【くびれ】を作るにはコツがある!くびれる仕組みを知って効率的にダイエット
YOLO 編集部
- 2020年01月02日
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ウエストがくびれる仕組みを知る!
ウエストがなめらかにくびれているボディラインって、やっぱり美しいし、憧れますよね。効果的な運動やトレーニングでキレイなくびれは作ることができるけれど、トレーニングをはじめる前にぜひ知っていてほしいのが、人間の体の仕組みについて。知っているのと知っていないのとでは、間違いなく「くびれ方」が変わってきます!鍼灸整体師であり、アスレティックトレーナーの大江清一朗さんに解剖学的視点からくびれる理屈や体の使い方を解説してもらいました。
なめらかなくびれを作るのはお腹を包む腹横筋と腹斜筋
くびれを意識したトレーニングをする時にターゲットとしたいのは、お腹まわりをぐるりと包む腹横筋と、その上に重なっている内腹斜筋、外腹斜筋。腹圧を高めると腹横筋が働いてコルセットのような働きをし、内臓を正しい位置に収めてくれます。逆に腹圧が抜けてしまうと、腹横筋の緩みとともに内臓がダラッと広がり、くびれがなくなってしまうのです。ヒジをついたサイドプランクをキープするなどのトレーニングで腹横筋と複斜筋を鍛え、ウエストのサイドをキュッと絞っていきましょう。一方、お腹正面の腹直筋は鍛えすぎないのが、女性らしいくびれを作るポイント。「外側がガッチリするよりも、中の見えない部分がしっかりしていたほうが、カッコいいし、機能的です」。
チェックしたい筋肉はこの二つ!
内外腹斜筋(ないがいふくしゃきん)
腹直筋と内腹斜筋の間にあり、ワキ腹を斜めに走っているのが外腹斜筋。外腹斜筋の内側にあるのが内腹斜筋。ひねったり屈曲したり、左右に側屈する時に使われます。腹圧を高め、内臓をあるべき場所に安定させる役割も果たしています。くびれを作りたい人にとっては、必ず鍛えたい筋肉の一つ。
腹横筋(ふくおうきん)
外腹斜筋、内腹斜筋よりもさらに内側にあり、コルセットのようにワキ腹を覆っている筋肉。肋骨や骨盤上部、腹直筋の外側についています。ろっ骨を下に引き下げ、腹圧を高める作用があります。内臓をあるべき場所に安定させる役割が大きいため、内臓の健全な働きとくびれのためには、ぜひ鍛えたい筋肉です。
内転筋と恥骨の操作で腹横筋スイッチをON!
腹圧を高めて腹横筋と内外腹斜筋のスイッチをONにするなら、ガンガントレーニングしてお腹を凹ませることが一番、と考える人は少なくないかもしれません。でも、最大のポイントはお腹を鍛えることではなく、内転筋を使うことと、恥骨を微細に引き上げること。「内転筋を効かせるだけで、腹圧は勝手に高まります。加えて、恥骨をわずかにたくし込むと、腹横筋や腹斜筋に刺激が入ってスイッチがONに。お腹に力を込めて筋肉のスイッチを入れるのではなく、“内転筋から恥骨へ”という下からの流れで自然にスイッチが入るという仕組みを理解できると、体の使い方が変わってくるはずです」。力を入れて頑張るという思い込みを手放してみましょう。
地道に繰り返し練習することこそ内転筋と仲良くなる早道!
