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管理栄養士によるダイエット中の食材選びのコツ

「食べないダイエット」から「賢く食べるダイエット」へシフトしよう

過激な食事制限は即効性があるため、短期間でダイエットをしたいという人にとっては確かに魅力的なダイエット法です。しかし、そんなダイエットは長続きしないうえ、リバウンドのリスクも高まります。リバウンドを繰り返せば、体はどんどん太りやすい体質へ…。この悪循環を断ち切るためには、「食べないダイエット」から「賢く食べるダイエット」へとシフトしていく必要があります。そこで知っておきたい食材の選び方と使い方のコツを管理栄養士の篠原絵里佳さんに教えてもらいました。

太らない食事の基本は「栄養バランス」

本当の意味でダイエット成功体質になるには、栄養のバランスをとることが大切です。その理由は、栄養素は互いに助け合ってこそ、力を十分に発揮することができるという特性をもつから。偏食や、過度の食事制限などで栄養バランスが崩れ、体を作るうえで必要な栄養素が不足すれば、各栄養素の良さが活かされなくなってしまうのです。たとえば、最近、ドラッグストアなどで販売されているようなダイエットサプリメントを摂取したとしても、その成分のダイエット効果が生かされなくなってしまうのです。

では、どのような栄養素を摂ればいいのでしょうか?基本は、三大栄養素と呼ばれる「タンパク質」、「糖質」、「脂質」を過不足なく摂ることです。糖質は体を動かす燃料に、脂質は細胞を包む膜を強くし、体を動かす燃料になる栄養素です。タンパク質は体のあらゆる組織の材料となり、脂質や糖質を体内で無駄なく使うために必要な酵素、ホルモンの材料になります。

上記の三大栄養素にブラスして必要なのが、「ビタミン」と「ミネラル」です。ビタミンは、三大栄養素が効率的に使われるための潤滑油のような働きをします。そして、ミネラルは、体の組織を形成したり、生理機能の維持・調節には欠かせない栄養素です。三大栄養素に、ビタミン、ミネラルを加えたものが、5大栄養素と呼ばれ、さらに食物繊維を加え、六大栄養素と呼ばれることもあります。これらのどれかが不足すれば、体脂肪が燃えにくく、糖質もエネルギーとして使いづらくなります。その結果、食事量を減らしても、痩せない体になってしまうのです。もちろん、体調不良も引き起こします。

栄養バランスを整えるには、毎食、「主食」、「主菜」、「副菜」を食べることです。少し面倒に感じるかもしれませんが、毎食、ごはん(炭水化物)とメインディッシュ(肉や魚)に、サラダやおひたしなどの野菜中心のおかずを1~2品食べる、そして、デザートにフルーツをプラスすれば完璧です。これで六大栄養素をバランスよく摂ることができます。

栄養バランスをキープするためには、三食きちんと食べることです。とくに朝ごはん抜きは厳禁です。朝ごはんはおなかを満たすだけではなく、体内時計を整える働きももつからです。朝ごはんを抜くと、体は覚醒させられず、体をエネルギー消費モードにスイッチさせることができなくなってしまいます。そうなると、摂取したエネルギーはどんどん体脂肪へと変わってしまいます。

また、ある程度決まった時間帯に食べることも大切です。ただし、仕事などの関係でそれが難しいという人も多いでしょう。そんな人は、7時間に一度は食事をするというリズムをキープしましょう(就寝~起床までの時間を除く)。

ダイエット中も満腹感が得られる、低カロリーのおすすめかさ増し食材

食べたいのに我慢!このツラさをやわらげることができれば、挫折のないダイエット、そしてなにより効果のあがるダイエットが続けられるはずです。そして、ダイエットのツラさを和らげられるのが、「かさ増しテクニック」です。

かさ増しとは、ローカロリーの食材をご飯に混ぜたり、ご飯と一緒に炊き込んだり、ひき肉に混ぜ込んだりして、量を増やしたり、食べごたえを増したりすることです。

たとえば、糖質の摂りすぎを防ぐため、ご飯を一膳のところを半膳にしたとします。しかし、主食が少ないと満足感が得られず、間食が増えてしまう…。そんな体験をしたことはありませんか?それでは本末転倒です。そこで活躍してくれるのが、かさ増し食材です。ご飯やパスタの量はそのままで、量だけを倍増させることで満足感を高めることができます。

また、メインディッシュも、かさ増し食材を混ぜ込むだけで、カロリーは控えめなのにビッグサイズなものに変身させられます。これで、もの足りなさを一気に解消できてしまいます。以下でご紹介するかさ増し食材は、すべてローカロリーでヘルシー。食物繊維やビタミンなど、ダイエットをサポートする栄養素も豊富なので、毎日の食事作りにうまく活用してくださいね!

