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「タンパク質」は体作りの源!食材選びや効果的な食べ方を知ろう

2019/11/18

タンパク質は体作りに密に関わる栄養素

トレーニングをする人なら、誰もが意識をするのがタンパク質。筋肉をはじめ、肌や髪、内臓や血管、爪まで体の組織の材料となることで知られています。人間の体の約60%は水分、約15~20%はタンパク質でできているのです!しかし、タンパク質は、一筋縄ではいかない栄養素。知れば知るほど奥が深く、体作りに密に関わっています。タンパク質がどのようにして体の組織に作り替えられていくのか…。筋トレ女子もダイエット女子も必見です!

タンパク質の主な働き

1.体の材料となる

タンパク質は、筋肉や肌、髪、爪のほか、内臓、ホルモンや酵素、免疫物質を作るために欠かせません。体内のタンパク質は、日々合成と分解を繰り返し、新しく作り替えられています。髪や爪が伸びるのは目に見えますが、筋肉や肌、内臓などの組織も、古くなった部分は分解され、体外に排泄され、食事で取り入れたタンパク質を元にして再生されています。その量は年齢、性別、体重によって異なりますが、体重60kgの成人の場合、1日180gの筋肉などの組織を合成し、同量の180gを分解、排泄しているとも言われています。

2.体温上昇

高タンパク食には体温上昇効果があります。特に朝、起きた時は体温が低い状態なので、タンパク質を摂ることで体の深部体温が上昇。体のリズム調整にも貢献しています。体温が上がると代謝が上がり、より多くのエネルギーが消費。それとともにタンパク質が体に貯蔵されやすくなるので、筋肉増強にもつながります。

3.エネルギー源となる

タンパク質は、糖質や脂質と同様にエネルギー源となりますが、その量はごくわずか。カロリーは1g=4kcalですが、エネルギー源になることを想定して摂るのではなく、カラダの材料になるものとして補給しましょう。

タンパク質が不足すると…

体の組織は、タンパク質をメインの材料として、日々コツコツと作り変えられています。タンパク質が不足した状態が続くと、体中の組織が新しく更新されず、筋肉量は低下、肌や髪、爪など目に見える部分だけでなく、内臓、血管壁が弱くなったり、さらにホルモン、消化酵素なども充分に作ることができず、劣化していきます。

1日に必要なタンパク質摂取量は?

通常の生活では、1日に必要なタンパク質(g)は、

体重1kgにつき1g

とされていますが、トレーニングなどで筋タンパク質が多く分解された場合は、その修復材料として多くの新しいタンパク質が必要となり、運動量により異なりますが、通常の1.5~2倍が必要になります。運動量が増えているのに、いつも通りのタンパク質量しか摂取していない場合は、当然不足します。ケガや病気の時も同様。回復に多くのタンパク質が必要なので、不足した状態では回復が遅くなります。

タンパク質が体の組織になる仕組み

タンパク質は「食事で体内に取り入れられ、新しい組織の材料になる」。言葉にするとシンプルですが、体内で行われているのはとても大変な作業です。

タンパク質は主にアミノ酸を原材料として、想像を絶する複雑さで組み合わさってできあがったもの。分解するのも体内で再合成するのも、とても大変な作業です。まず、食事で取り入れたタンパク質は、体内のタンパク質消化酵素を使ってタンパク質は消化、分解され、アミノ酸に分解されていきます。この作業だけでも、糖質や脂質に比べてはるかに時間と労力がかかります。たとえば、お肉をたくさん食べた翌朝、とても疲れていることがありますが、それは肉に含まれるタンパク質の消化、分解をするために、内臓がフル稼働したからです。

体内で合成できない9種類のアミノ酸=必須アミノ酸

こうして分解され、アミノ酸になった後は、DNAの情報に従って体中の組織に作り替えられていきます。体を構成するタンパク質は、20種類のアミノ酸からできており、そのうち9種類は体内で合成できないため食事で摂取する必要があります。これを「必須アミノ酸」と呼びます。

