夏を熱中症知らずで過ごす!暑さに負けないために取りたい栄養と水分補給
YOLO 編集部
- 2022年06月22日
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水分補給と栄養バランスのとれた食事で熱中症予防!
夏に限らず、栄養バランスは健康維持のためには欠かせません。とはいえ、四季のなかでももっとも厳しい季節である高温多湿の夏はどうしてもバテやすいもの。しっかりと水分補給をして、体力をつける食事をとりましょう。年々長くなる夏を熱中症知らずで過ごすために必要な栄養素について紹介します。
熱中症に負けない体力をつけるための栄養バランスのとり方
熱中症の原因の一つは「体力の低下」です。体力の低下を防ぐには、栄養バランスのとれた食事をすることが第一です。基本は一日3食きちんと食べること。そして、「主食・主菜・副菜」を食べることも大切です。
栄養バランスをとるといわれると難しく感じるかもしれませんが、ご飯、肉・魚、野菜を毎食食べることで自然と栄養バランスは整います。野菜なら色の濃いものや旬の野菜を選びましょう。魚介や肉は、赤身の多いものを。水分をためる働きをもつ筋肉の材料となるタンパク質は赤身に多く含まれているからです。
「主食・主菜・副菜」を3食食べよう
主食
ご飯やパン、うどん、パスタなどの炭水化物です。体を動かすエネルギー源となる糖質がとれます。
糖質が不足すると体力が低下するだけではなく、疲労もたまりやすくなります。
主菜
主菜(メインディッシュ)は肉や魚など、筋肉や骨をはじめとした体の材料となるタンパク質をとりましょう。
肉は赤身部分にタンパク質が多く含まれています。
副菜
野菜はたっぷりと。ビタミン、ミネラルだけではなく食物繊維もとれるため、腸内環境も整い、体調維持につながります。
緑黄色野菜120g、淡色野菜230g=1日350gを目標に摂取しましょう。手のひらの大きさの小鉢5個分で約350gがとれます。
きのこや海藻も小鉢1個を目安にとり入れましょう。
また、大豆製品や卵は3食のうちどこかで必ず食べたい優秀食品です。
デザート
乳製品にはタンパク質、カルシウムがたっぷり。腸内環境を整え、免疫力アップもサポートします。1日1回は乳製品を食べましょう。旬の果物もおすすめです。
栄養バランスのとれた食事で体力の低下を防ごう
体力をつけるための筋力アップになる栄養素
- タンパク質
- ビタミンB6
おすすめの食品には、鶏肉(ササミ、ムネ)、緑黄色野菜(カボチャ、菜花、ニラ、ニンニクの芽、ブロッコリー、赤ピーマン、モロヘイヤ、クレソンなど)、アボカド、牛レバー、マグロ(赤身)、カツオ、イワシ丸干し、鮭、サバ、カリフラワー、ニンニク、バナナなどがあります。
熱中症の大敵 「疲労」をためない、残さない
寝不足や仕事が忙しかったりして、疲れがたまっている時は熱中症の発生リスクが高まるといわれています。疲労がたまると、脳の体温調節機能が低下したり、血行が悪くなったりするためです。こういったことから、熱中症が増える時期にはできる限り疲れをためない、残さないことが重要となってきます。
疲労回復を促進するうえで重要なのが、適切な栄養摂取です。なかでも、疲労回復に欠かせないのがビタミンB1やクエン酸です。とくに疲れが激しい時は、疲労回復をサポートする栄養素を含む食品を多めに摂りましょう。
素早い疲労回復が熱中症のリスクを下げる
疲れをとる、ためない疲労回復サポート栄養素
- 糖質
- ビタミンB1
- 硫化アリル
- 鉄
- クエン酸
疲労回復栄養素が摂れる食品
- 発芽玄米
- レバー
- ウナギ
- 豆苗
- ニンニク
- モロヘイヤ
- ニラ
- 梅干し
他にも、五分づき米、胚芽米、豚肉、枝豆、そら豆、長ねぎ、玉ねぎ、パイナップルなどがあります。
食事から水分をたっぷりとって食欲減退を防ぐ
食品にはたくさんの水分が含まれています。人間は1日約2.5ℓの水分をとっているといわれ、そのうちの約1ℓは食事からのものです。つまり、食事量が不十分であると体は水分不足になってしまうのです。夏バテ気味になった時に熱中症の危険が高まるのは、栄養不足だけが原因となるのではなく、食が細くなることで、食事からとる水分量が不足してしまうことも原因となっている可能性があります。
