【いつか泊まりたい山小屋#17 南アルプス・仙丈小屋】絶景とスパイス料理を味わえるカール直下のオアシス
ランドネ 編集部
- 2022年04月20日
「あの山小屋に泊まってみたい」。そんな憧れが、山へ向かうきっかけになることもあるはず。本連載では、立地や食事、山小屋の主人やスタッフの人柄など、その山小屋ならではの魅力にスポットを当てながら、ランドネ編集部おすすめの山小屋をご紹介。17軒目は、南アルプス北部、仙丈ヶ岳の山頂直下に佇む仙丈小屋をピックアップ。
Index
テラスから甲斐駒ヶ岳や伊那谷を一望できるロケーション
そのなだらかな山容と、夏に高山植物が咲き誇ることから“南アルプスの女王”と呼ばれている仙丈ヶ岳。その仙丈ヶ岳の山頂付近には、遠い昔に氷河に削り取られて形成されたカールがあり、仙丈小屋はそのカールの麓にポツリと建っている。
仙丈小屋からは、仙丈ヶ岳同様に南アルプス北部を代表する山として知られる甲斐駒ヶ岳、麓に広がる伊那谷、その向こうに連なる中央アルプスを一望することが可能だ。2021年には山小屋の西側にテラスが設けられ、山と谷が織りなすダイナミックな景色をゆっくりと楽しめるようになった。
昼食のパキスタン系カレーとインドネシア風おこのみ焼きで旅気分
山頂付近というロケーションに恵まれている一方、水が少ないこと、食材を運ぶのに時間がかかることなど、山小屋を運営するうえで制約が多いのも仙丈小屋の特徴だ。そんななか、管理人の狩野さんが経験豊富な料理人ということもあり、手の込んだ昼食メニューが提供されている。パキスタン系の無水カレー、インドネシアの屋台料理であるマルタバ・テロ―ルなど、山小屋どころか麓でもお目にかかれないようなメニューに、旅気分はよりいっそう高まること間違いなし。
そのほか山小屋では、地元の珈琲専門店から仕入れた豆で淹れたドリップコーヒー、生ビールも提供されている。天気がよければ絶景テラスに腰掛けて、ここでしか味わえない景色とグルメを堪能してみては。
山小屋から目指すおすすめルート【仙丈小屋~仙丈ヶ岳 片道約30分】
仙丈小屋から目指すべき場所は、なんといっても仙丈ヶ岳だ。山小屋に不要な荷物はすべて置いて、身軽な状態で山頂を目指そう。山頂まで片道30分ととても近いので、山頂に腰掛けて景色をゆっくり楽しむ余裕がある。到着したその日の夕方に登って日の入りを眺めたり、夜明け前に登り始めて日の出を眺めたりするのもおすすめだ。雷鳥も生息しているので、運が良ければ遭遇できるかも。
仙丈ヶ岳から南へ10分ほど稜線を進むと大仙丈ヶ岳があり、その先にさらに塩見岳まで続く長大な稜線が延びていて、何日もかけて縦走することもできる。体力や経験に自信がついたら、南アルプス北部を南下する縦走旅を計画してみよう。
おもな登山口である北沢峠から仙丈ヶ岳までは片道約4時間なので、健脚派なら日帰りでピストンすることも可能だ。しかし、日帰りで足早に通過するだけではもったいない景色とサービスが仙丈小屋にはあり、じわじわとリピーターを増やし続けている。
仙丈小屋
https://www.ina-city-kankou.co.jp/yamagoya/senjo/
・標高:2,890m
・営業期間:6月中旬~10月下旬
※コロナ禍の状況により変更の可能性あり。林道バスの運行状況に併せて延長あり。
・宿泊料金(税込):平日1泊2食12,000円、休前日1泊2食13,000円、1泊2食12,000円、平日素泊まり8,000円、休前日素泊まり9,000円
※休前日:土曜日、(連休の場合)初日の前日~最終日の前日まで。
・電話番号:090-1883-3033(期間中9:00~15:00)
コロナ禍での確認事項:完全予約制、インナーシーツ要持参
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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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