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アウトドアショップ「エルク」が案内!山梨百名山の楽しみ方|#03 深山幽谷に咲く白い花

山梨百名山の魅力や楽しみ方を伝える、アウトドアショップ「エルク」の綾井です。
今年の3月から12月までの10か月間で100座登って魅力を伝える「山梨百名山チャレンジ」。梅雨入りとともに、予定の山行が中止になるものもチラホラ出てきました。完走できるか不安になってきていますが、必ず年内に達成できるよう登っていきます!

そんな梅雨の晴れ間を縫って行った山でも、すばらしい出会いと経験をすることができました。

今回は5月下旬にひとり静かに登った山で、僕に強烈ですばらしい印象を与えてくれた”静かな山”を紹介します!

5~6月中旬までに登った山梨の山

▲甘利山

・要害山
・長者ヶ岳
・山伏
・八紘嶺
・黒岳
・釈迦ヶ岳
・飛竜山
・雲取山
・甘利山
・千頭星山
・雁ヶ原摺山

その前に、このひと月で登った山を簡単にふり返ります。

予定通りいかなかったと言ったものの、およそひと月で11座。一回の山行で複数の山の縦走や、連続登山をして数をこなしていきました。

▲長者ヶ岳(天子岳)

天子ヶ岳の縦走で瓔珞ツツジに出会うことができた長者ヶ岳。タフなルートながら、山中にある三条の湯で癒された飛竜山と雲取山。甘利山、千頭星山の縦走では、山を真っ赤に彩るレンゲツツジは見事でしたね。

▲雲取山・飛竜山
▲雁ヶ原摺山

旧五百円札の裏に印刷された富士山の撮影地であった雁ヶ原摺山では、狙い通り富士山の絶景も見ることができました。

さて今回紹介する山は、山梨百名山のなかでも最も”山深い”山域にある、ふたつの山です。

山伏 八紘嶺~オクシズの深山と白い花に魅せられて~

▲山伏

山梨百名山でありながら、静岡県の登山口を使わなければいけない山が「山伏(やんぶし)」「八紘嶺(はっこうれい)」の二座。(※七面山からの縦走も可能ですが、一般的には静岡側から登る)。

この二座は「オクシズ(=奥静岡エリア)」と呼ばれる、静岡市の山間部エリアに位置します。
海のイメージが強い静岡ですが、山梨に接するオクシズエリアに行けば、豊かな自然が残る山間部になっていて、山梨にあるほかの山々よりも”山が深い”んです。

▲八紘嶺

ほかのエリアの山のほとんどは、山頂から近くの町や人里を見下ろすことができますが、このエリアは山からは山しか見えません。

そんな人里も見えない静かで深い山々に、今回は足を踏み入れていきました。

西日陰沢ルートから山伏へ

▲山伏登山口

山伏と八紘嶺を縦走するにあたって、黄金の湯駐車場からの周回ルートを取りました。この場合は、道路歩きも含め約20kmのロングコースとなり、一般的には日帰りで目指すにはかなりハードな山行となります。

まずは登山口まで4km以上の林道を歩き、そこから沢沿いの登山道を歩いていきます。何度か沢を渡る箇所がありますが、梅雨時期など水量が多い時期は少し危険です。

苔むした岩が美しい森を登ってしばらくすると、すでに放棄され朽ち果てた「わさび田」跡が出てきます。いまや登山者すらあまり入らないこの山奥に人が暮らしていた跡を見て、この場所の歴史や往時に思いを巡らせることができます。

この日は八紘嶺の山頂まで人と会わない静かな山行だったので、こんな発見や出会いが楽しかったりするんですよね。

▲山頂の展望

蓬峠を越え急登を登り切れば、突如開けた山頂に出ることができます。

山頂に出るまで深い霧に覆われいましたが、霧が晴れ富士山が姿を現したかと思えば、南アルプス南部の3,000級の山、そして南アルプス深南部と呼ばれる山々のパノラマが開けました。

霧に包まれながら急登を登ったあとのこのドラマティックな展開で、この山が鮮明に心に残ることとなりました。

八紘嶺への縦走とシロヤシオ

山伏と八紘嶺はつながっているとはいえ、距離にして6km以上あるので、まだまだ気合を入れて進んでいきます。

急登ばかりでしたが、ここからは緩やかな登りと下りが連続する気持ちのいい尾根歩きです。この時期に山伏、八紘嶺登山を選んだのは、「シロヤシオ」の会いに行くため。山梨の山では、ほとんど自生していないシロヤシオですが、八紘嶺ではその白く可憐な花に会うことができます。

▲シロヤシオを愛でる

待ち侘びたシロヤシオは、山伏から出発してすぐの縦走路で、あっさりと会うことができました。

鮮やかな緑色をした葉に、寄り添って咲き誇る真っ白な花のコントラストが美しいシロヤシオ。初めてシロヤシオの花を見た僕は、先を急がないといけないのに、しばらく純白の花に見惚れていました。

▲大谷嶺

山伏までの縦走路には、迫力ある崩落斜面をもつ「大谷嶺」など、何度かピークを越えていきます。大谷嶺の堂々たる山容を見ることができたのは、僕にとってうれしいサプライズ。

大谷嶺を越えても続く縦走路。足がだんだんと重くなってきたタイミングで、霧に包まれる前の八紘嶺を視界にとらえることができました。

▲八紘嶺に向けて最後の登り

ここからはこの日の山行最後の登り。ストックで体を持ち上げながら登りました。

▲八紘嶺山頂

そして登山開始から7時間、八紘嶺の山頂に到着です。あとは下りと車道歩きだけとなるので、ここまでくればひと安心です。

八紘嶺から梅ヶ島温泉へ

八紘嶺の山頂から梅ヶ島温泉に下りる道中も、シロヤシオやミツバツツジの大群生を見ることができます。疲れてはいましたが、この花々たちに癒されながら下ることができました。

▲梅ヶ島温泉

オクシズ秘境の名湯「梅ヶ島温泉」へ下れば、あとはスタート地点の小金湯までの約3kmの車道歩きです。

山伏での絶景、大谷嶺の崩壊地、山を埋め尽くすシロヤシオ、この日の思い出を噛み締めながら歩けば、最後の車道歩きも苦にならず歩くことができました。

山伏、八紘嶺ともにそれぞれピストンで登ることもできるし、山伏はより山頂に近い登山口もあります。それでも縦走で挑戦したからこそ、静かな尾根歩きも、予期せぬ大谷嶺との出会いも、シロヤシオのトンネルをくぐる体験も、ひとり静かにこの山で体感することができる幸せな時間でした。

6月後半からは開山シーズン!

南アルプス北岳は6月23日から、富士山は7月1日から開山です。北岳も富士山も、開山初日に狙っていますので、次回の#4では、今季の開山情報や北岳情報をお届けしようと思います。

エルクスタッフ 綾井瞭
北岳の山小屋で勤務後、山梨の山が好きで移住し、エルクに入社し7年。登山、トレイルランニング、スキーと広く山を楽しんでいたが、ヒザを壊してからは山梨県の山を改めて登り始める。山梨百名山チャレンジ企画の担当であり、山梨県の山を登って魅力を発信することをモットーに山登りを続けている。

エルクブログ「山梨百名山チャレンジ」はこちらから!

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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