そこで、夏バテ気味で食欲がないという人におすすめしたいのが、夏野菜や果物です。これらには、少量でも体をうるおすことができる水分が豊富に含まれているからです。とくに夏野菜は、水分補給のほかに体温を下げる効果をもつことが知られています。さっぱりした味わいなので、食欲がない時にも食べやすいことも特長です。
加えて、みそ汁やスープのような汁ものも、いつもより多めにとれば、食事の量が減っても水分をしっかり補給できます。
水分たっぷりの夏野菜や果物をたくさんとろう
体をうるおす野菜ベスト5と水分量
1位:キュウリ・・・95.4%
2位:冬瓜・・・95.2%
3位:トマト・・・94.0%
4位:ナス・・・93.2%
5位:モロヘイヤ(茹)・・・91.3%
体をうるおす果物ベスト5と水分量
1位:スイカ・・・89.6%
2位:グレープフルーツ・・・89.0%
3位:オレンジ・・・87.0~ 88.0%
4位:メロン・・・87.9%
5位:パイナップル・・・85.5%
発汗を促す食品で汗腺に活力を与えよう
血行が悪いと十分な汗をかくことができません。そこでおすすめしたいのが、香味野菜や香辛料です。とくに、ショウガの血行促進効果は抜群です。ショウガの辛味成分であるショウガオールは、血行を促進し、発汗を促す作用をもっています。ただし、生ではなく加熱されたもの、乾燥したもののほうが血行・発汗促進効果が高くなります。
また、ねぎ、ニンニクもおすすめです。ねぎやニンニクのもつ刺激臭の成分であるアリシンには、高い血行促進効果があります。アリシンは、ショウガオールとは逆に、加熱しすぎると血行促進効果が薄れてしまいます。そのため、生食、もしくは、サッと火を通す程度にしましょう。
また、カレー粉も発汗作用をもつ香辛料です。カレー粉には、食欲を増進して胃腸の働きを活発にする作用もあるため、暑さで胃腸の調子がすぐれないという人にもおすすめしたい香辛料です。唐辛子の辛味成分、カプサイシンも発汗促進作用や、体温を下げる作用が高い成分です。ちなみに、カプサイシンやショウガオール、アリシンのすべてをあわせて摂れるキムチは、汗腺の活性化には非常に有効な食品といえます。
ただし、カプサイシンは、その強力な発汗促進作用ゆえ、体を冷やしすぎてしまうため、冷え性の人は量を控えめに。
温かい地域で育つ野菜や果物の多くは、高温下で生活する人たちの体を冷やすための作用をもっています。香味野菜のほかに、バナナ、スイカ、コーヒーなども体温を下げる作用をもちます。
汗で失ったミネラルを食事で補う!ナトリウムのとり方
汗のかき方や体質・体調によって汗に含まれるナトリウム(塩分)濃度は変化しますが、一般的には健康な人で約0.3〜0.4%といわれています。つまり、1ℓの汗をかいた場合、3~4gのナトリウムが体外に排出されるということです。そして、暑さに体が慣れていない時の塩分濃度は、もう少し濃くなるといわれています。
以上のことから、短時間に大量の汗をかいた時、水分とともにナトリウムを摂取しないと、体内のミネラルバランスが崩れて熱中症の危険が高まります。
熱中症を恐れるあまり、塩あめなど、ナトリウムを含んだ食品をたくさんとる人が多くみられますが、あまりおすすめできません。それは、発汗で排出した量以上に塩分を摂取している人が圧倒的に多いからです。とくに外食が多い人や加工食品を好んで食べているような人は、塩分摂りすぎの可能性大です。高血圧の人はよりいっそうの注意が必要です。日常生活の水分補給は、お茶や真水で。激しい運動時、下痢をした時は、ハイポトニック飲料で水分補給をしましょう。
塩あめなどが必要になるのは、屋外で力仕事をしたり、スポーツなどで大量の汗をかいた時のみです。ナトリウムに関しては、失われた分を塩で補充するのではなく、ナトリウムを含んだ食品からとるという考え方が正しいといえます。
発汗量が多い日は、ナトリウムが摂れる食品を食べよう
ナトリウムがとれる食品
・大豆製品
納豆、厚揚げ
代謝を高めるビタミンB群、タンパク質などが豊富です。それにプラスしてナトリウムも、カリウムもバランスよく含まれているため、体調を整える効果も高い食品です。
・海藻
わかめ、こんぶ、もずく、めかぶ
ナトリウムだけではなく、さまざまなミネラルが総合的に入った、ミネラルの宝庫です。海藻から摂れば、塩分過多になる心配もありません。
・梅干し
ナトリウムのほかに、クエン酸など、疲労回復効果のある栄養成分がたっぷり含まれています。たくさん汗をかいた後に、一粒で必要量のナトリウムがとれます。
不足しがちなカリウムはたっぷり摂ろう
