
運動後の疲労回復にケアは必須!怠ると心身の健康に悪い影響も
- 2025年04月01日
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疲労回復のポイントは、トレーニング後のケア!
運動をした後のストレッチやマッサージなどのケアをサボってしまいがちという人は多いのではないでしょうか?しかし、筋肉はあめとムチを与えることで健全に育っていくものなのです。つまり、運動で筋肉にムチを入れた後にケアであめを与えてあげないと、ケガはもちろんのこと、慢性疲労、胃腸障害などさまざまな弊害が発生するリスクが高まります。
ケアを怠ることで最初に発生する弊害が、筋肉の硬化です。筋肉が硬くなると筋肉が関節を押さえつけ、関節の動きが悪くなってしまいます。その結果、運動時のパフォーマンスが大幅に低下してしまいます。さらに、筋肉内の血管が押さえつけられることで血管がつぶされて血行が悪くなり、肩こり、血行不良による冷えなどが頻発します。筋肉内に溜まった疲労物質を血流にのせてすみやかに除去することもできなくなるため、筋肉痛が発生しやすくなったり、疲労回復が滞ってしまいます。
そしてケアは、体だけではなく、心の癒し効果も高いことも忘れてはいけないポイントです。運動中は神経が興奮した状態となっていなければ、パフォーマンスは上がりません。しかし、運動後にケアをしないと神経をリラックスさせることができなくなってしまいます。それが長期にわたれば、イライラしやすくなったり、不眠になったりして、心のバランスを崩してしまうことも……。ケア抜きトレーニングは、心身の健康を保つどころか、心身の健康を害するおそれがあることは知っておきましょう。
筋膜を柔らかくして、体スッキリ、疲労回復!
適切なケアをするうえで知っておいてほしいのは、リジェネレーションという考え方です。リジェネレーションとは、「再生」「生まれ変わり」を意味する言葉で、運動により損傷を受けた心身をケアし、損傷を修復・回復させることで、心身は再生を果たし、その結果、パフォーマンスアップを図ることができるという考え方です。つまり、再生を繰り返すことで進化した体と心を手に入れることができるということです。
今回は、このリジェネレーションに基づき考案されたケア法をご紹介します。ケアの主軸となるのは、筋膜の硬さをとることです。筋膜とは簡単に言うと、筋肉を包む袋のようなものです。筋肉は筋線維という細い繊維が束になって構成されていて、その表面は筋膜と呼ばれる薄い繊維状の膜で覆われています。筋膜が硬くなると筋肉に張り付いた状態になり、筋肉が真空パックされたような状態になって圧迫されて硬くなってしまいます。
この状態を改善するには、筋膜に刺激を与えることが有効となります。筋膜を刺激することで、張り付いた筋膜を引き剥がすことができ、筋肉は圧迫から解放されます。すると、血行も改善され、筋肉は次第に柔らかさを取り戻していきます。ちなみに、偏った動作や姿勢なども筋膜を硬くする原因となるため、姿勢を正す、同じ姿勢で長時間過ごさないなど、日常生活の動きを改善することも大切です。
心身の疲労を回復するには、質の高い食と睡眠、ポジティブ思考も大切
リジェネレーションを完全なものとするには、マッサージをしたり、ストレッチをする以外にも実践すべきことがあります。それが、栄養摂取や睡眠、心をリラックスさせる機会をつくることです。ここでこれら三つの要素をご紹介しましょう。
①栄養摂取
こまめに栄養を摂取して体内のエネルギーを切らさないことが大切です。とくにハードな運動をした後には、タンパク質や糖質など、体組織の修復に欠かせない栄養素は過不足なくとるようにしましょう。また、十分な水分補給も忘れずに。十分に食事をとらずに運動をすると筋肉量が減って基礎代謝を低下してしまうため、リバウンドのリスクが高まります。たとえダイエット中であっても、運動をするときは過剰な食事制限は厳禁です。
②睡眠
睡眠中に分泌される成長ホルモンは、損傷した筋線維の修復を促すだけではなく、脳疲労の回復にも必要不可欠なものです。睡眠は心身を休ませることができる唯一の手段と考え、睡眠はたっぷりとりましょう。適正と言われる睡眠時間は6~7時間。また、できるだけ毎日同じ時間に寝て、起きるという睡眠のリズムを維持することも大切です。
③メンタルヘルス
ネガティブな思考は心だけではなく、肉体の回復の停滞を招くことが近年の研究であきらかになっています。ポジティブな思考を維持していくことも、運動効果や身体能力向上には非常に重要と言えるのです。
筋肉の質を高めるふたつの“疲労回復ケア”
ではここからは実践ケアをご紹介していきましょう。ケアはSMFR(自発的筋膜コンディショニング)という筋膜に直接的に筋膜にアプローチするケアと、AIS(Active Isolated Stretch)ストレッチというゆっくり筋肉を動かしながら伸ばしていくストレッチ法のふたつに分かれています。運動後には必ず行うようにしてください。