普段、私達は太モモの外側や前側の筋肉ばかりを使っているので、意識的に内転筋を使おうと思っても、これがなかなか難しいんです。使えるようにするためには、ちょっと辛抱強く、基本的な練習(下の図)からスタートしてみて。ヒザを軽く曲げて立った状態で両手の甲を内モモに当て、甲と内モモとで押し合いながら、手の甲をヒザ近くから上へと順番に移動させていきます。ヒザが内側に入ったり、足裏の外側が床から浮いたりしないように気をつけて。そのためには、外側方向にも働くエネルギーを残しながらやるのがポイント。練習を重ねていくと、太モモの前側や外側の力がだんだん抜けてくるように。パワーを必要とする練習とは真逆の、丁寧に感じ、丁寧に使う練習になります。「謙虚な気持ちで、何回も何回も積み重ねて」。
やってみよう!内転筋を目覚めさせるストレッチ
内モモで手の甲を押そうとすると、ヒザが内側に入って足の外側が床から離れ、内転筋を思うように使えません。ヒザで押し込むのではなく、脚全体を押し込むように心がけて。
手の甲と内モモで押し合う時、太モモは内向きに押すけれど、外向きの力も残しておくのがポイント。脚全体で手の甲を押しながら、手をヒザ上から太モモ上へ順番に移動させて。
くびれのためには、ギュッよりもキュッの感覚で
やればやるほど筋肉が強くなり、成果が出るトレーニングをしていると、常に120%の力で頑張ってないと、サボッているような気持ちになってしまうのは、トレ女あるあるの一つかもしれませんね。
でも、くびれのあるウエストを目指したいなら、「ギュッ」と頑張るのではなく、「キュッ」ぐらいがベストだのだとか。「くびれたいからとお腹をギュッと凹ませ、腹横筋や腹斜筋を常にギュッとしていたら呼吸も苦しくなりますし、ケガにもつながります。それよりも、時々抜けてもいいやぐらいの気持ちで内転筋をキュッと使い、恥骨をキュッとかわいく引き上げる感覚で気長に続けていくと、無理なく使えるようになってきます」。ギュッじゃなくてキュッの感覚を大切に◎。
たまにはお腹をふくらませることも大切!?
くびれさせたいと思うと、常に下腹部に力を入れて凹ませておきがち。でも実は、意図的にお腹を張らせることも大切。「人間関係で考えるとわかりやすいですが、追いかけられると逃げたくなってしまうのに、相手に引かれると、今度は自分から追いかけたくなったりしますよね。あくまで感覚的なものですが、同じように、お腹も凹ませ続けていると広げて張らせたくなるし、ふくらませる力が働くと中心部に引き寄せる力が働くようです。くびれのためにはこの方程式を活用して、時々お腹を張らせることでバランスを取るといいでしょう」。お腹を凹ませ続けることで体に無理がかかっているなら、緩ませる意味で時々はお腹をふくらませるようにしてみましょう。
スクワットを保てる女性のウエストはくびれている!
内転筋に意識が向けられるようになり、さらにアクティブに練習したいと思ったら、相撲で四股(しこ)を踏むようなスクワット姿勢(下の図)をキープするのがベスト。内転筋が使えていないとヒザが内側に入ってくるので、ヒザを開くことに意識を向けながらキープしたいところ。また、出っ尻になりがちなので、股関節を前に押し出す感じで軽く恥骨を引き上げましょう。
「ラクにキープできないということは、表面の筋肉ばかりを鍛えているということ。逆に言えば、ニコニコしながら長くキープできる女性のウエストは、間違いなくきれいにくびれていると言えるでしょう」。最初は数秒で根をあげたくなるけれど、この体勢はお尻の筋肉もオンになりやすいのでおすすめ。
やってみよう!相撲姿勢がくびれを創る
四股(しこ)の体勢は、横から見た時に背骨がまっすぐに立っているのが理想。出っ尻にならないように股関節全体を前に押し出し、恥骨を軽く引き上げて。ヒザが中に入らないように注意。
太モモが床と平行になるまで腰を落とす。ヒザが直角になるように足幅を調整して。ヒジを体側に寄せたまま、前腕だけを横から後ろに開いていき、背面の下後鋸筋を感じて。
伸びた背筋は下後鋸筋(かこうきょきん)で作る
くびれのあるウエストを作るためには、正しい姿勢が大前提となる。「背骨がまっすぐ引き上げられている時には、肋骨と胸郭の間にスペースができています。そのスペースこそが、くびれとなる部分です。猫背などでそのスペースがつぶれてしまうと、当然くびれも“ボヤけて”しまいます」。
では、姿勢を保つにはどうすればいいのでしょうか。ポイントは、背中を使うこと。「胸を張ろうとするのではなく、背中の広い範囲を覆う広背筋と下後鋸筋を使って肩を引き下げると、胸郭が少し上向いてウエストにスペースができやすくなります」。下後鋸筋は、上の図のように両ヒジを曲げ、そのまま前腕を左右に開いていくと感じられるので試してみて。
下後鋸筋(かこうきょきん)はどこにある?
