生理前のカチカチ便解消! 排便ストレスをなくす3つの心がけ
YOLO 編集部
- 2023年06月27日
「生理が近づくと便秘になるのはなぜ?」生理前の便秘は、多くの女性が経験する悩みです。おなかが張ったり、出ないとストレスになったりと、ツラい日々を過ごしている方もいることでしょう。
そこで今回は、生理前の便秘の理由や便秘を改善する心がけ、さらには便秘にオススメの漢方薬について薬剤師の碇純子さんに聞いてきました!
Index
生理が近づくと便秘になる理由
生理が近づくと便秘になる原因の一つは、女性ホルモンである黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響です。
このホルモンの作用により、大腸の腸壁が水分をより多く吸収するようになり、同時に腸のぜん動運動が低下します。その結果、便は腸内で停滞することになります。停滞した便からさらに水分が腸壁に吸収されるので、結果としてカチカチの便になるのです。
また、生理周期に伴って自律神経のバランスも変化し、交感神経が優位になります。交感神経が優位な状態では胃や腸の動きが遅くなり、消化器の動きが低下します。これによって便の移動が鈍くなり、便秘が引き起こされるのです。
したがって、生理前の便秘は、黄体ホルモンと自律神経のバランスの変化が関与していると考えられます。
便秘を悪化させるNG生活習慣
生理の影響以外にも、日常の生活習慣が便秘の原因となることがあります。以下に、便秘を悪化させるNG生活習慣を4つお伝えします。
食生活
過度なダイエットや食事制限は便秘を引き起こしやすいといわれています。食事量が少なくなると腸のぜん動運動がおろそかになり、便秘が起こりやすくなります。
また、食物繊維不足も便秘の大きな原因です。食物繊維は水分を吸収し、腸内の便を柔らかくし、便通を促す働きがあります。つまり、適切な量の食物繊維を摂取することで、便が柔らかくなり便通が改善されるのです。
運動不足
運動不足による筋力の低下は、排便に関わる腹筋や括約筋の働きを弱めます。とくに、女性は男性に比べ筋力が低く、腹筋や括約筋の力も弱い傾向にあります。
そのため、筋力が低下していると、腸の運動が悪くなり、便の通りがスムーズにいかなくなるのです。
ストレス
ストレスは腸の動きを制御する自律神経に影響を与えます。強いストレスが続くと、交感神経が優位になって腸のぜん動運動が低下し、便秘を引き起こすことがあります。
また、ストレスが腸内環境のバランスを乱し、便秘と下痢を交互に繰り返す症状を引き起こすこともあります。
便意の我慢
便意を我慢し続けると腸内の便が硬くなります。また、我慢を続けると直腸の反応が鈍くなり、便意を感じづらくなるという悪循環に陥ります。滞った便の水分が腸壁に吸収され、便が硬くなるため、排便が困難になるのです。
これらのNG生活習慣を改善し、健康的な日常生活を意識して過ごしましょう。
生理前の便秘を改善する心がけ
生理前の便秘を改善し、慢性化を防ぐためには、以下の3つの心がけが重要です。
便意を我慢しない
便意を感じたら、なるべく早めにトイレに行くことが大切です。便意を我慢することで腸の運動が鈍り、便が固くなります。定期的な排便を心がけ、便意を感じたら我慢せずにトイレに行きましょう。
こまめに水分補給をする
便秘改善のためには、こまめな水分補給が不可欠です。1日に摂取する目安は1.5リットルから2リットルで、水分補給をこまめに行いましょう。
朝起きたら、常温の水をコップ1杯(約200ml)飲むことをオススメします。また、日中はコップ1杯の水を目安に複数回に分けて摂ると効果的です。
ただし、お茶やコーヒーで水分補給するのは適切ではありません。お茶やコーヒーは利尿作用があるため、逆に体が水分不足になる可能性があります。水や白湯を飲むことを心がけましょう。
のの字マッサージ
のの字マッサージは腸のぜん動運動を活発化させ、便秘の解消に効果的です。おなかを時計回りに円を描くようにマッサージするだけで、腸のぜん動運動が刺激されます。
おなかの上に両手を重ねて置き、時計回りに円を描くようにさすってください。強く押さず、なでるように10回から20回くり返すこと。
生理前の便秘を改善するために、毎日の習慣としてのの字マッサージを取り入れてみましょう。
生理前の便秘には漢方もオススメ
生理前の便秘は、多くの女性にとってツラい問題です。バランスのよい食事や整った生活習慣は重要ですが、体の内側から根本的に改善するためには漢方薬の活用がオススメです。
生理前の便秘には、以下のような働きを持つ漢方薬が選ばれます。
- 腸のぜん動運動を促進し、便の排出をスムーズに行う
- 腸内の水分を保持し、便を柔らかくする
- 自律神経のバランスを整え、腸の正常な動きをサポートする
- 血行をよくして腸の動きを回復する
また、漢方薬は腸内環境を整え、便秘の症状を改善するだけではなく、女性ホルモンのバランスを整える作用もあるため、女性特有のさまざまな不調にアプローチできます。
生理前の便秘にオススメの漢方薬
大建中湯(だいけんちゅうとう)
体力が低下し、おなかが冷え、ガスでおなかが張る人に向いています。血流をよくして、おなかを温め、胃腸の働きを活発にすることで、腸の働きを改善します。便秘にも下痢にも使用できます。下剤である大黄(だいおう)が入っていないため、授乳中でも安心して服用できます。
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
比較的体力があり、のぼせてイライラしがちな人に向いています。腸の運動を活発にすることで排便を促すとともに、便を潤すことで柔らかくして便秘に働きかけます。
自分の症状や体質に合った漢方薬を選ぶことはとても大切なことです。不適切なものを服用すると、期待する効果が得られないだけでなく、状況によっては副作用が生じる可能性もあります。
最近、話題になっている「あんしん漢方」などもオススメ。薬剤師などの医療チームがAIを利用し、「オンライン漢方相談」を行っています。こうした相談窓口を利用して、漢方に詳しい薬剤師に相談してみるといいでしょう。
生理前のカチカチ便とサヨナラし、快適な日常を送ろう!
排便ストレスをなくす心がけをしたり、便秘によい漢方薬を利用したりすることで、健康な腸の状態が保たれ、便秘を改善することができます。
生活習慣の見直しや適切な漢方薬の服用でカチカチ便を解消し、快適な日常を取り戻しましょう!
<監修者>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
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