生理来てる?トレーニングとの関係【産婦人科医・高尾美穂先生監修】
YOLO 編集部
- 2020年01月06日
スポーツドクターの資格を持つ産婦人科医・高尾美穂先生。国立スポーツ科学センターの女性アスリート育成・支援プロジェクトメンバーとしても活動するトレ女の味方・高尾先生に、生理についてうかがう連載。今回は、アスリートとトレーニング女子と生理の関係についてです。
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BMIが18.5は生理にとって一つの目安
女子アスリートが抱えてきた生理についての問題が、ようやく最近になって改善され始めています。高尾美穂先生は、トレーニングをする一般女性が生理不順になる場合、ある意味ではアスリートよりも深刻だと考えています。
「BMI(体重kg ÷ (身長m)2)が18.5を切ると生理が止まりやすいというのは、私達婦人科ドクターとしては常識なんですよね。でもこれは、実は一般の女性においてはそこまであてはまらない、というデータも出ているんです」
「けれど、一般女子では、『あてはまらない』すなわちBMIが18.5を切っても生理が止まらない方が多い中で、止まってしまうということは、相当危険な状態だと思ってほしい」
体は省エネで動くはず。でも生理が来ないのは…
「アスリートの生活は、シンプルに言えば競技が中心ですよね。だから、まず動く量が半端なく多いし、生活の中心が動くことになっている。だから、いわば筋肉を動かすためにエネルギーを使う。そうすると、メインでない体の働きがスリープモードになる状態は、早く起こる」
「アスリートではなく普通の生活をしていれば、使えるエネルギー量が減ってしまったとしても、体はとりあえず省エネで回そうとする。体温を下げ、代謝も下げて、なるべく控えめな感じで全体を回そうとします。だから、BMIが18.5でも生理が来ている普通の女子はたくさんいるんです。通常、一般の女子では、BMIが下がっても、そこまで多くの方の生理が止まるわけじゃない」
「でも、そういう中でも生理が止まっているというのは、イエローカード、もっと言えばレッドカードぐらいだと思ってくれたらいい」
生理が止まるのは体がとまどっているから
「あくまでも、アスリートと呼ばれている人達と、運動好きの女子は違います。そう考えた時に、普通の運動好きの女子で生理が止まるのは、何かしら体がどまどっているということですよね」
「競技をしている人達は、アスリート寿命というのがあるわけです。長くても30代前半ぐらいまでが多くて、そこで成績を出すために集中する。でもその状態と、一般の社会人をしながらトレーニーとして過ごしていく状態っていうのはちょっと違う、と気がついてほしい」
人生を競技にかけるアスリートと、仕事をしながら運動もする一般女性にとってのトレーニングの意味は違います。何のためにトレーニングをしているのか、自分が幸せでいるためには、体はどうあるべきなのか、どんなトレーニングが自分にとって、本当にベストなのか、少し立ち止まって考えてみてもいいのかもしれません。わからなければ、専門家に相談しましょう。
監修:高尾美穂/産婦人科専門医・医学博士・婦人科スポーツドクター。女性のための統合ヘルスクリニック・イーク表参道で副院長を務める
ライター:沢田聡子
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