“かさ増し”に大活躍のおすすめ食材

<グリーンピース・大豆の水煮>
ご飯に混ぜたり、一緒に炊き込むだけで簡単にご飯の量を減らすことができます。グリーンピースは冷凍でも水煮でもOKです。チャーハンなどを作る時にも一緒に炒めても。

<ひじき>
水に戻して、ご飯と一緒に炊き込むだけ。スーパーなどで販売されている水煮のひじきを使ってサラダや和え物に使えば、量が増えるだけではなく、食物繊維の量も倍増できます。

<枝豆>
ご飯にそのまま混ぜても、サラダや和え物に混ぜてもOKの万能食材です。噛みごたえもあり、満足感も抜群です。糖質の代謝を促進するビタミンB1たっぷりなのもうれしい点。

<しめじ・まいたけ>
炊き込みご飯にたっぷりと。出汁も出るのでおいしくなるのもポイント。ハンバーグに混ぜても美味です。しめじなどのように噛みごたえのあるきのこ類を使うことが、満足感を高めるポイントです。

<厚揚げ>
豆腐と異なり、揚げた部分に噛みごたえがあるため、豆腐よりも満足感も高いことが特徴です。細かく刻んでご飯やパスタ、焼きうどんに混ぜれば、炭水化物の摂取量を減らせます。

<糸寒天・粉寒天>
ご飯を炊く時に入れるだけで、ご飯をボリュームアップできます。入れる量の目安は、白米三合につき、粉寒天2g。ご飯がもっちりして、ご飯のおいしさもアップします。糸寒天は水に戻して刻んで混ぜるだけでOKです。

<しらたき>
スパゲティなどに混ぜて使いましょう。臭いが少々キツめなので、必ず湯通しをして臭いを取ることは忘れずに。たらこなどの魚介系の具材と使うのがおすすめです。

<おから>
ポテトサラダに入れることでじゃがいもの使用量を大幅に減らし、かさも増やせます。ハンバーグに混ぜてひき肉の量を減らせば、低カロリーハンバーグの完成です!

<豆腐>
ハンバーグに混ぜたり、サラダにそのまま使ったり。簡単に使えて、満腹感も満点の優秀なかさ増し食材です。

<高野豆腐>
すりおろして、ポテトサラダに混ぜればかさ増し完了。水に戻して細かいダイス状にカットしてご飯に混ぜたり、炒めたりしてもおいしく、想像以上に使い勝手のいい食材です。

<もやし>
サッと湯通ししたり、電子レンジで加熱してサラダに、ミネストローネスープに加えたりと、とにかく使える野菜。超ローカロリーのまま、大幅なかさ増しができる超優秀食材です。

<切干し大根>
水で戻してポテトサラダに加えれば、ヘルシーポテサラに。ご飯に混ぜたり、チャーハンの具としても使えます。噛みごたえもあるので、満腹感も早く得られます。

高糖質&高カロリーメニューも置き換え食材でダイエットメニューに

太りたくはないけれど、とんかつやカレー、丼もののようなカロリーが高いメニューが大好き。そんな、高カロリーメニューが大好きな人におすすめしたいのが、置き換え食材です。高カロリーな食材や、高糖質食も置き換え素材を使うだけで安心レシピにすることができてしまいます。ここでは、置き換え食材として使える食材をご紹介します。

カロリーカット派におすすめの食材「肉を低脂質食材に置き換える」

カロリーを上げてしまうのは「脂質」。とくに脂質が多い食材が肉類です。脂質の少ない部位を選ぶことでもかなりのカロリーダウンが図れますが、さらなるカロリーダウンを目指すなら、肉を別の食材に置き換えてしまうのがベスト!

カレー用肉のかわりに<厚揚げ>
カレーに入っているカレー用の肉の代わりに厚揚げを。厚揚げをカレー用肉くらいの大きさにカットして肉の代わりにカレーに入れればOKです。表面に噛みごたえがあるので、食べ応えも満点です。

ひき肉のかわりに<豆腐>
ひき肉を使わずに、つなぎに小麦粉や片栗粉、すりおろしたレンコンを混ぜるだけで豆腐のみのハンバーグや肉だんごが作れます。きのこなどを刻んで中に入れれば、噛みごたえも得られ、満足感も高まります。

しっかり焼いてステーキ肉感を出す<こんにゃく>
こんにゃくステーキは定番です。しっかり焼くことで噛みごたえが出て、より肉に近い食感になります。こんにゃくを一度凍らせて解凍して作る、凍みこんにゃくを短冊切りにして野菜いためなどに入れると肉のような食感も楽しめます。

から揚げや酢豚に大活躍<高野豆腐>
水で戻して、カットして下味をつけて片栗粉や小麦粉をまぶして揚げれば、竜田揚げやから揚げ風に。それを野菜と甘酢とからめれば酢豚の豚肉がわりにも使えます。

独特の食感で肉らしさをアップ<車麩>
水で戻した車麩と野菜を炒めるだけで肉野菜炒めが完成。そのほか、薄切り肉の代用として使える食材です。味つけは焼肉のタレなど、しっかりした味のものがマッチします。卵とじにしてご飯にのせれば、親子丼風に。

