「カカオニブ」は美肌成分の宝庫!カロリー・ 効果・食べ方は?
YOLO 編集部
- 2019年12月23日
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「カカオニブ」は発酵によって生まれる優秀な美容食品
注目度急上昇中のスーパーフード「カカオニブ」。「チョコレートの原料になるカカオなら知っているけれど、カカオニブって何?カロリーが気になる…」という人も多いのではないでしょうか。カカオニブは、なんと発酵によって生まれる優秀な美容食品!時間をかけて栄養・成分を凝縮した、天然のサプリメントのような食べ物なのです。
「カカオニブ」って何?
カカオニブの原材料は、チョコレートやココアと同じカカオ豆。カカオ豆は収穫後、数日間かけて発酵させます。この段階でカカオ本来の香ばしさが生まれます。発酵したカカオ豆は、乾燥、焙煎を経て、カカオニブやチョコレートなどの原料になります。こうして完成したカカオ豆から外皮と胚芽を取り除いたものがカカオニブ。つまり、カカオの種から殻を除いた胚乳の部分がカカオニブの元になっているのです。丸ごとの状態では硬い食感なので、一般的には細かく砕いたチップ状で売られています。
カカオ豆を原料に、色々な食品が作られているのでチェックしておきましょう。
・カカオニブ
カカオ豆を数日間かけて発酵させ、乾燥、焙煎し、外皮、胚芽などを取り除いたもの。一般的には砕いた状態で流通しています。
・カカオマス
カカオニブをすり潰し、加工しやすく固めたもの。脂肪分も多く含み、すり潰すとペースト状の「カカオリカー」に、適度に脂肪分を圧搾して粉砕したものは「カカオパウダー」になります。チョコレートなどの原材料に使われています。
・カカオバター
カカオ豆に含まれる油脂。溶ける温度が35度ほどと低いので、口に入れるとスーッと溶けます。チョコレートの原材料に使われ、「ココアバター」とも呼ばれています。
右からカカオニブ、カカオバター、カカオマス。
「カカオニブ」に含まれる栄養・成分
カカオニブは、美容と健康によい栄養・成分の宝庫。どのような働きを持つ栄養・成分が含まれているかチェックしましょう。
・カカオポリフェノール
私たちの体は、酸素を取り入れて生きている限り酸化のリスクから逃れることはできません。特に酸化によって体内で発生する活性酸素は、細胞にダメージを与えて老化させ、それが積み重なると体の機能に害が及ぶことも。ポリフェノールには、こうした活性酸素の働きを抑える抗酸化作用があると言われており、カカオニブには多くのポリフェノールが含まれています。
ポリフェノールは、一種類ではなく複数種類をあわせて摂ることで抗酸化作用が高まることがわかっています。カカオニブに含まれるポリフェノールはとても多彩!お茶などに含まれるカテキンやエピカテキンといったフラボノイド類、さらにそれらがいくつか結合したプロアントシアニジン類も多く含まれています。つまり、カカオニブのポリフェノール、通称「カカオポリフェノール」は強い抗酸化力があるという証なのです。
・カカオプロテイン
近年、注目度が上がっているのが、カカオニブに含まれる「カカオプロテイン」。カカオプロテインは、体内のタンパク質消化酵素では分解されない難消化性のタンパク質で、他の栄養素のように小腸で吸収されることなく大腸に届くのが特徴。その働きは腸、脳にも及ぶことがわかってきています。
また、カカオニブには不溶性食物繊維のリグニンも含まれています。消化吸収されずに大腸に届くリグニンは、便のかさを増し、腸のぜん動運動を活発にすることで便通改善に役立ちます。
・テオブロミン
チョコレートに含まれるテオブロミンという成分はリラックス効果があると言われています。ただし、テオブロミンはカフェインに似た働きをするので、摂り過ぎると利尿作用や興奮作用を高めてしまうことがあるので、注意しましょう。
・マグネシウム
カカオニブはマグネシウムも含有。マグネシウムは代謝に関わる重要な栄養素ですが、現代人にとっては不足しがちな栄養素の一つ。エネルギー産生だけでなく、体内でのタンパク質合成にも欠かせません。
「カカオニブ」の効果は?