また、ケアアイテムとして用意したいのは、フォームローラー、チューブ、マッサージスティック、テニスボールです。
筋肉の柔軟性を取り戻し、維持することでケガを予防
SMFR(自発的筋膜コンディショニング)
足部ケア
前後・左右 各30秒
土踏まずの下あたりにテニスボールを置いて、ゆっくりボールに体重をかけていき、30秒キープ。その後、前後・左右にコロコロと転がす。
下腿(ふくらはぎ)ケア
左右各30秒
マッサージスティックをふくらはぎの筋腹(もっともふくらんだ部分)を中心に上下に転がす。痛気持ちいい程度の負荷で行う。
前太モモ(大腿四頭筋)ケア
左右各30秒
ヒジをついてうつ伏せになり、ヒザの皿の上部あたりにフォームローラーを置き、ヒジを支えにゆっくり体を動かしてフォームローラー上方へ動かす。お尻の下あたりまで動かしたら、元に位置に戻す。
太モモ裏(ハムストリングス)ケア
左右各30秒
脚を組んで床に座り、ヒザの裏より少し上のあたりにフォームローラーを置き、体を前に突き出すようにして、ゆっくりフォームローラーを上方向へ動かす。股関節の下あたりまで動かしたら、元に位置に戻す。
お尻ケア
左右各30秒
お尻の筋腹(もっともふくらんだ部分)を中心に、マッサージスティックを上下に動かす。
腰部ケア
30秒
腰の位置にマッサージスティックを置き、肩の可動域の範囲内でいいので、上下に動かす。
背中ケア
30秒
後頭部に両手を添えて仰向けになり、肩甲骨の下部の出っ張った部分にフォームローラーを置く。
胸を大きく開くイメージで上体を反らしていき、反らし切ったら30秒キープ。
時短で筋肉の柔軟性の向上を図れる高効率ストレッチ
AIS(Active Isolated Stretch)ストレッチ
足部下腿(ふくらはぎ)ストレッチ
2~3秒キープ
左右各8回
四つん這いになり、後頭部から尻までが一直線になるまで腰を上げる。片脚をもう一方のふくらはぎにのせる。
背すじを伸ばしたまま、カカトを上げていく。最初の姿勢に戻って2~3秒キープ。
太モモ後面ストレッチ1
2~3秒キープ
左右各8回
仰向けになり、両手でチューブをつかんで片脚の足裏にチューブを引っ掛け、ヒザを軽く曲げた状態で片脚を上げる。このとき、チューブがたるまないように長さを調整する。
チューブを引っ掛けたほうの脚のヒザをゆっくり伸ばし、伸ばし切ったところで2~3秒キープ。
太モモ後面ストレッチ2
2~3秒キープ
左右各8回
仰向けになり片脚の足裏にチューブを引っ掛け、チューブを引っ掛けたほうの脚と逆側の手でチューブを持つ。チューブがたるまないように長さを調整する。
チューブを引っ張りながら脚を斜めに上げていく。このとき、ヒザを曲げないように注意する。チューブを引き切ったところで2~3秒キープ。
太モモ前面(大腿四頭筋)ストレッチ
2~3秒キープ
左右各8回
横向きになり、床と逆側の脚のヒザを曲げ、同側の手で足の甲をつかむ。
カカトをお尻につけたまま、足の甲を後ろに引っ張り、前モモを伸ばしていき、伸ばし切ったところで2~3秒キープ。
お尻ストレッチ
2~3秒キープ
左右各8回
仰向けになり、両手でチューブを持ち、片脚の足裏にチューブを引っ掛ける。チューブがたるまないように長さを調整する。チューブを引っ掛けたほうの足のつま先を少し外側に向ける。
チューブを引っ張り、ヒザを曲げていく。このとき、つま先を外側に向けた状態を維持する。チューブを引き切ったところで2~3秒キープ。
背中ストレッチ
2~3秒キープ
左右交互に各8回
肩幅に両脚を広げ、背すじを伸ばして立つ。チューブの端を両手で持ち、真上に腕を上げる。腕を上げ切ったときにV字になるくらいにチューブの長さを調整する。骨盤位置を固定することを意識しつつ、体を真横に倒していく。倒し切ったところで2~3秒キープ。これを左右交互に行う。
<監修>
澤木一貴(さわきかずたか)
パーソナルトレーナー。パーソナルトレーニングジム「SAWAKI GYM」代表取締役。1991年から、大手フィットネスクラブにてトレーニング指導を開始。その後、整形外科病院にてスポーツトレーナー課主任を歴任、メディカルフィットネス現場におけるリハビリ後の患者からトップアスリートに及ぶ、幅広いクライアント層へのトレーニング指導を経験する。現在は新宿区早稲田にパーソナルトレーニングスタジオをかまえ、指導にあたるかたわら、メディアや講演会を通じて健康情報を発信している。「1日3分 痩せトレ」(枻出版社刊)、「ランナー筋トレ」(枻出版社刊)、「衰えた体がよみがえる 最高最善の運動」(大和書房)など、監修・著者本も多数刊行している。
SAWAKI GYM⇒https://sg-personal.com/
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