【いつか泊まりたい山小屋#35 八ヶ岳・夏沢鉱泉】水洗トイレ、Free Wi-Fi、カード決済など 快適性を追究した温泉宿
ランドネ 編集部
- 2023年04月11日
「あの山小屋に泊まってみたい」。そんな憧れが、山へ向かうきっかけになることもあるはず。本連載では、立地や食事、山小屋の主人やスタッフの人柄など、その山小屋ならではの魅力にスポットを当てながら、ランドネ編集部おすすめの山小屋をご紹介。35軒目は、八ヶ岳西麓のシラビソ原生林に囲まれた秘湯の宿、夏沢鉱泉をピックアップ。
Index
リニューアルしてより快適な山小屋にアップデート
八ヶ岳の硫黄岳や天狗岳を目指す登山者のベースとして利用されることの多い夏沢鉱泉は、桜平登山口から片道30分、シラビソの原生林に囲まれた沢沿いに建つ。標高2,060mに位置するこの山小屋の大きな特徴は、国内で5番目の高所にある温泉地であること。最寄の茅野駅から登山口への無料送迎サービス(お迎えとお送り)が宿泊者向けにある。さらに登山口の駐車場から山小屋までも近いことから、この秘湯での入浴を目的に訪れる客も多い。
夏沢鉱泉のコンセプトは「快適、清潔でくつろげる空間」。日本の山小屋で最初に設置された、臭いがしない本水洗方式の水洗トイレがあることは、とくに山小屋に泊まったことがない人にとってうれしいポイント。また水力発電によって充分な電力が供給されるというポテンシャルを活かしFree Wi-Fi、クレジット&電子マネー決済が利用できることも、快適性を高めてくれるサービスだ。
地域ならではのグルメやお土産にも注目
山小屋泊のお楽しみとして欠かせないグルメが充実しているのも、夏沢鉱泉のいいところだ。夕食は、地元の食材をふんだんに使用した信州産豚バラ豆乳鍋。大豆から手作りした自家製味噌ブレンドを使っているうえ、鍋や副菜に使っている季節の野菜や野沢菜も自家製にこだわっている。軽食として提供されている、山小屋限定のおはぎも人気メニューだ。ふもとの自家焙煎珈琲豆専門店「モリノコーヒー」の豆を使用したコーヒーといっしょに、ぜひいただこう。
ピンバッチや手ぬぐいなど、売店で購入可能な山小屋オリジナルグッズにも力を入れている。ピンバッチはなんと11種類ものバリエーションがあり、どれを選ぶか悩んでしまうはず。
山小屋から目指すおすすめルート【夏沢鉱泉~硫黄岳 片道約2時間10分】
登山口から30分でたどりつける夏沢鉱泉を拠点にすれば、翌日に充分な体力を残せるので、目的地の選択肢が広がる。通年営業なので、雪山登山時の拠点としても最適だ。雪山でおすすめの目的地は、標高2,760mの硫黄岳。雪をかぶった樹林帯の道、夏沢峠以降は展望のよい稜線、そしてなだらかな山頂付近には爆裂火口跡。山頂からは大パノラマが広がる。北から南までの八ヶ岳の稜線、北・南・中央アルプスや御岳・浅間山・金峯山などが望める眺望が抜群にすばらしい。夏沢鉱泉から目指せば、片道2時間10分ながらさまざまな景色をギュッと楽しめる。
硫黄岳へは、夏沢峠を経由するルートのほか、赤岩の頭から回り込んで目指すルートもある。とくに雪山シーズンの場合は、確実な行動をとるために登りも下りも夏沢峠経由がおすすめだ。雪が風で飛んで少なくなっていて雪崩の心配は無い。風が強いことが多いのでバラクラバ(目出帽子)とゴーグルは必携だ。下山後、硫黄岳への登頂のご褒美には、夏沢鉱泉の源泉100%の湯が待っている。
山小屋ながら、ホテルや旅館にも劣らないサービスが満載の夏沢鉱泉。体力に自信がない人や、山小屋泊が初めての人と八ヶ岳を歩く際にとくにおすすめしたい場所だ。
夏沢鉱泉
https://iodake.jp/natsuzawa/
※HPからメールで予約可能
・標高:2,060m
・営業期間:通年
・宿泊料金(税込):1泊2食14,000円~、素泊まり11,000円~
※冬期は一律+1,000円
・電話番号:0266-73-6673(硫黄岳山荘グループ 予約専用ダイヤル8:00~20:00)
・コロナ禍での確認事項:完全予約制、個室あり、マスクを要持参
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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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