口内炎とヘルペスの違い知っている? 見分け方と正しい対処法【薬剤師解説】
YOLO 編集部
- 2022年04月21日
口内炎と口唇ヘルペスはどちらも口腔周辺にできる疾患で、見た目・症状もよく似ていることから混同しがちです。しかし、口内炎と口唇ヘルペスは全く別の疾患であるため、治療法も異なります。よくあるのが、口唇ヘルペスなのに口内炎の薬を塗り続けて全然治らない……という事態です。
そこで今回は、口内炎と口唇ヘルペスの見分け方や正しい対処法について、薬剤師の浅田さんに聞いてきました。
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口内炎と口唇ヘルペスの違い
口内炎にも色々な種類がありますが、今回は最もメジャーなアフタ性口内炎と口唇ヘルペスの特徴についてご説明します。
アフタ性口内炎
アフタ性口内炎は、最も一般的なタイプの口内炎です。数ミリの円形状の白い潰瘍で、周囲は赤く縁どられているのが特徴です。食事の際に刺激物がしみたり、歯ブラシなどが当たったりしたときに痛みを伴います。
アフタ性口内炎の主な原因は、ストレス・疲労・睡眠不足・栄養不足などによる免疫力の低下、ホルモンバランスの乱れ、唇の内側を噛むなどの物理的刺激などが考えられます。
ヘルペス性口内炎(口唇ヘルペス)
ヘルペス性口内炎すなわち口唇ヘルペスは、ヘルペスウイルスの感染によってできる感染症です。感染すると数日潜伏してから発症します。
初期は、発症部位でピリピリとした違和感・かゆみ・痛みを感じ、そのうち赤く腫れ、複数の水ぶくれ(水疱)があらわれます。激しい痛みを伴うのが特徴です。発熱することもあり、一般的な口内炎よりも症状は重いです。
ヘルペスウイルスは通常、体内に潜伏していても悪さをしませんが、体力や免疫力が低下していると増殖して感染症を発症させます。
一度感染すると治った後も体内に住みつくことから、口唇ヘルペスの再発を繰り返す体質の方が一定数います。
また、感染力が強く、接触感染もするため、口唇ヘルペスになったら人にうつさない感染対策が必要です。
口内炎と口唇ヘルペスそれぞれの改善方法
口内炎と口唇ヘルペスは治療薬が全く異なるので注意が必要です。ただし、日常生活の予防策はよく似ています。それぞれの疾患の改善方法について、詳しくご紹介します。
アフタ性口内炎の改善方法
通常は1週間から2週間ほどで自然に治りますが、症状が強い場合は、ステロイド薬を含んだ口腔用の軟膏やうがい薬が有効です。
また、アフタ性口内炎を予防するためには、丁寧な歯磨きや疲れやストレスを溜めないこと、しっかりとした睡眠、ビタミンB群をはじめとするビタミン類の摂取などの対策が効果的です。
ヘルペス性口内炎の改善方法
抗ヘルペスウイルス作用を持つ内服薬・軟膏の使用が基本です。抗ヘルペスウイルス薬を正しく使用することで、通常は10日ほどで治ります。
発症初期に治療を開始すると治りが早いので、口唇ヘルペスが疑われる場合はできる限り早めに医療機関を受診しましょう。
口唇ヘルペスを予防するためには、アフタ性口内炎と同様の対策が効果的です。とくに、免疫力を高めることが大切です。
口内炎やヘルペスなど口腔疾患には漢方もオススメ
口内炎や口唇ヘルペスができやすい体質の方には、漢方薬もオススメです。
漢方では、口内炎やヘルペスなど口腔周辺のトラブルは、胃腸の働きや免疫力の低下が原因であると考えられています。漢方薬のなかには胃腸の働きをよくしたり、免疫に働きかけたりするものがいくつもあります。
また、血液の巡りを改善させることで胃腸に栄養がいきわたり、働きが改善されます。全身に栄養が届くことで、心と体全体の不調も同時に改善されるのです。
このように、漢方薬は体の根本的な問題を解決するようアプローチしてくれるので、体質改善が目指せます。
口内炎や口唇ヘルペスにお悩みの方にオススメの漢方薬
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
口内炎や口唇ヘルペスができやすく、のぼせ気味の方にオススメ。余分な熱を冷まして炎症を鎮め、口内炎や皮膚炎などの症状を和らげます。
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
口内炎や口唇ヘルペスができやすく、胸のつかえや食欲不振がある方にオススメ。気の流れを整え、胃腸の働きを助けます。また、体の粘膜の状態をよくします。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
疲れやすく、元気が出ない方にオススメ。気を補い、巡らせます。また、免疫力を高めて胃腸の働きを助けます。
漢方薬は、その人に最適な生薬の組み合わせでないと効果がないだけではなく、副作用が起こる場合もあります。大切なのは、自分に合った漢方薬を選ぶことです。
最近、話題になっている「あんしん漢方」では、薬剤師などの医療チームがAIを利用し、「オンライン漢方相談」を行っています。こうした相談窓口を利用して、漢方に詳しい薬剤師に相談してみるといいでしょう。
「自分に効く漢方と出会いたい」、「お手頃価格で不調を改善したい」という方にぴったりです。
口内炎や口唇ヘルペスが滅多にできない体を目指しましょう
口内炎と口唇ヘルペスの違いはご理解いただけましたでしょうか。どちらにしてもかかってしまうと、治るまでの毎日が憂鬱ですよね。
できることなら口内炎や口唇ヘルペスと無縁な生活を送りたいものです。今回お伝えした方法をぜひ実践してみてくださいね。
<監修者>
薬剤師 浅田麻希
2009年に薬剤師免許を取得。有名皮膚科クリニックで研修を受けたのち、門前薬局で勤務。また、漢方専門病院にて漢方医師の指導を受けながら東洋医学の知識を深める。漢方でダイエット・妊活成功の経験あり。
現在は健康・美容や東洋医学に関する知識を活かし、薬剤師ライターとして漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。
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