【いつか泊まりたい山小屋#27 尾瀬・温泉小屋】思わず写真を撮りたくなる、湿原のなかの温泉宿
ランドネ 編集部
- 2022年09月28日
「あの山小屋に泊まってみたい」。そんな憧れが、山へ向かうきっかけになることもあるはず。本連載では、立地や食事、山小屋の主人やスタッフの人柄など、その山小屋ならではの魅力にスポットを当てながら、ランドネ編集部おすすめの山小屋をご紹介。27軒目は、尾瀬ヶ原の北の端に佇む温泉宿、温泉小屋をピックアップ。
Index
山小屋のそこかしこに映えるポイントがたくさん
尾瀬の山小屋といえば、6軒もの山小屋が密集する見晴エリアを思い浮かべる人も多いかもしれないが、今回ご紹介するのは、尾瀬ヶ原の北の端、赤田代にポツリと建つ温泉小屋だ。温泉小屋への所要時間は、群馬県側の登山口である鳩待峠からは片道約4時間、福島県側の登山口である御池からは片道約3時間30分。とくに鳩待峠からであれば、歩き始めこそ緩やかな下りだが、湿原に出れば山小屋までフラットな木道歩きが続くので、登山未経験の人でも目指しやすいだろう。
そんな山小屋のいちばんの魅力は、映えるアイテムやスポットが山小屋全体に散りばめられていること。最初に目につくのは、かわいらしい山小屋のオリジナルロゴの存在だ。このロゴはイラストレーター落合恵さんが手がけたもの。山小屋の看板やオリジナルグッズなどに使用されていて、山小屋全体の雰囲気づくりに一役買っている。
山小屋の前に設置されたテラスカフェも、映えスポットのひとつ。イスに腰掛ければ、目の前に広がる湿原や山々の景色をゆっくりと鑑賞可能。また薪ストーブのある館内のラウンジも、ホテルのロビーのような上質な空間が広がっていて、どこを切り取っても絵になること間違いなし。
天然温泉にぜいたくグルメ。快適すぎて帰りたくなくなる!?
登山者にとって、山小屋にお風呂があることもポイント高し。そのお湯が天然温泉であればなおのこと。温泉小屋周辺には鉄分を多く含んだ源泉が湧き出ていて、宿泊すれば、その源泉を加温したお湯に浸かることができる。
快適な滞在には、ごはんの満足感も欠かせない。温泉小屋の夕食メニューは、手作りのカレーライスをメインに、牛すき小鉢やサラダが付いてくる。さらにユニークなのは、追加料金で最高級部位のテンダーロインステーキをいただけること。せっかくならばランクアップして、ぜいたくな滞在を心ゆくまで味わい尽くしてみては。
山小屋から目指すおすすめルート【温泉小屋~平滑ノ滝展望台~三条ノ滝展望台 約1時間】
広大な湿原とはまた違う風景を味わえるのが、温泉小屋から北に延びる樹林帯を歩いた先にあるふたつの滝を目指すルート。山小屋発着の場合、手前に現れるのが平滑ノ滝で、そのさらに奥にあるのが大迫力の三条ノ滝だ。三条ノ滝まででも山小屋からは片道1時間歩けばたどり着けるので、気軽なハイキングにぴったり。
往路は来た道を戻ってもいいけれど、三条ノ滝展望台からさらに北にあるうさぎ田代分岐まで30分ほど登り、そこから段吉新道を通って戻るという歩き方も。小さな湿原のうさぎ田代では、秋にまわりを取り囲む色鮮やかな紅葉を楽しめる。ふたつの滝を繋ぐこのルートには、濡れた露岩やぬかるみがあり滑りやすいので、しっかりと地面を捉えるグリップ力のある靴底の登山靴を履いて出かけよう。
古きよき山小屋のイメージとは異なり、洗練された雰囲気が漂う山小屋、温泉小屋。登山口からの標高差もさほどなくのんびり歩いてたどり着ける場所なので、癒しを求めている人、登山デビュー・山小屋泊デビューの友人と山歩きを楽しみたい人にぜひおすすめしたい。
温泉小屋
https://oze-onsengoya.com/
・標高:1,420m
・営業期間:5月下旬~8月下旬、9月中旬~10月中旬
・宿泊料金(税込):1泊2食11,550円~(別館、3名以上での個室利用の場合)
・電話番号:080-6601-3394(8:00~19:00)
・コロナ禍での確認事項:完全予約制、個室あり、マスク・除菌シートを要持参
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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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