“RINPA”琳派ってなんだ!? 誕生400年記念展で秋の京都は琳派に彩られる
トリコガイドシリーズ 編集部
- 2015年07月13日
この春、東京国立博物館で国宝「鳥獣戯画」の4巻が一挙公開され連日大賑わいとなったが、秋は“琳派”が話題をさらいそうだ。琳派誕生400年を記念して、特別展覧会「琳派 京(みやこ)を彩る」が2015年10月10日(土)~11月23日(月・祝)に京都国立博物館で開催される。
そもそも琳派とは何か? 琳派は、1615年に徳川家康から京都・鷹峯の地を拝領した本阿弥光悦が拓いた芸術家のユートピア“光悦村”を起源とする造形芸術の流派のひとつで、例えば狩野派のような厳しい定義があるわけではなく、明確な師弟関係などもない。簡単にいってしまうと、“浮世絵”などと同列のジャンルや様式のようなものだという。
といわれてもちょっと分かりにくいかも知れないが、俵屋宗達が手掛けた国宝・「風神雷神図屏風」や、京都・建仁寺の法堂の天井に描かれた水墨画「双竜」、血天井で有名な京都・養源院の「白象図」など、琳派という言葉を知らなくても代表作品は目にしたことがある人も多いはず。ユーモアあふれる動物など親しみやすい作品があることも琳派の特長のひとつだ。
10月27日(火)~11月8日(日)は、宗達、光琳、抱一の「風神雷神図屏風」そろい踏み
琳派は直接の師弟関係を持たず、模写をしながらその中に自らの創作を加えていくことで発展してきた流派。その流れを端的に表しているのが、俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一が描いた3組の「風神雷神図屏風」だ。この3人はそれぞれ活躍した年代に100年ほどの開きがあることからも直接的な交流はない。その3人が模写を通じて、それぞれ特色・才能を発揮した作品を見比べられることは、この展覧会の大きな魅力だ。
ただし、この3作品は展示期間が異なるため揃って観賞ができるのは10月27日(火)~11月8日(日)の2週間のみ。遠方から出掛ける方は、ぜひこの期間を狙って足を運んでほしい。
国宝5点、重要文化財36点。大規模琳派展は史上初!
実は琳派の展覧会が行われるのは、今回がほぼ初めてのこと。これについて、地元・京都の方々も意外だったという。その理由が、「あまりも身近だったので……」というものだったとか。そのくらい、琳派は京都の人々の生活に溶け込んでいるものらしい。そんなエピソードを聞くと、琳派は見るものではなく、感じ取るものなのかもしれないとも思う。
国宝5点、重要文化財36点と、錚々たる作品が集められることになった「琳派 京(みやこ)を彩る」。会期中はゆかりのお寺や施設でも特別展示を予定しているので、展覧会と一緒に琳派散策へ出掛けてみてはいかがだろうか。
(K)
琳派誕生400年記念 特別展覧会「琳派 京(みやこ)を彩る」
会期:2015年10月10日(土)~11月23日(月・祝)
会場:京都国立博物館・平成知新館(京都市東山区茶屋町527)
アクセス:市バス「博物館・三十三間堂前」下車すぐ、市バス「東山七条」下車徒歩3分、京阪電車「七条」駅下車徒歩7分
開館時間:月~木・土日曜9:30~18:00、金曜9:30~20:00(入館は閉館の30分前まで)
月曜休館 ※ただし10月12日、11月23日は開館。10月13日は休館
観覧料:一般1500円(前売・団体1300円)、大学生1200円(前売・団体1000円)、高校生900円(前売・団体700円)、ペアチケット2400円(一般のみ。1名で2回使用可)
公式ウェブサイト:http://rinpa.exhn.jp/
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