたら、岳沢名物の天然クーラー「風穴」が間近な証拠! 岩と岩の隙間から吹き出す冷風が、火照った体を心地よくクールダウンしてくれる。
ここを過ぎて6番の標識まで来れば、目の前にたおやかな乗鞍岳、振り返れば眼下に河童橋を望めるビューポイントが。さらに1番の標識まで登り詰めると、ようやく岳沢小屋の赤い屋根が姿を現した。小屋のすぐ手前で沢を渡るので、増水時には注意しよう。
小屋に到着! 上高地から見上げる景色の中に
岳沢小屋の前にある爽快感たっぷりのテラスから上高地と梓川を一望すれば、気分は最高! ビール片手に景色を楽しむのも◎。部屋の窓からは乗鞍岳も眺めることができた。
小屋周辺には季節ごとにお楽しみがたくさん。夏は小屋の上部にある天狗沢沿いにお花畑が幾段も広がり、ニッコウキスゲやハクサンフウロ、ハクサンチドリなどの高山植物が咲き誇る。また、お盆前くらいまでは小屋のすぐ上で雪渓歩きが体験でき、秋には輝くような黄葉・紅葉に彩られる。上高地から日帰りでの訪問も可能だが、泊まりならのんびり魅力を満喫できる。
しっかり食べて眠って、山にさよなら
山小屋泊で気になるのがトイレだが、この岳沢小屋には2カ所あり、どちらも清潔なので安心だ。手ぬぐいなど、ここでしかゲットできないグッズをお土産に選ぶのも楽しい。晩ごはんには、炊きたての白米にたっぷりのおかずをいただいて大満足! 翌朝はとろろ付きの朝食でエネルギーをチャージして、元気いっぱいで下山した。
▲お待ちかねの夕食タイムは午後6時。おかずもたくさんあってボリューム満点!
【DATA】
●岳沢小屋(だけさわごや)
電話:090-2546-2100(6:00~20:00)
営業期間:2017年は11月4日(土)で
収容人数:60名
宿泊料金:1泊2食 9800円
アクセス:上高地バスターミナルから約2時間30分
穂高連峰は沢が多いため、一晩で状況が一変してしまうこともある。岳沢小屋~高地は2時間半の道のりといっても、油断は禁物! 天候の急変による登山道の変化は頭に入れておきたい。今回も下山時はあいにくの悪天だったため、ところどころで登山道に水が流れ出して川を作っていた。特に雨天時、雨天後は細心の注意を払ってほしい。
(出典:『ランドネ 2017年9月号 No.91[付録あり]』)
(エイサイト編集部 ヨシダ)
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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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