ダイエット外来医師によるヨーグルトの効果的な食べ方
YOLO 編集部
- 2019年12月07日
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ヨーグルトを食べるタイミングでダイエット効果は変わってくる
ヘルシーで美味しいヨーグルトは、ダイエット中も私たちの強い味方。腸内環境を整えたり、便秘を解消したり、不足しがちなカルシウムを補ったりと、大活躍します。でも、食べるタイミングや食べ方を工夫すれば、もっと効果を得られるのだそう!ダイエット外来医師の工藤孝文先生に、ダイエット中のヨーグルトとの付き合い方を教えてもらいました。
朝はバナナヨーグルトでいいこと尽くし
ヨーグルトには幸せホルモン「セロトニン」を増やす効果も
健康や美容に嬉しい効果がたくさんあるヨーグルトですが、幸せを感じる脳内ホルモンのセロトニンを増やす働きがあることも見逃せません。セロトニンは脂っこいものを欲する脳内物質のドーパミンを抑えて衝動を鎮め、脂肪依存の修正に一役買います。
本来、ドーパミンは楽しい経験をした時に分泌されますが、油を使った食べものでも分泌され、気分を高めます。脳はドーパミンによる高揚感を手っ取り早く得ようと脂っこいものを欲し、それを繰り返すうちに依存性が高まっていきます。その中毒性はなんと、アルコールやタバコ(ニコチン)よりも高いという研究結果もあるほど!そのため脂肪依存を断ち切るのは簡単ではありませんが、セロトニンはそれをサポートするのです。
ダイエット中の朝食はヨーグルトとバナナの組み合わせが◎
バナナにはドーパミンを増やす働きのあるビタミンB群が多く含まれています。バナナをヨーグルトと一緒に食べることは、ドーパミンを脂肪以外の食べもので増やし、脂肪依存を修正することにもつながります。
このほか、ヨーグルトに含まれる良質なタンパク質には、筋肉をつけて基礎代謝量を増やすなどダイエットに役立つ効果も。さらに、バナナをプラスすることで腹持ちもよくなり、自然と間食をやめられたり、昼食の量が減ったりするなどのメリットもあります。
バナナヨーグルトを食べるだけで、これほどいいことがあるのなら、毎日の朝食に取り入れないわけにはいきませんよね。
夜にヨーグルトを食べて腸内環境&便秘改善!
ダイエット中におちいりやすい腸内環境の悪化
毎日、スッキリしない辛い便秘。下腹がぽっこり張って苦しく、肌荒れや吹き出ものなどの肌トラブルも招きやすくなり、気分も落ち込んでしまいがちです。便秘の原因は、運動不足、女性ホルモンの影響、自律神経の乱れ、偏った食生活などさまざまですが、ダイエットもその一つにあげられます。
ダイエット中は食事量が減るため、どうしても食物繊維や水分など自然な排便を促すものが不足しがち。そうした状態が続くと、お通じがスムーズにいかなくなって腸内環境が悪化し、代謝機能が落ちて痩せにくい体になってしまいます。頑張ってダイエットをしているのに、これでは悲しすぎますよね。
こんな悪循環に陥らないためにも、極端なカロリー制限や糖質制限は考えもの。ダイエット中といえども、一日3食バランスを考えた食事を摂ることが大切です。
乳酸菌が寝ている間に腸内環境を整える
その上で、便秘改善のためにぜひ取り入れてほしいのが、夜ヨーグルト。朝食のイメージが強いヨーグルトですが、夜に食べることで、腸によりよい影響がもたらされます。
というのも、腸は22時から翌日の午前2時までが、もっとも活動するゴールデンタイムと言われているから。この時間帯に腸内の善玉菌のエサになる乳酸菌があると、悪玉菌の増殖が抑えられて腸内環境が整い、翌朝のスムーズなお通じが期待できるのです。
ポイントは、夕食後21時ごろまでに200gのプレーンヨーグルトを食べること。たったこれだけのことながら、食後すぐに食べることで、ヨーグルトの乳酸菌が生きて腸まで届きやすくなります。
ヨーグルトをレンチンすれば効果はさらにアップ!
