冬に何となく疲れるのは寒暖差疲労が原因!自律神経の乱れを整えて不調を改善しましょう
YOLO 編集部
- 2022年12月05日
「冬は体調が整いにくい」
「よく休んでいるのに疲れる」
このような悩みの原因は寒暖差疲労かもしれません。
寒暖差疲労とは、夜と昼の寒暖差が5度以上ある際に自律神経が乱れ、倦怠感などの不調があらわれることです。
そこで今回は、自律神経が乱れる原因やオススメのストレッチについて、薬剤師の竹田由子さんに聞いてきました!
Index
そもそも自律神経とは?
自律神経は、体のすべての器官を調整する神経系のこと。交感神経と副交感神経の2種類から成り立っており、それぞれ別の働きをしています。
まず、交感神経は、昼間私たちが仕事をしたり運動をしたりする時に活発になる神経系です。
具体的な役割は、心臓の働きを活性化させ血流を促し、体温や血圧・拍動を上昇させること。これによって、体にエンジンがかかりやる気がでるようになります。
逆に、副交感神経はリラックスする時に使われる神経系です。交感神経と反対の作用をするため、心臓の働きを抑えて全身の緊張をほぐします。
具体的には、睡眠・休息時や食後の消化時に働きます。しっかりと副交感神経が働くことで、疲労感がとれるようになったり、食事がきちんと消化されたりしているのです。
自律神経が乱れると起こる症状
自律神経は私たちが毎日を快適に生活するために欠かせない神経であるため、自律神経が乱れることで体中にさまざまな問題が生じます。
自律神経が乱れると「急に動悸がする」「息苦しくなり呼吸が速くなる」「動いていないのに発汗する」といった症状が多く見られます。
それ以外にも、抑うつ状態になったり、下痢が続いたりとストレスを感じた時に起こる症状があらわれます。
これらの症状は、自律神経の切り替えが上手くいかないことが原因で起こるのです。
自律神経が乱れる原因
自律神経はさまざまな原因で乱れてしまいます。自律神経が乱れる原因の例をご紹介します。
生活習慣の乱れ
昼夜逆転の生活が続くなどして生活習慣の乱れが生じると、交感神経が長い時間優位になります。
たとえば、寝る直前までスマホやパソコンを見ていると本来優位になるはずの副交感神経ではなく、交感神経が働いてしまいます。
また、栄養バランスが過度に偏った食事も自律神経の乱れにつながるため注意が必要です。
ホルモンバランスの乱れ
自律神経はホルモンバランスの乱れにも左右されます。脳内の自律神経を調整する部分は、ホルモンバランスを調整する部分の近くにあるため、お互いに影響されやすいのです。
ホルモンバランスの乱れを引き起こす更年期障害や、月経なども自律神経を乱す原因の一つとして考えられています。
季節の変わり目や天候
季節の変わり目や天候によっても自律神経が乱れるといわれています。これは、季節の変わり目によくある低気圧と高気圧の頻繁な入れ替わりや、5度以上の寒暖差が原因。
自律神経は、その時々の体の状態によって交感神経と副交感神経を交互に働かせながらバランスを保ちます。しかし、気圧の変化や激しい寒暖差があると、それに合わせようと、自律神経が働きすぎてしまいます。
そのため、自律神経が衰えてバランスを保てなくなり不調につながるのです。
過度なストレス
過度なストレスも自律神経の乱れを引き起こす原因の一つです。
ストレスを感じている時は交感神経が優位になるため、本当はリラックスしたくても完全に体を休ませることができません。
寒暖差や仕事、人間関係の悩みなどさまざまなことがストレスになりえます。できるだけストレスをためないよう、ストレス発散を意識的に行うことが大切です。
「ストレッチ」で自律神経をメンテナンスしよう
自律神経を正しく働かせるためには、意識的なメンテナンスが大切。自律神経のメンテナンスには、ストレッチもオススメです。
ストレッチには副交感神経を優位にする働きがあるので、疲労感が取れて自律神経の乱れが抑えられるのです。ここから、自律神経の乱れを整えるオススメのストレッチを紹介します。
キャットアンドカウ
呼吸をしやすくして自律神経を整えるストレッチです。
- 脚を腰幅に開き、四つん這いになる。このとき、肩が手首の真上に来るようにする。
