タンパク質不足の不安を解消!間違いのない“タンパク質のとり方”
- 2021年05月18日
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太りやすいのはタンパク質が足りていないから?
普段、肉や魚を食べてたくさん食べているつもりでも、必要量がとれていないのがタンパク質です。とくに、日常的にランニングなどのスポーツを行う習慣がある人は不足しがちです。その理由は、タンパク質はあらゆる体の組織の材料となる栄養素だからです。とくに、筋肉の材料ともなるため、体を動かせば動かすほどタンパク質は消費されるのです。
ランニングをはじめとしたスポーツを行う人にとって、タンパク質不足は致命的といえます。その理由は、ランニングで筋肉を酷使して筋組織を破壊した後、タンパク質が不足していると筋組織の修復がスムーズに行われず、筋肉量の低下を招くからです。
さらに深刻なのは、筋肉量が減れば基礎代謝も落ち、太りやすい体質になってしまうということです。また、タンパク質は免疫抗体の材料になるため、不足した状態が続くと、免疫力が低下してインフルエンザなどの感染症にもかかりやすくなります。
タンパク質のおもな働き
体の組織を作る
筋肉、内臓、血液、骨、毛髪、ヒフなど、あらゆる体の組織はタンパク質を材料として作られています。
ホルモンや酵素を作る
体調維持、心と体のバランスを保つうえで欠かせない、ホルモンや代謝に必要な酵素の材料となります。
免疫力を維持する
免疫細胞の材料となるため、不足は免疫低下をもたらします。免疫を司る腸もタンパク質が不足すると機能が低下します。
エネルギー源になる
糖質や脂質同様にエネルギー源になります。とくにBCAAと呼ばれるタンパク質(アミノ酸)は脳のエネルギー源となるため、不足すると集中力が失われます。
タンパク質不足がもたらす体への影響
■筋肉量が減ってしまう
■貧血になりやすくなる
■風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなる
■肌や粘膜のトラブルが頻発する
■骨粗しょう症のリスクが高まる
■メンタルの不調をきたしやすくなる
■自律神経の乱れが生じる
■代謝が落ち、太りやすくなる
植物性タンパク質で、ダイエット中のタンパク質不足を防ぐ
タンパク質がとれる食品というと、肉や魚などの動物性食品に含まれるというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?しかし、タンパク質は植物性食品にも含まれているのです。
タンパク質は、赤身肉や魚などの動物性食品に含まれるのが「動物性タンパク質」、植物性食品に含まれるのが「植物性タンパク質」の2種類に大別されます。動物性タンパク質も植物性タンパク質も働きはまったく同じです。そのため、体内に入れば同じタンパク質として利用されます。
動物性タンパク質の優れた点は、含有量の多さと吸収利用効率の高さで、少量で多くのタンパク質をとることができるところです。また、鉄、ビタミンB群をはじめとした運動時に必要となる栄養素を同時にとれることもメリットです。ただし、脂質を多く含む食品が多いため、食べすぎるとカロリー過多になるというデメリットがあります。
もういっぽうの植物性タンパク質は、動物性食品と比較してgあたりの含有量が少なく、吸収利用率は悪いという欠点はあります。しかし、脂質過多になりにくいため、ダイエット中の人、動物性食品が苦手なら、植物性タンパク質を含む食品を多めに食べましょう。
動物性タンパク質を含む食品
肉、魚、魚介類、乳製品、卵
植物性タンパク質を含む食品
大豆、大豆製品、白米
タンパク質不足を防ぐには?
不足しがちなタンパク質ですが、自分のタンパク質摂取量が適正なのかを知ることは難しいですよね?ここで、目安にしてほしいのが、体重1kgあたりの推奨摂取量です。運動習慣のない人の1日のタンパク質推奨摂取量は、体重1㎏あたり0.8g~1.0g。日常的にトレーニングをしている人はそれより多くの量を摂取する必要があります。
トレーニングをした日は1.5倍のタンパク質を!