熱中症というとナトリウムばかりが注目されますが、実はナトリウムよりも補給が必要なのは、カリウムなのです。カリウムは、余分なナトリウムを排出して体内のミネラルバランスをとる働きをもっています。カリウムが足りていれば、熱中症のリスクを減らすだけではなく、塩分過多による害も減らせるのです。そのため、意識的にとるべきは、ナトリウムではなくカリウムなのです。
カリウムが豊富な食品としてあげられるのは野菜、海藻類、イモ類。とくに、根菜類、緑黄色野菜はカリウムが多い食品です。果物もカリウムが豊富な食品で、食後に食べることで体外に余分な塩分(ナトリウム)を排出させることができます。大量発汗をした日は、とくに多めにカリウム豊富な食品を食べるようにしましょう。
カリウムがとれるおすすめ食品
・果物
アボカド、バナナ、キウイフルーツ、メロン、ドライフルーツなど。
・海藻類
昆布、ワカメ、海苔など
・野菜
トマト、ホウレン草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜タケノコ、枝豆など。
・豆類
大豆、インゲン豆、納豆など。
・イモ類
里イモ、長イモ、ジャガイモなど。
汗で喪失するミネラルは、ナトリウムとカリウムだけじゃない
汗で失われるミネラルはナトリウム、カリウムだけではありません。体調維持に欠かせない「鉄」と「マグネシウム」「カルシウム」も、量は少なめですが汗とともに失われます。発汗量の多い時期には、次の紹介する食品を多めにとるようにしてください。
鉄を補給する食品
赤身肉、赤身魚、アサリ、ホウレン草など。
マグネシウムを補給する食品
納豆、豆苗、ナッツ類、きな粉など。
カルシウムを補給する食品
乳製品、しらす、イワシ、モロヘイヤ、パセリ、厚揚げなど。
日常の水分補給におすすめな熱中症対策のお茶
日常的な水分補給用の飲料としておすすめしたいのがお茶です。お茶にはミネラルはもちろんのこと、健康効果の高い成分も多く含まれているため、体調管理にも貢献してくれます。ただし、一つだけ気をつかいたいのはカフェインです。カフェインには利尿作用があることから、逆に熱中症のリスクが高まるためです。緑茶やウーロン茶、紅茶といった茶葉を使ったお茶はカフェインを含んでいます。そのため、水分補給を目的にするなら茶葉を使用していないお茶がおすすめです。
熱中症予防におすすめの健康茶
・ルイボスティー
活性酸素を無毒化する力が超強力な成分、SOD様物質と呼ばれる成分が含まれることで注目されているお茶です。汗とともに失われる、カルシウム、鉄、マグネシウム、カリウム、などのミネラルも豊富に含まれています。
・麦茶
香ばしい香りの成分が血流をよくして疲労回復をサポート。ミネラルも豊富に含まれています。また、血液サラサラ効果のあるアルキルピラジンという成分を含んでいるため、体の熱をすみやかに逃がすことができます。
・グァバ茶
クエン酸、リンゴ酸、ビタミンCも豊富なことから、高い疲労回復効果を発揮します。また、抗酸化、脂肪排出、血糖値上昇抑制作用をもつ成分として注目されているケルセチンもたっぷり。夏バテだけではなく、生活習慣病も予防できる健康茶です。
・ローズヒップティー
体力や免疫力の低下を防いでくれる、ビタミンC、リコピン、βカロテン、ビタミンEなどの抗酸化成分が豊富なお茶です。汗で失われるカルシウム、鉄なども補給できます。クエン酸も豊富なので、高い疲労回復効果も期待できます。
・桑の葉茶
夏に不足しやすいビタミンB₁のほか、カルシウム、鉄など血や骨づくりに欠かせないミネラルも豊富です。リラックス効果のあるGABAも含まれるため、暑さで眠れないようなときにもおすすめのお茶です。
茶葉を使ったものなら、ほうじ茶がおすすめ
茶葉の問題点は、カフェインが含まれていることです。しかし、茶葉を使ったお茶のなかで「ほうじ茶」は焙煎の過程でカフェインが消失するため、暑い季節でも安心して飲めるお茶です。いつもより汗をかいた日や、気温が高い日は、緑茶をほうじ茶に変えてみてはいかがでしょうか。
熱中症対策のための食品や食事、おすすめの飲み物を紹介しました。日頃から積極的に水分を摂取するとともに、栄養バランスの整った食事を心がけましょう。
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出典:『医者が教える熱中症対策』
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