さらに効果を上げたいなら、ヨーグルトを電子レンジでチンして温めてみてください。ちょっと意外な食べ方ですが、このひと手間でヨーグルトの有効成分が吸収されやすくなります。同時に、臓器を冷やさないことで乳酸菌の働きが活発になって腸内環境が整い、代謝アップにもつながります。
簡単なのに高い効果を期待できるのが、夜ヨーグルトのいいところ。夕食後の一杯のヨーグルトで便秘を改善し、スッキリした心と体を手に入れましょう。
うっかり食べすぎは48時間以内のヨーグルトでリセット
食べ過ぎてしまった……と落ち込んでるヒマはない!
おいしい食べものの誘惑は、なかなか断ち切れないもの。「ダイエット中なのに、ついうっかり食べ過ぎてしまった……」なんて自己嫌悪に陥ることもありますよね。でも、ここで諦めては意味がありません!投げやりにならずに一旦、心を落ち着けましょう。なぜなら、一日くらい食べ過ぎたところで、すぐに太るわけではないからです。
体に入った余分なエネルギーは、ひとまず肝臓に運ばれて、約48時間ストックされます。つまり、この間に食べ過ぎた分をリセットすれば太らずに済むわけです。
その後の48時間の食事で「うっかり」は取り返せる
こんな時にも、頼りになるのがヨーグルト。なかでも食前にヨーグルトを食べるのが効果的です。なぜなら、炭水化物を食べる前に乳製品を摂取すると、血糖値の上昇が緩やかになるからです。
食事によって血糖値が上昇すると、インスリンというホルモンが分泌されます。インスリンには血糖値を下げる過程で、使いきれなかった糖を脂肪に変えて蓄える働きがあります。血糖値が急激に上昇するとインスリンが大量に分泌されて太りやすくなりますが、血糖値の上昇が緩やかであれば、インスリンは過剰に分泌されず、炭水化物が脂肪に変わりにくくなるのです。
また、乳製品に含まれるカルシウムには、脂質の吸収を抑えるという嬉しい研究結果も!ヨーグルトなら小さなカップ一個、牛乳ならコップ一杯が適量です。
酢の物、梅干し、豆類でリセット効果をさらにアップ
食前のヨーグルトのあと、食事に酢の物を一品追加すれば、さらにリセット効果がアップ。お酢に含まれる酢酸には血糖値の上昇を抑える作用があり、脂肪が溜まるのを防ぎます。酢の物でなくても、大さじ一杯のお酢を食事と一緒に摂るだけでもOK。梅干しや柑橘類に含まれるクエン酸にも酢酸と同じ効果があると言われており、こちらもおすすめです。
もう一つ注目したいのが、糖質や脂質の代謝を促す作用があるビタミンB群を含む食品(穀物の胚芽、レバー、卵、豆類など)。3食にうまく取り入れれば、さらなるリセット効果が期待できます。
いかがでしょう、食べ過ぎてもリカバーができると知って、かなり安心した人も多いのでは?でも、これらはあくまで救済処置。いつも食べ過ぎていては元も子もないということは、心に刻んでおきましょう。
腸内環境の改善や便秘解消、はたまた食べ過ぎた時のリセットに至るまで、ヨーグルトのパワーは本当に絶大!悩みに合わせて日々の食事にプラスして、美しく健康的な痩せ体質を目指したいものですね。
出典:『THE デブ脳』『改訂版 痩せグセの法則』
監修:工藤孝文/ダイエット外来・糖尿病内科医。福岡大学医学部卒業後、アイルランドとオーストラリアへ留学。現在は福岡県みやま市の工藤内科にて、診療をおこなっている。NHK『ガッテン!』、NHK『あさイチ』、日本テレビ系『世界一受けたい授業』、フジテレビ系『ホンマでっか!?TV』などテレビ出演多数。日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・小児慢性疾病指定医。著書に『痩せグセの法則』(エイ出版社)など多数。
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