チチカカ湖を臨む町プーノへのアクセス&見どころをガイド
トリコガイドシリーズ 編集部
- 2017年07月25日
標高約3810m。富士山よりももっと高い場所にある大きな湖は「チチカカ湖」と呼ばれるインカ帝国発祥の地であり、創始者マンコ・カパックが降臨した地として知られている。湖畔の街、プーノを拠点にした島々へのツアーは、ここでしかできない体験ができると世界中のツーリストたちをトリコにしてやまない。
Index
クスコからプーノまで
プーノに空港はなく、国内線はプーノからクルマで約1時間のフリアカに発着している。ルート的にはリマ→ プーノよりも、高度順応ができるクスコ→ プーノがおすすめ。クスコからのバスは、遺跡観光がセットになったインカエクスプレスがいいだろう。
クスコからプーノまでの移動は、それ自体がアトラクション。4000mを超える峠を越えたり、アルパカを放牧するアンデスの人々の生活を眺めたりという経験は、時間を忘れさせてくれる。
しかし、言っておかなければならないことがある。実はこのクスコ〜プーノ間の道は、しばしばストライキなどで閉鎖されることがあるということ。さらに、バス強盗(盗賊!)がいないわけではないので、夜行バスは避けたほうがよい。また、地元の人々が乗り降りするような低価格のバスは使わないようにしよう。途中乗車・下車が可能ということは、強盗が乗る可能性もあるからだ。
クスコを出発
プーノまでのバスは前日までに押さえよう。直行ならクルス デル スール、見どころに立ち寄りたいならインカエクスプレスいい。
雪山が見えてくる
標高が上がると、限界高度を超え木が生えなくなり、山肌も雪に包まれてくる。外は強烈に寒く、バスの窓が曇る。
フリアカ Juliaca
プーノの手前にあるフリアカはプーノ州最大の街。工業と商業が盛んながら、治安はよくないので、空港以外は特に立ち寄る必要はなし。
プーノの街に到着!
プーノに行ったとしても、そこにはツアー前後で1、2 泊するだけ。なので、ざっくりとだけご紹介します。
アルマスからピノ公園まで
南のアルマス広場から、北にあるピノ公園までの3ブロックの間が、プーノの主な行動範囲。これ以外に行く場所といえば、駅、メルカド(市場)、バスターミナル、港の4つぐらいしかない。
プーノの宿も3ツ星ホテルやオスタル(民宿)がメイン。“寝るだけの場所“と割り切って出費を抑え、その分をチチカカ湖ツアーで使う方が豊かな旅になるだろう。近頃はウロス島にも宿があり、ブッキングネットでの予約も可能だが、荷物もあるので街には拠点をひとつ設けておきたい。
安定感抜群のグループホテル「ティエラ ビバ プーノ プラザホテル」
明るく広々とした客室には、スタイリッシュな家具、専用バスルーム(バスアメニティ付)が備わっている。フリアカ空港や港までのトランスファー(有料)も手配可。
【DATA】
Tierra Viva Puno Plaza
住所:Calle Grau 270
クレジットカード:可
レストランも自慢のお宿「ホテル アシエンダ プーノ」
自慢はチチカカ湖の景色を望むスカイルームレストラン。新鮮な地元の食材を使用した種類豊富なビュッフェ式朝食は◎。ランチとディナーには郷土料理と各国料理のフュージョン料理を楽しめる。
【DATA】
Hotel Hacienda Puno
住所:Jr.Deustua, 297
クレジットカード:可
プーノ基本情報
基本、寒いです!
夏であろうと、どんなに晴れていようと、富士山よりも高い場所にあるプーノは、基本的にかなり寒い。日中は日差しの影響で少し暖かく感じられるときもあるが、基本的には日本の真冬をイメージした装いを用意しよう。その際、寝巻の用意を意外と忘れがちなので注意。暖房があるとはいえ、半袖短パンはあまりにもつらい。ただ洋服は安いので現地調達という手も。
プーノの街中や島は安全。
クスコからプーノに至るまでの道は、治安がすこぶる悪い。日本人的な感覚では信じられないが、ストライキによる道路の閉鎖もままある。ただプーノの街中や島々はほぼ問題なし。ただ、観光エリアを外れる場合は要注意だ。治安のよし悪しは街の明るさや汚れ具合でわかるので、自分の肌感覚を信じて、怖いと思ったら引き返そう。
メルカドなら安く食事が済ませられる
メインストリートには外国人向けのレストランが多数あるので、食べるのに困ることはない。ホテルもこのあたりに集中しているから、夜でも安心して行動できる。ただ、出費を安くすませたいとすれば市場方向へ。このあたりはローカルなエリアなので、プライスがグッと安くなる。ただ、そこそこダークな雰囲気になるので心して。
チチカカ湖ってどんなところ?
