年々おいしくなる日本ワイン 自分に合う味をどうやって選ぶの?
YOLO 編集部
- 2018年05月31日
格段な進化を遂げ、年々おいしくなっている日本ワイン。しかし、まだまだ知らないこともたくさんあるはず。基本的な知識から、トレンド、未来のことまで、J.S.A認定ソムリエで、人気ワイン講師の遠藤誠さんに聞いてみました!
Q1.おいしい日本ワインに出合うコツは?
A.「ワイナリーに足を運んでみましょう。日本ワインの一番よいところは、ワイナリーを訪れやすいことです。実際に、ブドウの栽培家や醸造家に会って話を聞いたり、感想を伝えたりすることができるのは、とても楽しいことです。一般の人にも開放し、ワイナリーツアーなどを行っている醸造所もありますので、足を運んでみましょう。ワイングラスの向こうに畑の風景や人の姿が感じられ、ワインがよりおいしくなるでしょう」
Q2.ズバリ、外国のワインとの違いは?
A.「繊細な味わいで和食とよく合います。ブドウの生育期間中に降水量が多くなる日本の気候の特性上、日本ワインは外国のワインと比べて、軽やかな味わいに仕上がる傾向にあります。なので、“出汁”に代表される、繊細で奥深い味わいの和食と合わせやすいのも日本ワインの特徴です」
Q3.最近よく耳にする、自然派ワインって何ですか?
A.「おいしさを追究した結果、たどり着いた造り方です。さまざまな解釈がありますが、化学肥料や農薬、除草剤を使わずに原材料となるブドウを栽培し、醸造もできるだけ自然な手法で行うことを目指して造ったワインを指します。ただ、ワインの“おいしさ”を追究した結果、自然派にたどりついたという造り手が、世界にも、日本にも増えましたが、そのクオリティは玉石混交です」
Q4.個人生産者と大手ワイナリーの違いは?
A.「ワイン市場の広がりで選択肢が増えました。大手ワイナリーは、多くの量のワインを一定の品質で造る技術を持っています。また、最新の醸造技術や研究にも取り組んでいます。これに比べて、個人の生産者は少量生産で、こだわりのワインを醸造しているケースが多い。どちらがより優れているというわけではなく、日本のワイン市場が成熟するにつれて、選択肢が増えてきたと捉えるといいでしょう。消費者が『選ぶ』ためには、情報の開示が重要なのは大手も個人も同じです」
Q5.日本ワインの未来は?さらにおいしくなりますか?
A.「日本ワインは、毎年、進化し続けています。これからもますますおいしさが追究されるのは当然でしょう。今首都圏を中心に、スーパーマーケットや飲食店で日本ワインを扱う店舗が増えています。一方、日本ワインの市場が成熟・拡大するにつれて、造り手の腕の差が顕著になっているのも事実。これから先、身近になってきた日本ワインを、造り手と消費者が一緒になって育てていくことが大事だと思います」
ワインといえばフランス、イタリア、または南米やカリフォルニアというイメージが強いけれど、日本のワインにも注目すべき銘柄があります。飛躍的においしくなりつつある日本ワインは、近年私達にとっても身近な存在に。まだ飲んだことがない、という方は一度その味を体験してみてはいかがでしょうか?
出典:『Discover Japan 2018年1月号Vol.75[付録あり]』
ライター:夏井美波
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