1.美肌、筋肉作り
カカオポリフェノールの抗酸化作用によって、細胞の劣化予防を期待できます。細胞は、体中すべての組織を構成する土台。肌も筋肉も血管もすべて細胞からできています。つまり、カカオニブに含まれるポリフェノールは、美肌作り、引き締まった筋肉作りをサポートしてくれるでしょう。
2.体脂肪減少
カカオニブに含まれるカテキンは、血液中のコレステロールの増加を抑える働きがあり、血液サラサラ、動脈硬化の予防、体脂肪を減らす効果も期待できます。含まれるマグネシウムは代謝アップに働き、それによって体脂肪減少につながります。
3.口臭予防
カテキンには抗菌作用もあるため、口臭の予防、歯や歯茎などお口の健康維持にも働きます。
4.アレルギー予防
カカオポリフェノールがアレルギーに関わるリンパ球の働きを抑えたり、アレルギーを引き起こす抗体やヒスタミンの生成を抑制するなどの働きで、アレルギーを抑制する働きを期待できます。
5.脳の活性化
近年の研究で、カカオポリフェノールには脳の栄養となる成分を増やす働きがある可能性が発見されました。加齢とともに低下する脳の認知機能や学習機能を高める可能性も。集中力や記憶力がアップする効果も期待できるので、勉強や仕事の効率向上にも有効です。
6.腸内環境の改善
カカオプロテインは消化吸収されず大腸に届き、便のかさを増して便通を改善。腸内細菌の餌となって腸内環境の改善に役立ちます。
7.リラックス効果
テオブロミンの働きによってイライラが鎮まると言われています。神経伝達に関わるマグネシウムも含まれているので、神経の興奮を抑える働きも期待できます。
8.運動機能の向上
マグネシウムの働きによって、神経伝達がスムーズになると筋肉への情報伝達が円滑になり、運動機能が向上します。
「カカオニブ」の一日の摂取量は?
体によいカカオニブですが、食べ過ぎは禁物!カカオニブのカロリーは商品によって異なりますが、10gあたり50~70kcalと、決して低カロリーではありません。一日に食べる量はティースプーン3杯(約30g)を目安に、摂り過ぎないように注意しましょう。
「カカオニブ」の食べ方は?
「カカオニブってチョコレートでしょ?」と思っているなら頭を切り換えましょう。カカオニブは、チョコレートになる前の素材です。甘味もバター類も加えられていない状態なので、甘味は一切ありません。つまり、糖質ゼロ!だからチョコレートよりも格段に体脂肪減少に役立つのです。
気になる味は、甘さはなく、苦みと酸味のあるコーヒー豆のようなイメージです。ただし、商品によっては美味しく食べられるようにと糖分を添加しているものもあります。ダイエット効果を期待するなら、糖分無添加のものを選びましょう。
また、カカオニブは糖質ゼロですがカフェインに似た働きを持つテオブロミンが含まれているので、妊娠中、授乳中の人は控えてください。夕方以降にたくさん食べると覚醒作用で眠れなくなる可能性もあるので、食べる量、タイミングに注意が必要です。
チャイにプラスすると、カカオの香りがふわり。
・そのまま食べる
何も加えずそのまま食べるのが、一番手軽でおすすめ。無添加のカカオニブは、ヤミツキになるほど美味しいものではありません。甘味はなく、苦みと酸味があり、カリカリとした食感なので、かなり無理をしない限り食べ過ぎることはないでしょう。
・ヨーグルトにプラス
ヨーグルトにティースプーン1杯のカカオニブを加えるだけで、ヨーグルトに含まれる乳酸菌との相乗効果で腸内環境改善作用のアップを期待できます。グラノーラにヨーグルトとカカオニブを合わせて食べるのもおすすめ。ポリフェノールを含むイチゴやブルーベリー、バナナなどのフルーツを加えるのも◎
・スムージーにプラス
カカオニブの苦みが苦手な人は、フルーツを使ったスムージーに加えるのがおすすめ。カカオニブはチョコレートの香りがするので、バナナと相性が抜群です。豆乳や牛乳、完熟バナナと一緒にミキサーにかけるだけで完成!糖質の摂り過ぎを気にすることなく、チョコバナナ風味を楽しめます。
・サラダやスープのトッピングに
ナッツと同じ感覚でサラダやスープにトッピングするのもいいアイデア。ビネガーと塩、黒コショウ、カカオニブ、少しのオリーブオイルを合わせれば、オシャレなドレッシングに!
蒸したカボチャ、イチゴのマリネに、ヨーグルト、カカオニブをトッピング。少しはちみつをかけてどうぞ!
写真:藤村のぞみ(食材、料理写真)
ライター:藤岡操(栄養士)
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