ひと言でいえば、すごくいいところ。どこまでも広がる青空と、真っ白な雲を写し取った美しい湖。その雄大な風景と島民の素朴な暮らしが垣間見える、貴重な場所だ。また世界各国の旅人が訪れるので、受け入れ態勢はしっかり整っている。旅の初心者でも十分楽しめる場所だ。
湖へのツアーに参加しよう!
プーノに行けば、バスターミナルやら港やら、街中の旅行代理店やら、どこでもチチカカ湖ツアーを募集している。ガイドによるアタリハズレはあっても、内容や価格に大差はないので、自分の嗅覚を信じて選ぼう。どうしても日本から予約しておきたい場合は、 「アンデスニッポンツーリスト」に相談。
1. プーノの港から乗り合いボートに乗船
街の東側にある船着き場へ移動。ここからいろいろな団体がひとつのボートに乗り合って、島まで移動する。港までは歩いて行けない距離ではないが、そこまでのトランスファーをどうすればいいかは、ツアー会社に確認しておいたほうがいい。
2. トトラでできた、ウロス島へ
40分ぐらい船に揺られると、黄金色に輝く島が点在するポイントに着く。実はここ、トトラと呼ばれる植物でつくられた島だ。ここに行って帰るだけの半日ツアーもあるので、時間のない人や、逆にここに泊まりたい人はそれもいいかもしれない。
ウルの人々の暮らしをのぞく
光り輝く湖には、大小さまざまな浮島が浮かぶ。カヤツリグサ科の植物トトラで作られたウロス島。ウルの人々が暮らす島だ。浮島のつくり方は至ってシンプル。まずトトラの根の塊に杭を打ち、土台としてのかたちを整える。その上に新しいトトラを交差しながら積み重ね、成形していく。浮島が風で流されないよう、湖の底に杭を打つ。たったこれだけで完成だ。ウロス島にある家や学校、病院、舟もすべてトトラ製。また、ヨードを多く含むトトラは島民の健康維持に欠かせない食料でもある。
アンデスの太陽とチチカカ湖が育んだトトラは、インカの神が人々に与えた奇跡の素材なのだ。いまでは世界中の観光客がこの浮島を訪れ、そのふわりとした浮遊感を楽しみ、島民の生活をうかがう。最近では島内に宿泊施設もでき、欧米人に大人気だ。日中はトトラ舟で周囲を遊覧したり、魚釣りをしたり。夜はトトラの上に寝転がり、頭上を埋め尽くす星々の輝きと無限の静寂に抱かれる。観光客には、おとぎの国のようなウロス島での生活。
だが島民はいま、湖の水質汚染に悩まされている。プーノ州最大の都市、フリアカから流れ込むラミス川の河口では藻が異常発生し、湖固有種のカエルや魚の死骸が多数浮かぶ。またウル族の急激な人口増加も問題で、長らく40島前後といわれてきた浮島の数は、’15年の政府資料によるとなんと100島! いまではこれらの島に600家族が生活し、衛生面や生活排水による水質の悪化が心配されている。ずんぐりした体形。日焼けした肌と長い髪に、赤や水色のカラフルな民族衣装がよく似合う。観光客を乗せたボートが来れば手を振って迎え、島を去るときは歌とともに見送ってくれるウルの人々。あの人懐っこい笑顔がいつまでも守られますように。コバルトブルーの湖と黄金色の大地が、これからも輝き続けますように。
3. アマンタニ島で民家に宿泊!
1泊2日のツアーでは、ウロス島だけでなくタキーレ島やアマンタニ島に宿泊できる。ここにはホテルがなく、民家で1泊することになるのだが、なかなかにプリミティブなので貴重な体験がいろいろできるはず。
そしてチチカカ湖を堪能したら、プーノから国境を越えてボリビアのラパス、そしてウユニ塩湖を目指すという人も多いはず。そんな方は以下の記事もチェックしてほしい。
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オンは仕事をバリバリこなし、限られたオフはおもいっきり羽を伸ばして楽しむ!そんな大人のキャリアウーマンの「せっかくだから」を満たす、ちょっと贅沢な国内ガイドマガジン。
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