前屈の解剖学的構造を知って、柔軟性を高めよう!
YOLO 編集部
- 2023年10月17日
いつまでたっても前屈が深まらない理由
どうにも前屈が苦手。練習しても深まらない気がする…。その理由は二つあります。一つは体を曲げる位置、もうひとつは筋肉の収縮です。
位置に関してはイメージが大切。実は体を曲げる時に動く股関節は、ウエストよりはるか下にあります。骨格をイメージして、腰椎ではなく股関節から体を曲げれば効果が現れます。
ポイントは、骨盤を立てたまま体を前に倒すこと。そうすれば自然と背骨が一直線に伸び、前屈が深まります。手を床に着けることを目標にするのではなく、体を股関節から曲げることを意識して練習してみましょう。
筋肉に関しては、柔軟性を高めることが重要です。前屈に関係する筋肉は、主に体の背面にある大腿二頭筋と脊柱起立筋。どちらも骨盤につき、骨盤を介して上半身と下半身を綱引きのように引き合っています。この二つの筋肉が縮まるほど体は反ります。これらを柔軟にすれば腹筋群にも力が入りやすく、前に体を倒しやすくなります。
前屈は得意なのに後屈が苦手なのはなぜ?
同じ曲げる動作なのに、後屈が苦手。それは人間の構造上自然な現象です。
目や鼻など人間の感覚器は全て顔の正面にあります。そのため、正面から何かがぶつかってくると、瞬時に前かがみになれるようになっています。
しかし、後ろからの衝撃に対しては…?その反応が正面に比べると鈍くなるため、自己防衛のため後ろには倒れにくい。つまり、人の腰は後屈より前屈の方がしやすい構造なのです。
腰椎の一つひとつの骨を見ても、背中側の面には突起があり、後ろに曲がろうとするとぶつかり合い、それ以上曲がらないようにできています。
体を動かす時には、体の構造上の限界を知ることも大切なのです。
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文:幸雅子
出典:『カラダの仕組みと使い方』/「ヨガ的骨盤徹底研究」
監修:内田かつのり/鍼灸師・ヨガ解剖学講師。アヌサラヨガなど複数のTTC修了。リラヨガ、ヨガジェネレーションなど各地でヨガ解剖学集中講義やTTを行う。
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