ドライアイの正しい対策とは?乾燥しやすい人の特徴や瞳ケアを知ろう
YOLO 編集部
- 2023年03月20日
目が乾きやすい、目が疲れやすいといった症状があるなら、それはドライアイかもしれません。近年、パソコンやスマートフォンなどの普及や、コンタクトレンズの使用などで、ドライアイの患者が増えているといわれています。
ドライアイは、悪化する前に正しいケアをすることが大切です。そこで今回は、ドライアイの原因や対策について薬剤師の竹田由子さんに聞いてきました!
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ドライアイとは?
ドライアイとは、涙の分泌量が減少したり、目の表面を覆う涙の安定性が悪くなったりする疾患で、さまざまな目の不快感を引き起こします。
ドライアイの症状をチェック
以下に挙げる症状がある方は、ドライアイかもしれません。
□目が乾く
□目が疲れる
□目がゴロゴロする
□目が開けにくい
□目にヒリヒリとした痛みを感じる
□目になんとなく不快感を感じる
□目が赤くなりやすい
□目ヤニが出る
□視界がかすむ
□光をまぶしく感じる
このような症状が気になる方は、早めに対策をするのがオススメです。
ドライアイの原因
ドライアイは、環境や生活習慣、加齢、病気など、さまざまなことが原因で起こると考えられています。
とくに、現代社会では環境要因が大きいとされており、長時間のパソコンやスマートフォンによる作業、エアコン、コンタクトレンズの使用などが主な原因として挙げられます。これらによって目の表面を覆う涙が蒸発しやすくなり、目の表面に傷がついてしまうこともあります。
また、ドライアイには性別や年齢も関係するとされており、男性に比べて女性のほうが罹りやすい傾向にあるようです。加齢とともに涙の分泌量が減ったり、涙の質が低下したりすることもドライアイの要因となります。
さらに、ストレスも涙の分泌量に影響すると考えられています。涙の分泌は自律神経によって調整されており、副交感神経が優位になってリラックスしている時は分泌量が増加します。反対に、ストレスを感じている時は交感神経が活性化し、涙の分泌量は抑えられるという仕組みになっているのです。
ドライアイが重症化するとどうなる?
ドライアイは対策をせずに放置し、重症化してしまうと、以下のようなリスクが高まってしまいます。
視力が低下する
ドライアイが重症化すると、「実用視力」が低下するリスクが高まります。実用視力とは日常生活で私たちが感じている視力のことで、通常の視力検査で測るような瞬間的な視力とは異なります。
ドライアイになり涙の量が減ると、涙が目の表面に均一に広がりにくくなり、目に入ってくる光が拡散してしまいます。すると視界がぼやけて鮮明に見えなくなり、実用視力が低下してしまうのです。
角膜・結膜が炎症する
ドライアイを放置すると、角膜や結膜が炎症を起こす可能性があります。涙は目の表面を守るバリアの役割を果たしていますが、涙の量が減ることで目が細菌やウイルスに感染するリスクが高まってしまうのです。
もし、目の充血や痛みなどの症状が出ている場合は、眼科への受診をオススメします。
精神的ストレスがたまる
ドライアイが重症化すると、精神面にも影響を及ぼすことがあります。目の不快感や見えにくさなどの症状があると、日常生活でストレスを感じやすくなり、自律神経のバランスを崩してしまう可能性があるのです。
ドライアイの対策
ドライアイを完治させるのは難しいですが、日々の対策をしっかりと行うことで症状を和らげることはできます。
目薬の使用
ドライアイの対策には、目薬を使用することが有効です。従来は、人工涙液やヒアルロン酸製剤などによって水分を補うタイプの目薬が主流でした。
しかし、最近では、3層構造になっている涙の各成分(油層、水層、ムチン層)に働きかけるタイプの目薬が開発され、目の層の状態に応じた治療が行えるようになってきています。
市販の目薬を利用するのもひとつの方法ですが、合っていないものを使用するとかえって症状が悪化する恐れもあります。眼科で適切な診察と治療を受けることも検討してみてくださいね。
意識的なまばたき
まばたきをすることで、涙が目の表面に均一に広がりやすくなります。とくに、パソコンやスマートフォンを長時間集中して使用すると、まばたきが少なくなりがちです。作業中は、まばたきを意識的に増やすようにしてみましょう。
まばたきをしているつもりでも、完全に目が閉じていないことも多いので、ゆっくりと上瞼と下瞼をくっつけるように意識してみましょう。また、一定時間作業を続けたら手を止めて、目を休めるようにしてみてくださいね。
目周りのマッサージ
目の周りには、血流を良くするとされるツボが多くあります。目の疲れを感じた時は、自分の指でやさしくマッサージをしてみましょう。
また、目にホットタオルを当てて、温めるのも効果的です。目には「マイボーム腺」という目を乾燥から守る皮脂が出る分泌腺があり、温めることで皮脂の分泌が良くなる効果が期待できます。
ドライアイには漢方による内側からのアプローチでしっかり対策を!
