眠い、だるい、朝起きれない!春の不調をアーユルヴェーダで解決しよう
大嶋朋子
- 2020年03月18日
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地球のリズムと季節を楽しむ健康法、アーユルヴェーダ
朝晩の冷たさはまだまだ続きますが、草木は芽吹き出し、うららかな優しい日差しの中、ぽかぽかと暖かな春を迎えます。あまりの暖かさに、動くのが億劫になったり、気づいたらぼーっとしていたなんてことはないでしょうか?アーユルヴェーダでは、「地」と「水」の要素からなるKapha(カファ)の季節到来です。
これらの重たく気だるい症状をはじめ、花粉症、アレルギー、鼻水や痰などの症状は、典型的なKaphaの影響を受けた状態と考えられています。
風邪のひき始めに「トリカトゥ」
春の体調不良の話をするたびに思い出すのは、インドでアーユルヴェーダのドクターのお家にお邪魔した時のこと。息子さんが風邪を引いたということで、庭に出てピッパリ(長胡椒)を摘んできたドクター。黒胡椒、生姜とともに水に入れて火にかけて、あっという間に風邪薬を作っていました。これは「トリカトゥ」という、アーユルヴェーダの伝統的かつ代表的な調合薬です。長胡椒は沖縄にもあるようなので、風邪のひき始めや春の喉や鼻づまりに悩んでいる方は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
*トリカトゥとは、「三つの辛味」という意味で、長胡椒、黒胡椒、生姜を、1:1:1にしたもの。水にいれ火にかけて、数分抽出した飲み薬。また、粉にしてハチミツと一緒に飲んでもいい。
アーユルヴェーダ的、春先からの過ごし方
アーユルヴェーダでは、重たく、寒さの残る春の季節をKaphaの乱れる季節とし、Kaphaの大きな特徴である「重さ」、「冷たさ」、「油っぽさ」を避けながら生活することを勧めています。生活の中で、Kaphaの特徴の逆である「軽く」、「暖かく」、「乾燥した」ものを選んでいきましょう。
食事も「暖かく」、「軽い」ものを選びます。重たく、消化に時間がかかるような高カロリーなものは控えます。白米や肉料理よりも、温野菜や豆類を積極的に取り入れてみましょう。太りやすい時期でもあるので「甘味」の取りすぎに気をつけます。断食にも最も適した時期でもあります。
また「辛味」、「苦味」、「渋味」のあるものは体を引き締めてくれます。春の七草を代表に、春の野菜や山菜などは、これらの特徴を持っています。旬のものを食べることや、日本の伝統的な文化を見直すことは、地球との調和の中で自然とバランスを保つ最も簡単な方法なのかもしれません。
日々の運動も推奨されますが、体力の落ちだす時期に突入するので、無理のない程度に。また寝すぎにも注意し、早寝早起きを。昼寝も控えたほうがいいです。Kaphaの影響を受けやすい人には、朝風呂や朝の温かいシャワーもオススメです。
何より季節を楽しむ
Kaphaの季節の具体的な生活方法をご紹介してきましたが、アーユルヴェーダの古典書(内科に関する医学書)『チャラカ・サンヒター』によれば、春の季節の過ごし方に「庭の花を楽しむ」というものがあります。難しく考えがちなアーユルヴェーダですが、実はシンプルに季節を楽しむことが一番の健康法なのかもしれません。
温かい格好をして気持ちを軽やかに外に出て、公園や自然の中で散歩やヨガをして、春を存分に楽しんでみてはいかがでしょうか?
体の中から温める「ジンジャーレモンハニーティ」
さわやかなレモンとジンジャーにハチミツを足して、春の不調に。
【材料】
- ジンジャー(スライス)…4〜5枚(10g程度)
- レモン汁…5g
- 水…300cc
- 生ハチミツ…お好みで(小さじ1程度)
【作り方】
- 鍋に水とスライスしたジンジャーを入れ火にかける(10分程度)
- 色がつきジンジャーの風味が出たら、レモン汁を入れる
- 火を止め、ハチミツを入れる
※お好みでレモンのスライスや、ドライジンジャーパウダーを入れてもいい
春の不調には、「ジンジャーレモンハニーティ」がオススメ。個人的にも、寒さの残る時期の北インド滞在中には、外食時かなりの頻度で頼みます。胃の疲れにも最適な、体の中から温まるハーブティ。ジンジャーは温性を持ち、去痰作用や風邪の諸症状に効果的。消化力も上げてくれます。ハチミツはKaphaを乱さない甘味。加熱したハチミツは性質が変わってしまうので、非加熱のハチミツを。
監修=Kazuya(冨岡和也)
アーユルヴェーダセラピスト・栄養士・Natural Style代表。栄養士/RYT認定ヨガインストラクター、アーユルヴェーダセラピスト、KIJ認定クシマクロビオティックフードコーディネーター。南インドの古典楽器Sarasvati Veena(サラスワティ・ヴィーナ)の奏者でもある。ヨガインストラクター養成講座(RYT500/200)の講師及び教材作成も務める。
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- Yogini
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Photo=Kazuya
Illust=若山ゆりこ
Text=鈴木さおり
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