体内には、必須アミノ酸を蓄えておく「アミノ酸プール」があります。新しく組織を作り替える際は、体の組織を分解して再利用するぶんと、このアミノ酸プールから取り出して利用するぶんを合わせて使うことで、体内のタンパク質は少しずつ新しく更新されているのです。この「アミノ酸プール」は桶のようなもの。9つの必須アミノ酸のうち、どれかひとつが不足しても桶から漏れ出してしまいます。必須アミノ酸が充分に揃っていないとアミノ酸全体の働きが低下し、体内でのタンパク質再合成も停滞してしまいます。

9つの必須アミノ酸は、肉や魚介、卵や乳製品に含まれる「動物性タンパク質」にはすべて含まれていますが、大豆食品や小麦、米、野菜などに含まれる「植物性タンパク質」は必須アミノ酸が欠けている場合が多いため、ベジタリアンやヴィーガンで動物性食品を控えている場合、必須アミノ酸が不足しやすくなるので注意が必要です。肌が荒れやすい、乾燥しやすい、髪が弱くて抜けやすい、爪が割れやすかったり変形しやすい、トレーニングをしても筋肉が増えない、カラダが冷えやすい…などに思い当たる場合は、必須アミノ酸が不足している可能性が考えられます。特に植物性タンパク質は、動物性タンパク質に比べて吸収率が低いので、アミノ酸が偏ったり不足しないよう、色々な食材から摂るなどの工夫が必要です。

「アミノ酸スコア」って何?

必須アミノ酸の充実度は「アミノ酸スコア」という数値で知ることができます。アミノ酸スコアが100であれば、必須アミノ酸がすべて充分にそろっているということ。動物性のタンパク源はほとんどがアミノ酸スコア100ですが、植物性タンパク源はアミノ酸スコアの数値が低いのでチェックしておくとよいでしょう。

主な食材の「アミノ酸スコア」

牛肉(ロース) 100
あじ(生)   100
卵       100
牛乳      100
ヨーグルト   100
納豆      100
豆腐      93
ブロッコリー  80
ヒヨコ豆    69
玄米      68
ジャガイモ   68
精白米     65
リンゴ     56
キャベツ    53
ほうれん草   50
アーモンド   50
食パン     44
小麦      37

タンパク質を含む主な食材


タンパク源として優秀なのは、肉類、魚介、卵、乳製品、大豆です。これらはいずれもアミノ酸スコア100!
上記で紹介したように、米、玄米、食パンなどの主食、ブロッコリーやジャガイモなどの野菜にもタンパク質は含まれますが、いずれもアミノ酸スコアは100以下です。

タンパク質の効果的な摂り方

タンパク質を構成するアミノ酸は食材によってバランスが異るため、同じタンパク源ばかりを食べるのはNG!不足や偏りを補い合うように、色々な食材を摂ることが大切です。

トレーニングで筋肉量を増やそうとするとき、食事のタンパク質量を極端に増やしたり、プロテインサプリを闇雲にたくさん取り入れるのも逆効果です。タンパク質は一度に吸収して活用できる量が限られており、それをオーバーしたぶんは、ただのカロリーオーバー。タンパク質は分解にも多くのエネルギーを使うため、体には大きな負担となってしまいます。

一度の食事で吸収できるタンパク質は、30~40g。1日3食、タンパク質を充分に摂った上で、トレーニング時はその直後にタンパク質を強化するイメージで摂るとよいでしょう。

タンパク質を再合成するためには5つの栄養素が必要!

タンパク質は体内で消化、分解された後、再合成をするために多くの栄養素が必要。特に重要となるのが、ビタミンB6 、葉酸、ビタミンC、マグネシウム、亜鉛の5つの栄養素です。もし、タンパク質を充分に摂っていても、これらの栄養素が不足していると、体内でのタンパク質合成は停滞してしまいます。

そこで、おすすめしたいタンパク源が赤身肉です。牛モモやヒレ、マグロ、カツオなど赤身の肉には、タンパク質はもちろん、ビタミンB6をはじめとするビタミンB群、亜鉛が多く含まれているので、ビタミンC、葉酸を含む青菜、マグネシウムを多く含む大豆食品やごま、ナッツを加えれば◎ ナムルたっぷりのビビンバや、鉄火丼&ほうれん草のごま和えなど、タンパク質合成に役立つメニューは、外食メニューにもたくさんあります。意識してチェックしてみましょう。

写真:藤村のぞみ(食材写真)
ライター:藤岡操(栄養士)

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