- 「ふぅ〜」とゆっくり息を吐きながら、背筋を丸めて肩甲骨を伸ばす。
- 背中を丸めた状態で3秒キープする。
- ゆっくり息を吸いながら顔を上げ、肩甲骨を寄せて背中を反らせる。
- ゆっくりと息を吐きながら(2)に戻る。
- (2)~(5)を5セットほど行う。
股関節のストレッチ
自律神経を整え、下肢の冷えにも効果的なポーズです。
- 足を肩幅より広めに開いて立つ。
- 腰をできるだけ落とし、四股のようなポーズをする。(前から見るとМ字に見えるように)
- 両ひじを内ももにあてて押し広げるようにし、合掌のポーズをとる。
- そのまま30秒キープする。
自律神経を整えるには漢方もオススメ
寒暖差疲労を引き起こす自律神経の乱れには、漢方も効果的です。漢方薬は、心療内科でも自然由来の治療薬としても使われています。
ストレスや緊張、過労、不規則な生活が続くと自律神経は乱れ、冬の不調を引き起こすと考えられます。
冬の不調を改善するためには、「イライラを鎮める」「気分の落ち込みを改善する」「血流をよくして自律神経の乱れを改善する」「消化・吸収機能を改善して体の内側から心を元気にする」といった漢方薬が選ばれます。
自律神経の乱れが解消されると、寒暖差疲労だけでなく抑うつや不安感などの更年期症状も改善することが可能です。
運動やストレッチは苦手で続かないと思われる方でも、漢方薬は飲むだけで不調の改善を目指せるので手軽ですね。
自律神経の乱れにお悩みの方へオススメの漢方薬
加味逍遙散(かみしょうようさん)
「気」の流れをスムーズにし、不足した「血」を補って、自律神経を整える漢方薬です。更年期の女性や、のぼせ、不安、イライラといった精神的な症状にも用いられます。
桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
心労が重なることで弱った「心」の機能を高めて、精神を安定させることで自律神経を整える効果があります。不安や不眠、イライラといった症状にも効果的です。虚弱体質で、ストレス耐性の低い方に用いられます。また、子どもの夜泣き、夜尿症、驚きやすい不安などにも用いられます。
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
「気」のめぐりを良くして、不安や緊張を和らげる効果があります。ストレス性の胃痛や吐き気、不安、イライラ、喉の詰まり感がある方にも用いられます。
漢方薬は、その人に最適な生薬の組み合わせでないと効果がないだけではなく、副作用が起こる場合もあります。そのため、自分の体質に合う漢方を選ぶことが重要です。
「あんしん漢方」というサービスでは、薬剤師などの医療チームがAIを利用し、「オンライン漢方相談」を行っています。こうした相談窓口で専門家に気軽に相談できるのは嬉しいですね。
「体調のメンテナンスに時間がかけられない」「不調を手軽に改善したい」という方にはとくにオススメです。
自律神経を整えて冬の不調を改善しよう
自律神経が乱れるのは、寒暖差のほかに、日々気づかないところで精神的な負担がかかっていることが原因かもしれません。自律神経を整えて、快適に過ごすためにもストレスをうまく発散することが大切です。
できるだけ自分をいたわって過ごしていきましょう。
<監修者>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 竹田由子
元漢方・生薬認定薬剤師。大学院で臨床薬学を専攻、日米で病院研修を受ける。病院薬剤師として10年間入院患者を担当しながら、化学療法・医薬品情報担当としても活動する。
患者さんから「本音を話しやすい」と言われ関わるうちに、日常のセルフケアの大切さを痛感。転居後は薬局に勤務する傍ら、ライターとしても活動する。病院時代の上司が漢方好きで、漢方の凄さを体感し魅了され「日常の不調はまず漢方」と生活している。
現在は、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。
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