ドライアイ対策には漢方薬もオススメです。漢方薬は医薬品として効果が認められており、眼科の治療でも処方されています。
ドライアイの原因として、血流低下や乾燥、ストレス、加齢などが考えられます。
ドライアイの改善には、
- 血流を良くして目に酸素や栄養を届け、涙腺の機能を回復する
- 水分の循環を良くして目に潤いを与え、目の乾燥を防ぐ
- 自律神経を整えてストレスが原因のドライアイを改善する
- 加齢によるホルモンバランスの乱れを改善する
といった作用のある漢方薬を選びます。
漢方薬は根本からの改善を得意としているので、ドライアイになりにくい体質を手に入れることができます。さらに、副作用も少ないといわれているので、安心して服用できますよ。
ドライアイ対策にオススメの漢方薬2種
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
目の使い過ぎによるドライアイ、眼精疲労のある方にオススメ。
飲む目薬ともいわれ、肝と腎を補い、目に栄養を与えることで、かすみ目、疲れ目などに用いられます。他の症状として、口渇や手足のほてり、頻尿などがある場合に向いています。
滋腎明目湯 (じじんめいもくとう)
目を使いすぎて充血や痛みのある方にオススメ。
腎を補うだけでなく、血流を促す四物湯(しもつとう)が含まれており、胃腸の働きを改善して水分代謝を整えます。目の炎症を抑え、潤いを与えるので過労による眼精疲労、かすみ目、目の痛みに用いられます。
漢方薬は、その人に最適な生薬の組み合わせでないと効果がないだけではなく、副作用が起こる場合もあります。大切なのは、自分に合った漢方薬を選ぶことです。
最近、話題になっている「あんしん漢方」では、薬剤師などの医療チームがAIを利用し、「オンライン漢方相談」を行っています。こうした相談窓口を利用して、漢方に詳しい薬剤師に相談してみるといいでしょう。
「自分に効く漢方と出会いたい」、「お手頃価格で不調を改善したい」という方にぴったりです。
ドライアイの対策には正しい瞳ケアが大切
ドライアイによる目の不快感は、適切なケアを行うことで和らげることができます。目の疲れを感じたら、目薬を使用したり意識的にまばたきをしたりして、目を休ませてあげてくださいね。
また、体の内側からアプローチするには漢方の力を借りるのも一つの方法です。一度信頼できる専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
参考文献
公益財団法人 日本眼科医会
https://www.gankaikai.or.jp/health/52/index.html
ドライアイ研究会
http://dryeye.ne.jp/
NIKKEI STYLE
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO94890630Y5A201C1000000/
<監修者>
あんしん漢方薬剤師
竹田由子(たけだゆうこ)
43、47歳で出産した2児のママ薬剤師。共立薬科大学(現 慶応大学)卒、臨床薬学専門。病院で10年以上医薬品情報室に従事し、医薬品に関する情報に精通。元漢方・生薬認定薬剤師。
漢方を自身の月経痛や妊活にも活用してきた経験から「日常の不調はまず漢方」をモットーに体の不調を我慢する女性へ対し情報発信している。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。
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