自然が生み出した「水の恵み」を育んでいくための考え方
ランドネ 編集部
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私たちが生活していくために、なくてはならない「水」。
きれいな水を保っていくための考え方や、いま私たちにできることについて。
子どもや親子を対象とした自然体験活動を行なっている、登山ガイドの栗田朋恵さんに教えてもらいました。
Index
なぜ水を大切にしないといけないの?
「水」といえば、川とか海とか、自然のなかのもののイメージが先に湧くと思うのですが、水道から出てくる水もおなじ水で、雨が降って地に染みこんで、あちこち流れながらたどり着いた水が、自分たちの体のなかに入っています。世界のきれいな川も、生活するために使用している水も、おなじひとつの「水」なんですよね。
目の前の水がめぐりめぐって田んぼに入り、田んぼの水を吸収して実をつけたお米を私たちは食べている。
川や海の水も、降っている雨も、飲み水も、100年後に湧き出てくる水も、全部つながっているんです。
日本は水が潤沢にあって、山も多いし川もあるし、海もあって。恵まれている国のひとつではある。でも、水が全然ない国は、遠くから引いてこなければいけない。3時間水を運ばないと生活できない国もあります。
「どうして水を大切にしなきゃいけないの?」といわれると、川や海に住んでいる多様な植物のためとか、環境のためとか、大きなテーマが出てくると思うんですが、そこまで大きく考えずに、「自分たちの口に入ってくる水がきれいなものであったほうがうれしいから」で、いいと思うんです。
実体験をとおして水の大切さを学ぶ
キャンプや川遊びなどの自然体験は、自然を身近に感じることができるので、水を汚してはいけないという意識が高まる瞬間でもあります。外に出かけて川の水を触ってみたり、海で遊んだときに、水のことを考えるひとつのきっかけになればいいですね。
「いま触っているこの水は、じつは家で水道から出てくる水とおなじ『水』なんだよ」
「キャンプでこの水を大事にしたいなと思ったら、家の前を流れている小川の水も大事だよね」
ということが親子でいっしょに話せるといいですよね。
子どもは実体験が学びになりやすいですが、大人も自分の子どもを通して、未来が身近になるところがあると思います。
子どもが大人になったときに、きれいな水を残したい、自分の子どもが親になったときにもこんな風に親子で川遊びできる未来であったらいいなとか。
そう考えてみると、遠い未来の話が一気に身近になりますよね。
できることをひとつずつやる
水を大切にっていわれても、漠然としすぎてなにをすればいいのかよくわからない。
でも、なにか特別な意識で取り組まなくても、本当に小さなことでいいんです。
たとえば、家庭で食器用洗剤を環境にやさしいものに変えてみる。
それだけのこと?と思うかもしれませんが、一年間使い続けたら、消費した洗剤の量ってすごく大きなものになります。それを親や兄弟にも教えてあげたら、身近な3人が変わる。変化は連鎖して、どんどん大きくなっていきます。だれかが大きく変わるのを待つのではなく、みんなが第一人者になるつもりで行動できたらいいですよね。
油をそのまま流さず、固めて燃えるゴミとして処理するとか、キャンプではペーパーで汚れを拭きとってから食器を洗うとか。そんな小さなことから行動していきませんか?
教えてくれた人
栗田朋恵
登山ガイド。長野県小谷村生まれ。親子の山歩きや自然体験のワークショップを行なう「外あそびtete」、自然とアートや旅をテーマにした活動「山と図工の学び舎てくてく」を主宰。二児の母
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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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