お伊勢さんはこう回る! 伊勢神宮の上手な歩き方【外宮編】
トリコガイドシリーズ 編集部
- 2019年06月20日
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お伊勢参りは「外宮」から
内宮と外宮に分かれ、広大な敷地を持つ伊勢神宮。丸ごと参拝して回るには、その順序が大切だ。伊勢神宮は外宮から内宮へとお参りするのが昔からのならわしということで、まずは外宮の歩き方をご紹介しよう。
深い緑に覆われた外宮の境内には、正宮をはじめとして3つの別宮、6つの社がある。外宮のご祭神は「豊受大御神(とようけのおおみかみ)」。和久産巣日神(わくむすびのかみ)の娘で、天照大御神(あまてらすおおみかみ)をはじめとする神々の食事をつかさどる神様だ。その豊受大御神を祀る正宮から別宮までを効率よく回るルートを見てみよう。
表参道から神域に足を踏み入れ、正宮へ
【1. 表参道火除橋】
伊勢神宮参拝はまさにここからスタート。外宮の正面玄関ともいえる表参道火除橋を渡って神域へ。江戸時代、火災の際の延焼を防ぐために堀川がつくられ、この橋が架けられたという。橋を過ぎた右手には、平清盛にまつわる伝承のある「清盛楠」が。なお、外宮では左側通行を守ろう。
【2. 表参道】
玉砂利を踏みしめながら表参道を進むと第一鳥居、第二鳥居が見えてくる。その先の「神楽殿」には、お札やお守りをいただける「お神札授与所」が。近くには宮域を守る「四至神」や遷宮時に神宮祭主などを清める「川原祓所」(三ツ石)がある。
【3. 正宮】
表参道の突き当たりに立つのが、外宮で最も重要な宮である正宮。板垣、外玉垣、内玉垣、端垣の4重の垣根に囲まれた聖域内の正殿に豊受大御神が鎮座している。東北隅には天照大御神に御饌(食事)を供える、外宮ならではの「御饌殿(みけでん)」が。参拝は絹のとばりが下りる外玉垣南御門の前から、撮影は板垣の外側から行う。
多賀宮をはじめとする別宮をぐるりと参拝
【4. 多賀宮】
表参道の堀川にかかる亀石を渡り、98段の石段を上ると見えてくるのが、第一別宮の多賀宮。豊受大御神の荒御魂(あらみたま)が祀られており、別宮の中で最も格式が高い。
祭事は正宮に準じて行われ、式年遷宮も正宮と同年に斎行される。石段を上ることができない場合は、正宮正面の参道にある「別宮遥拝所」からお参りを。
【5. 土宮】
次は多賀宮へ上る石段の右側にある土宮へ。ご祭神は、豊受大御神が鎮座する前から外宮一帯の山田の原を守護してきた大土乃御祖神(おおつちのみおやのかみ)。平安時代末期に宮川堤防の守り神として末社から別宮となった。南向きに立つ別宮の中で、この土宮だけが東向き。
【6. 風宮】
石段の左側に鎮座する風宮のご祭神は、内宮別宮の風日祈宮(かざひのみのみや)と同じく、農作物を守護する級長津彦命(しなつひこのみこと)と級長戸辺命(しなとべのみこと)。1281年の蒙古襲来の際、神風を吹かせて国を護ったとされ、これにより末社から別宮に昇格した。
裏参道から勾玉池、せんぐう館へ
【7. 裏参道】
別宮を参拝したら、木陰が心地よい裏参道を歩こう。北御門に向かって進むと、火除橋の手前左側に天皇陛下から賜った神馬のための「御厩(みうまや)」が。その手前の脇道奥には摂社の「度会国御(わたらいくにみ)神社」、末社の「大津神社」がある。
【8. 匂玉池】
裏参道から表参道に引き返し、表参道火除橋の手前右側にある勾玉池へ。1889年に造成された池で、その名の通り、勾玉に似た形をしている。5~6月にかけて、伊勢菖蒲をはじめとする1万4000株もの花菖蒲が咲き誇る光景は圧巻の一言。
【9. せんぐう館】
匂玉池のほとりに2013年にオープンしたミュージアム。神宮の祭事の詳細を知り、式年遷宮を支える職人たちの技を間近に見ることができる。中でも、宮大工が忠実に再現した外宮正殿の原寸大模型は必見。神明造をじっくり観察しよう。
【DATA】
●外宮(げくう)
住所:三重県伊勢市豊川町279
電話:0596-24-1111(神宮司庁)
時間:5:00~18:00(※5~8月~19:00、10~12月~17:00)
定休日:なし
伊勢市駅から外宮までは徒歩10分の距離だが、外宮と内宮は約5キロ離れているので、バスでの移動がおすすめ。内宮へは三重交通の路線バスで10~19分(430円)ほどかかる。移動時間も考慮して、ゆとりを持ったスケジューリングをしておこう。
(出典:『トリコガイド 伊勢志摩 2018-2019 [付録あり]』)
(エイサイト編集部 ヨシダ)
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オンは仕事をバリバリこなし、限られたオフはおもいっきり羽を伸ばして楽しむ!そんな大人のキャリアウーマンの「せっかくだから」を満たす、ちょっと贅沢な国内ガイドマガジン。
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