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モデル仲川希良の「山でお泊まり」長野県・飯山編Vol.2

『ランドネ』9月号からスタートした、モデル/フィールドナビゲーター仲川希良さんの新連載「山でお泊まりレポート」。

スペースの関係で誌面に収めきれなかった情報は、こちらのサイトで偶数月に美しい写真とともにお伝えしてきます!

第4回目は、フィンランドからのお客様、アーティストのテーム・ヤルヴィさんといっしょに長野県飯山へ。日本ならではの山と里の文化や歴史、信仰を味わってきました。

Vo.1はこちらから>>>

***

小菅神社奥社への参拝を終え、小菅山の上へと向かう私たち。ここからは周りを取り囲む木々の印象がガラリと変わり、ブナの多い自然林となります。しばらくはやや急な登りが続きますが、山頂近くはなだらかな地形に。

▲ブナの白い幹で明るい気分に

すっかり落ちた葉をカシャカシャと踏みしめて歩きながら、「これは森林浴ですか?」と聞くテームさん。テームさんの作品制作は、森林浴という日本独自の考え方から強いインスピレーションを受けているんだそう。
ここまでの道のりは森林浴というにはちょっとハードだった気がしますが、この辺りの穏やかな森歩きはそう呼んで差し支えないはず。
志田さんによると、森林浴の癒し効果が世界で初めて科学的に立証されたのは、まさにこの地域なんだそう。なんと素敵な偶然! 私も知らなかったので、テームさんといっしょに驚いてしまいました。

▲倒れたブナの幹。隅っこに動物の落としモノ☆

ブナの幹に独特の模様を描いているのは、地衣類やコケです。幹をよく観察すると、傷がついた部分の周囲にこの模様はなく、ブナ本来の灰白色の樹皮が見えています。
植物が傷つけられたときに放出されるフィトンチッドという化学物質が、微生物の活動を抑制しているのです。
じつはこのフィトンチッドこそが、森林浴を楽しむ私たちの心身の健康に、効果を与えてくれるもの。
「森を歩いて気持ち良いと感じるだけでなく、科学的に証明するところに、日本人らしさを感じます」と笑うテームさん。

そして森に住む動物たちも、テームさんの作品の大切なモチーフです。
姿は見えませんでしたが、この森でもその気配をあちこちに感じることができました。

▲クマの爪痕

▲地面に散る体毛。どんな戦いがここで起きたのだろう

すっかりお腹がすいたので、腰をおろしてお昼ごはん休憩にしました。
志田さんの奥様が握ってくださった、小菅の新米おにぎりのおいしいこと!

▲ブナの葉の座り心地は最高

▲飯山土産で以前いただいた手ぬぐいにも、おにぎり模様が

さて、そろそろ下山しなくてはならない時間です。
北竜湖への道は落ち葉で滑りやすく少々手こずりましたが、下るにつれ、まだ残る紅葉が目を楽しませてくれました。
植物たちに力をもらいながら最後のひと頑張り。

▲テームさんにとって、急な下り道はなかなかない体験。脚への負荷に驚いていました

▲「この葉は知ってるよ、いい香りがするんだ」とテームさん

そうしてたどり着いた北竜湖。三方を囲む山々からの雪解け水や雨水を集め、農業用水としてふもとの人々の生活に利用されているんだそう。
湖の周囲をゆっくり歩き、東に浮かぶ弁天島へ向かいます。ここに祀られている弁才天は、水の神であり芸術の神でもあるので、テームさんと歩いた今回の登山の締めくくりにぴったり。

▲弁天島で最後のお祈り

▲辺りはすっかり薄暗い

志田さんが響かせる法螺貝の音のあとに、じわりと広がる静けさ。
その静けさのなかで、山の存在感がさらに大きく迫ってくるのでした。

***おまけ***

赤いチェックシャツに黄色いジャケット、使い込まれたコットンのバックパック……秋の山にもご本人にもとってもお似合いだった、テームさんのコーディネート。
何より私が気に入ってしまったのは、ニット帽のてっぺんについていた小さなポッチ!
チャーミングなテームさんらしいチョイスでかわいかったです☆

登山の疲れを癒すには……やっぱり、温泉とごはん!
次回は北竜湖のそばにある野沢温泉と、小菅の里の一棟貸し古民家「七星庵」をご紹介します。

写真◎後藤武久

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

ランドネ 編集部の記事一覧

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