糖質カット派におすすめの食材「主食を低糖質食材に置き換える」

糖質カットをしたい人の場合、もっとも手っとり早いのが、ご飯やうどんなど、主食を低糖質な食材と置き換えてしまうこと。そこで、噛みごたえとボリュームがあり、おかずと食べても、もの足りなさを感じさせない食材に置き換えてしまいましょう。

チャーハンのご飯がわりに<豆腐>
豆腐の水気を完全に切り、手でほぐしてパラパラにしたものをフライパンで炒めるとチャーハンのご飯がわりに使えます。

カレーをかけてご飯がわりに<厚揚げ>
大きめのダイス状にカットして、電子レンジなどで温めてレトルトや缶詰のカレーをかければ、厚揚げをご飯のかわりに。

どんなパスタソースとも相性抜群<えのき>
えのきをしっかりとほぐしてサッと湯通ししてしっかり水を切れば、パスタ代わりに使えます。味にクセがないので、ミートソース、ホワイトソースなど、どんなソースでも合う、使い勝手のいい食材です。

千切りキャベツをご飯代わりに<キャベツ>
キャベツの千切りをどんぶりに入れて、その上に豚テキのような味が濃いめにソテーした肉を置くとご飯と完全置き換えの豚テキ丼のできあがり!

食感も似ている!! 中華麺代わりに<こんにゃく麺>
スーパーなどで最近よく見かけるこんにゃく麺。中華麺の代わりにつけ麺や冷やし中華に使ったり、ラーメンにも使えると、中華麺代わりに大活躍してくれます。

極端な脂質カットより良質な油をとろう

肥満の最大原因とされているのが脂質です。実際、脂質とともに人間が生きるうえで必須の栄養素とされる三大栄養素である糖質とタンパク質の1gあたりのエネルギーを比較すると、脂質だけが2倍以上も高いのです。つまり、脂質の摂取量をうまく調整することがカロリーコントロールの成否のカギを握るといっても過言ではないということです。 

しかし、脂質はほかの栄養素同様、人の体には必要な栄養素です。不足すれば、肌がカサカサになったり、シワができたり、筋肉や血管の組織がもろくなってしまうといった恐ろしい事態に…。脂質の摂りすぎは問題ですが、極端に減らすことも健康を害するということは覚えておきましょう。

ただし、油(脂質)を何も考えずに摂取することはおすすめできません。油によっては、体脂肪になりやすかったり、悪玉コレステロールを増やしやすかったりと、体に悪さをするものもあります。ここでは、善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす、ダイエットにも、健康維持にも役立つ善玉の油をご紹介します。

良質な脂質を多く含むオイル

<エゴマ油>
シソ科の植物、エゴマの種子を搾ったものです。n-3系脂肪酸の一つであるα-リノレン酸が豊富。体脂肪燃焼効果もあるといわれています。ただし、加熱調理には向かないので、ドレッシングなどに使うようにしましょう。

<アマニ油>
「アマ」という植物の種から抽出されたオイルです。n-3系脂肪酸やn-9系脂肪酸といった、不飽和脂肪酸がバランスよく含まれていて、高血圧や高血糖を抑える効果もあるといわれています。ただし、非常に酸化しやすいため、開封したらすぐに使い、加熱は絶対にしないでください。エゴマ油同様、ドレッシングとして使うのがおすすめです。

<ココナッツオイル、パーム油>
消化吸収が速く、直接肝臓に運ばれてすばやく分解されてエネルギーとして使われてしまうため、体脂肪として体に蓄積されにくいオイルです。とくにココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸の一種、ラウリン酸は熱に強く、酸化しにくいため、加熱調理にも向いています。体脂肪になりにくく、免疫力も高める力があるオイルとしても注目を集めています。

<オリーブオイル>
n-9系脂肪酸の一種で、オレイン酸を多く含むオイルです。悪玉コレステロールを減らす効果があり、動脈硬化から引き起こされる心筋梗塞、脳梗塞、高血圧、糖尿病など、生活習慣病の予防や改善に役立つといわれています。比較的酸化しくいため、炒め物などの加熱調理にも使える、使い勝手のいいオイルです。

<EPA、DHA>
青魚に豊富に含まれるオイルです。EPAはn-3系脂肪酸の一種で、中性脂肪や悪玉コレステロールを下げて動脈硬化を予防すると考えられています。

<ステアリン酸>
長鎖脂肪酸の一種。チョコレートやココアに多く含まれるオイルです。体脂肪になりにくく、コレステロール値の上昇を抑える効果もあるヘルシーなオイルです。

監修:篠原絵里佳(しのはらえりか)/管理栄養士。総合病院、腎臓・内科クリニックを経て独立。長年の臨床経験と抗加齢医学の活動を通し、体の中から健康を作る食生活を見出し、最新情報を発信している。アスリートの栄養指導経験も豊富。睡眠改善インストラクター、睡眠健康指導士としても活躍。食事と睡眠の観点から健康にアプローチする「睡食健美」を提唱。
ライター:楠田圭子

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