具体的には、ランニングなどの持久力系の運動を行った場合は、体重1kgあたり1.2~1.5g、短距離走やサッカーのような瞬発系の運動を行った場合は1.7~1.8gが目安となります。
ちなみに、タンパク質はとりすぎると肝臓や腎臓に負担をかけます。そのため、多くても1日2.0g以下にとどめておく必要があります。また、体が一度に利用できるタンパク質の量には限りがあるので、まとめどりをすると利用しきれなかったぶんはすべて排出されて無駄になってしまいます。たとえば、夕食だけ肉をたくさん食べたりしても、その多くは無駄になってしまうのです。そのため一気にとるのではなく、小分けにとることを心がけましょう。
タンパク質不足を解消の救世主は「アミノ酸スコア」
タンパク質不足に陥らないための秘訣は、少量でも無駄なく利用できる質のよいタンパク質を含む食品を食べることです。そこで知っておきたいのが、「アミノ酸スコア」です。タンパク質は体内で消化されると20種類の「アミノ酸」という物質に分解されてから吸収されます。
アミノ酸は、人間の体内で作ることができない9種類の「必須アミノ酸」と、体内で作ることができる11種類の「非必須アミノ酸」の2種類に大別されます。体内で作れない必須アミノ酸は、食品から摂取しないと不足してしまいます。この必須アミノ酸の必要摂取量は厚生労働省の食事摂取基準によって定められており、これをもとに必須アミノ酸がバランスよく含まれているかを数値化したものがアミノ酸スコアです。スコアが100に近い食品ほど必須アミノ酸を豊富に含み、
つまり、アミノ酸スコアの高い食品を食べれば、食事量を増やさなくても必要量のタンパク質がとれることになります。そのため、食が細い人、体重増加が気になる人、トレーニングをして食欲がないようなときには、アミノ酸スコアの高い食品を食べるようにしましょう。
アミノ酸スコアの高いおすすめ食品はこれ!
肉、魚、卵、大豆・大豆製品、牛乳・乳製品
ランニング直後には速攻タンパク質を摂取!
ランニングは筋肉への負荷が高いスポーツです。そのため、走るたびに筋線維は傷つき、破壊されてしまいます。それを修復するためにもタンパク質の摂取は必須となります。また、タンパク質の代謝を助ける働きをする糖質の摂取も同時に摂取することが必要となります。糖質が不足しているとタンパク質はうまく使われず、不足してしまいます。
タイミングが大事!タンパク質補給法
筋肉をしっかり修復するうえで重要となるのは、摂取タイミングです。損傷した筋肉は猛スピードで修復が開始されるため、タンパク質と糖質は少なくとも20~30分以内に摂取する必要があります。
具体的には、トレーニング直後にゼリードリンクやオレンジジュースなどの糖質が含まれた食品とともに。ここでは、食品よりも吸収スピードの速い、分岐鎖アミノ酸(BCAA)をサプリメントで摂取することがおすすめです。「BCAA(分岐鎖アミノ酸)」。このBCAAとは、タンパク質を構成する20種類のアミノ酸のなかの「バリン、ロイシン、イソロイシン」という3つのアミノ酸のことです。BCAAはほかのアミノ酸と比較して筋肉の材料として使われやすいため、サプリメントで摂取することで筋修復のスピードに遅れることなく、タンパク質を補給することができます。
また、その後の食事でも、いつもより多めに肉や大豆製品などのタンパク質豊富な食品を食べることが必要です。ここでは、タンパク質の代謝を助けるビタミンB6を含む鶏肉や、鉄がとれる赤身肉にプラスして緑黄色野菜もたっぷりと食べましょう。これで筋修復が滞りなく行われ、筋肉量の減少を防ぐことができます。あわせて、白米など消化のよい炭水化物も忘れずに。ちなみに、いつもより距離を走ったなど、ハードなトレーニングを行ったときには胃腸が疲れていることも考えられるので、生ものは避けましょう。
監修
篠原絵理佳(しのはらえりか)
管理栄養士。Health&Beautrition主宰。日本抗加齢学会認定指導士、野菜ソムリエプロ、睡眠改善インストラクターなど、多彩な資格を持つ。総合病院、腎臓内科クリニック勤務を経て独立。管理栄養士としては臨床の場でチーム医療に携わり、食事制限があっても美味しく楽しく食と向き合うことをモットーとする。食生活からの健康作りについてわかりやすく発信することを得意とする。
管理栄養士「篠原絵里佳」オフィシャルHP⇒https://ericashinohara.com/
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