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ヨガのすべてはここに書かれている!【ヨーガスートラ入門①】

何度でも読み返してほしい

ヨガをもっと深めていきたい!何のためにヨガをするんだろう?と思い始めたら、手に取ってほしい『ヨーガスートラ』。ヨガの教科書とも呼ばれていて、ここにヨガのすべてが書かれているとも言われています。決して簡単に読める本ではないけれど、だからこそ何度も読み返してほしい。そのたびに新鮮な気づきを与えてくれる、偉大な本です。

ヨガ初心者にとっては今後の道しるべに、長く実践している人には自分のヨガを見つめ直すキッカケに。この深い深い『ヨーガスートラ』の世界を、日常生活に落とし込めるようにわかりやすく解説するシリーズ第1回。今回は本文に入る前に、起源と筆者との紹介から始めていきます。

いつ書かれたの?

『ヨーガスートラ』は、紀元前1世紀(〜紀元前2世紀の間)から数百年の間にできたと言われていて、いくつかの論文をまとめて5世紀ごろ完成したとされています。原型が成立したのが2〜4世紀ごろと推測されており、インド古代の伝統的な知恵や思想が合わさって、一つの教典となったと考えられています。

ヨーガ学派の根本教典であり、ヨガを行う修行者や指導者にとってとても重要な書物でした。それまでのヨガの伝統をまとめあげ、八支則という体系にまで落とし込んだ『ヨーガスートラ』。今やヨガに携わる人で、八支則を知らない人はいないほどの地位にまで上り詰めました。

誰が書いたの?

そもそもこの『ヨーガスートラ』、誰が書いたのでしょう?一般的に、パタンジャリという人によって書かれたと言われています。しかし、そのパタンジャリがどんな人であったのかという部分は、はっきりとはわかっていません。ここでは代表的な三つの説を紹介します。

一つ目は、文法家であったパタンジャリと同一人物であるとする説。このパタンジャリは『パーニニ』という文典の註釈書である『マハーバーシャ』の作者なのですが、彼の生存時期が紀元前2世紀ごろだったため、必然的に『ヨーガスートラ』はそれまでにできていたということになり、時間的な矛盾が出てきてしまいます。

二つ目の説は、『ヨーガスートラ』の一番古い部分を文法家のパタンジャリが記述して、数百年がかりで5世紀ごろまでに完成されたのだろうとする説。

最後三つ目の説が、文法家のパタンジャリとは別人とするもので、いまだにどの説が正しいかははっきりしていません。

一文一文、何でそんなに短いの?

『ヨーガスートラ』を開いた時にまず気づくのが、短い文章が一つひとつ、淡々と記されているということ。これは、師匠が弟子に説明する時の解説・目安となる、指導手引き的なものとして作られたため、と考えられています。ヨガは知識だけでなく、「行・実践・体験」で自ら体得していくものである、ということを示していると言えるでしょう。当時は印刷技術もなく口伝で伝わってきたということもあり、あえて短い文でまとめられたとも考えられています。

今回はここまで。あまりにも古い書物で理解が難しいこともあり、まずは背景について紹介しました。『ヨーガスートラ』の場合は特に、まずはどんな本であるのかをしっかり知っておくことがとても大事だと思います。次回からは、少しずつ中身に入っていきますので、お楽しみに。

 

 

監修:橋本光(日本フィットネスヨーガ協会代表)
1993年、日本フィットネスヨーガ協会を発足。インド古来からアメリカのヨガまで、オールラウンドに包み込んだフィットネスヨーガの普及に努める。フィットネスクラブにヨガを定着させ、数百名のインストラクターを養成。目黒にスタジオを持つ。

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大嶋朋子

編集デスク

大嶋朋子

株式会社Lotus8編集統括マネージャー。心理カウンセリング、傾聴を学び、判断基準を「ヨガの八支則」のヤマ・ニヤマにおいて、日々、女性の心と体について知識を深めている。

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