きらめく新緑、幻想的な森や湿原。雨でも楽しい山歩き [アウトドア]
ランドネ 編集部
- 2015年06月05日
新緑に誘われて、山へと足を向けたくなるこの季節に舞い込んでくる梅雨入りの知らせは、ウキウキ気分にちょっとブレーキをかけてしまう……。もちろん、雨量や地形など、晴天とはコンディションが違うので無理をしないことが前提だが、必要な知識を知っておくことで、これまでより遊びのフィールドは広がることは間違いない。夏に向かって開花する高山植物や、水を得てイキイキとした表情を見せてくれる新緑など、山にはこの季節にしか見られない魅力がたくさん。そこで、山の達人たちに雨の日でも、快適で安全にアウトドアを楽しむためのポイントを教えてもらおう。
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日々進化を遂げている防水素材の最新トレンドは?
山道具はより快適に、より使いやすく日々進化を遂げている。雨の日に欠かせないウエアやアイテムに使われている防水素材もそのひとつだ。そこで、山岳ガイドでありクライマー、そしてici石井スポーツ登山本店のスタッフという顔も持つ天野和明さんに、いま注目の防水素材を使用したレインウエアや選び方についておうかがいした。
「注目しているのは今季から発売開始となり、日本ゴア社が開発したC‐ニットバッカーテクノロジーを使用したウエアですね。従来のものに比べて透湿性がアップし、肌触りがよく、よりしなやかになっています。モンベルとザ・ノースフェイスからそれぞれジャケットとパンツが発売されました。また、マウンテンハードウェアからドライQが登場したときには、これは画期的だ! と思いましたね。蒸れにくいだけではなく、いままでにはなかった通気性が備わっていることに驚きました。
とはいえ、アウトドアショップなどの店頭に並んでいる防水透湿素材のウエアなら、どのメーカーも必要最低限以上の防水透湿性を備えていて、耐水テストにもクリアしています。少しコストはかかるけれど安心感を得たいという人ならば、ゴアテックスを使用したウエアを選べばいいし、コスト面からお気に入りのメーカーの好きなカラーなど、見た目で選ぶという選択肢もアリだと思います」
より快適・安全に登山を楽しむコツを先輩たちが伝授
雨の日は普段見ることのできない山の表情が楽しめるが、もちろん雨ならではの装備や準備が必要になってくる。そこで、先輩たちにすぐに実践できる具体的な雨対策のアドバイスを教えてもらった。
防水性の帽子で雨の山を満喫
ライター・山畑理絵さん
「雨の森では、晴天時には影をひそめていたコケやキノコなどが、水を含んで生き返ったように鮮やかになり、存在を主張してきます。雨天時のそんな世界を堪能したいから、私は多少の雨ならレインウェアのフードを極力被らず、防水性能のある帽子で過ごしています。雨が激しいときにはフードと帽子を併用。帽子があるだけで、断然、雨の日が快適になりますよ」
体に触れるインナーなど予備の装備を
登山ガイド・渡辺 佐智さん
「防水やレイヤリングが重要なことはもちろん、それでも濡れてしまったときのため、靴下、手袋、ファーストレイヤー、下着の4点は予備の装備をしておきます。これらが濡れてしまうと、行動中はよくても長い休憩時(小屋泊・テント泊)などに一気に体温が下がってしまうからです。上に着るものが濡れていても体に触れる部分が乾いていれば、体感温度は全然違います」
さぁ、出掛けよう! 雨の景色が美しい森・湿原へ
同じ場所でも晴れの日とはまったく違う表情を見せる森や湿原。本州最大級の湿原「尾瀬ヶ原(群馬県)」では水芭蕉が顔を出しはじめ、「高谷池(新潟県)」では運がよければ愛くるしい雷鳥に会える。また、「北八ヶ岳(長野県)」はコケのじゅうたんに覆われた神秘的な光景が広がる。瑞々しい新緑や、生き生きと活動する動物など、生命力をダイレクトに感じることができるこの季節こそ、山や森へ出掛けてみよう。
(K)
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ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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