美肌をつくる!オートファジー活性で体の内側から美しく軽やかに【皮膚科医監修】
YOLO 編集部
- 2021年08月30日
最近話題になっている「オートファジー」をご存知ですか?
オートファジーとは、細胞内にある不要な物質を細胞自らが分解する仕組みのこと。
オートファジーの研究で東京工業大学の大隅良典氏が2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞したことも記憶に新しいですよね。
オートファジーは体の健康に有効だといわれており、注目を集めています。
そこで今回は、オートファジーの仕組みや効果について、医師の金城里美先生にお話を聞いてきました!
Index
オートファジーとは?
まずは、オートファジーとはどんな仕組みで、私たちの体にどう役立つのかをご紹介します。
オートファジーとは
オートファジーとは簡単に言うと、細胞内の新陳代謝です。数時間、食事を摂らないなど、なんらかの理由で栄養や酸素が不足した時に、不足した栄養を作り出そうと細胞が活性化し不要な物質を分解する仕組みが、オートファジーです。
最近の研究で、オートファジーが糖尿病を含めた生活習慣病や、がん、アルツハイマー型認知症などの予防効果や、老化防止の効果があるのではないかと考えられるようになってきたため、注目を集めています。
オートファジーのメカニズム
オートファジーが働くと細胞の中でどのようなことが起こるのでしょうか。
まず、オートファジーによって、細胞内にある「ミトコンドリア」が新しく作られて、古いミトコンドリアが取り除かれます。
ミトコンドリアは細胞の中に数多くある小器官で、食べ物からの栄養と酸素から、「ATP」という細胞に必要なエネルギーを作る働きをします。逆に、古いミトコンドリアは活性酸素を大量に発生させます。
オートファジーによって新しいミトコンドリアが作られることで細胞内でATPが多く作られて細胞が活性化し、それが体全体の健康、若々しさにつながるのです。
また、古いミトコンドリアが取り除かれることで活性酸素の産生がおさえられるため、老化を防止することができます。
オートファジーの効果はミトコンドリアを作るだけではなく、細胞内の古くなったたんぱく質やアミノ酸を分解して新しいたんぱく質、アミノ酸を作り出す働きもします。古いものが取り除かれて新しくなることで、老化防止、健康につながるのです。
<オートファジーの効果>
・細胞の活性化により若さや健康につながる
・不要な物質が分解されるため老化を防止できる
オートファジーの美容・健康効果をアップさせるポイント
オートファジーのメリットを知ると、「オートファジーの力で美容や健康を目指したい!」と思いますよね。しかし、どのようにしたらオートファジーの力を発揮させることができるでしょうか。
オートファジーはもともと、体が飢餓状態や低酸素状態になった時に生き残れるようにするために組み込まれたシステムです。つまり、この飢餓状態を意識的につくりだすことがオートファジーを引き出すポイントです。
オートファジーの力を最大限に発揮するポイントは、以下の2つ。
・食べない時間を作る(プチ断食)
・食べない時間に軽い運動をする
以下に詳しく説明します。
・食べない時間を作る(12~16時間のプチ断食)
12~16時間程度を目安に食事をしない時間を作ると、オートファジーが活性化するといわれています。断食と聞くと大変な気もしますが、例えば、以下のように寝ている時間を含めると、それほど負担なくできると思います。
「8時間の睡眠時間+前後4~6時間の食べない時間」
・食べない時間に軽い運動をする
空腹の時間に運動をすると、さらにオートファジーが活発化しやすいといわれています。ストレスにならない程度に、筋トレなど自宅でできる軽い運動を取り入れると効果的です。
オートファジーと漢方
さまざまな効果が期待できるオートファジーですが、体質によっては断食が不調の原因となることもあるため注意が必要です。また、断食を取り入れるのは難しいという方もいるでしょう。
断食が難しいという方には、漢方薬がオススメです。
漢方薬は根本の体質に働きかけるため、オートファジーと同様、体の内側からの老化防止、美容・健康効果を得られます。
漢方薬のメリットは、以下の3点です。
- 一般的に副作用が少ないといわれている
- 医療現場でも使われ、効果と安全性が認められている医薬品
- 体の内側から心と体全体の改善を目指せる
若々しく健康でありたいと思う方は多いですが、バランスのとれた食事や運動を毎日続けることは難しいですよね。その点、漢方薬であれば症状や体質に合ったものを飲むだけなので、無理なく続けることができるでしょう。
<老化防止、美容・健康効果にオススメの漢方薬>
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう):体が疲れやすく食欲不振のある方。
生命活動のエネルギーである「気」を補うことで元気を補い、胃腸の消化・吸収機能を改善する働きがあります。
・人参栄養湯(にんじんえいようとう):体力が低下して、疲れやすく食欲不振のある方。
消化器の働きを高めることで体が栄養を吸収できるように整え、「気」と「血(けつ)」を補う働きがあります。
ただし、漢方薬はその人に最適な生薬の組み合わせでないと効果がでないだけでなく、副作用が起こる場合もあります。大切なのは、自分に合った漢方薬を選ぶことです。
最近、話題になっている「あんしん漢方」では、薬剤師などの医療チームがAIを利用し、「オンライン漢方相談」を行っています。こうした相談窓口を利用して、漢方に詳しい薬剤師に相談してみるといいでしょう。
「自分に効く漢方と出会いたい」「お手頃価格で不調を改善したい」という方にぴったりです。
オートファジーの力で体の内側からの美容・健康を
今回はオートファジーについてご紹介しました。オートファジーは体にもともと備わっている仕組みで、空腹の時間を持つことによって力が発揮されます。体のためのプチ断食、ぜひ試してみてください。
ただし、人によっては断食が合わなかったり、難しかったりすることもあります。そんな時には無理せずに、取り入れやすい漢方薬を試してみるのもいいでしょう。漢方薬は体質に合ったものを用いらなければ効果がでにくいため、まずは専門家に相談してみてくださいね。
オートファジーの仕組みを上手に利用し、体の内側からの美容・健康を目指しましょう。
【監修者】
皮膚科医 金城 里美
医師/薬剤師
東京大学薬学部卒業後、医師を目指して、東京医科歯科大学医学部に入学。
体、精神とも関わって多様に現れる皮膚の病態に興味を持ち、皮膚科医の道を選ぶ。卒業後、大学病院、総合病院、クリニックでの皮膚科勤務を経て、一般皮膚科から美容皮膚科まで皮膚科領域の診療を幅広く行う。
現在、総合病院の皮膚科常勤医として勤務。3児の母。
皮膚がより良くなることで、その人の毎日がより明るくなることを目指して日々診療を行う。
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