背中を広く覆う広背筋よりも内側にあり、腰よりも少し上部に位置する筋肉。幅広のV字のような形をしています。肋骨を下内側へと引き下げる役割があり、呼吸を助けるとともに、胸郭を少し前上向きにする働きも。下後鋸筋が使えるようになると、肩や胸の筋肉をリラックスさせた状態でいい姿勢を保てます。
前の筋肉はスイッチオフ!内と外をオンにしよう
普通に生活をしていると、太モモの前側と外側ばかりを使うため硬く張ってきやすくなる。でも、くびを作るためには前から見た時にスッと細い脚が理想的なのだそう。「太モモの前と外側を使っている時には内転筋が抜けています。すると、お尻が下がって寸胴に近づいていってしまう。一方で、内転筋を使えているとお尻の筋肉はオンになってプリッと上がやすくなり、同時に、太モモの前側と外側のスイッチがオフになります。これが、前から見ると細いけれど、横から見ると内転筋がキュッと入ってお尻がプリッと上がっている体の秘密です」。背中側の広背筋や下後鋸筋(かこうきょきん)を正しく使い、上半身の前側も常に力が抜けている状態を目指しましょう。
くびれを目立たせるのはサイドの“天使の羽根”
キレイなくびれは、ウエストが細いだけでなく、その上下にふくらみがあってこそできるもの。下のふくらみが、丸みがあってキュッと上がったヒップならば、上のふくらみは?水泳選手のような逆三角形を型作る立派な肩?それともモリッとした胸の筋肉?答えは、どちらも×。正解は、きれいな姿勢を保つ時に必要な広背筋、下後鋸筋、そしてワキの下から胸横にかけての前鋸筋が意識され、キュッとしまっていること。「これらの筋肉が発達することで、天使の羽根のようにワキに張りが出てきます。その柔らかな広がりがあるからこそ、真ん中のくびれが際立ってキレイに見えるんです」。あまり意識してこなかったかもしれないですが、意識しながら使ってみて。
骨ブラブラで再構築。体を温めるのにも◎
くびれのあるボディメイクには、日常的な使い方のクセが積み重なった体を一度リセットして、再構築することも大切。そのためには、骨をブラブラさせて筋肉の緊張や関節を緩めることが効果的です。
「206個ある骨を揺らしていく時には、普段使っている外側の筋肉を使わず、内側の骨の近くの筋肉を使います。内側から緩んでくると、だんだん全身の骨がバラけてきて、さまざまな方向に揺らせるようになってくるんです。一度バラバラにリセットできたら、本来使いたい筋肉だけを使って背骨を立てていくだけ。姿勢が整って歪みがなくなるので、くびれやすくなりますよ」。筋肉を揺らすことで熱も生み出せるので、トレーニング前のウォーミングアップにも◎。全身をブラブラさせてみましょう。
体ブルブルでほぐしてみよう!
手のひらから始まり、鎖骨・肩甲骨に向かい、背骨・肋骨など体幹部を経て、股関節から脚まで順次揺らしていく。決して力を入れず、ゆらゆらと動かしていくのがポイント。
くびれの奥義は、脱力
くびれを作るためには、脱力した体であることが不可欠。言い換えれば、くびれが引き立つような美しい姿勢は、脱力していないと得ることができないのです。「女性のくびれを見てキレイだなと思うのは、肩がリラックスして下りていたり、女性らしい丸みを帯びた柔らかさがあるからこそ。いかり肩で緊張していたらちょっと怖いですよね。そもそも、くびれがあることでどういう現実がほしいのかを考えてみて下さい。叶えたい現実が『男性から美しいと思われたい』ということなら、女性らしさは残しつつお腹を引き締めていくことが必要になってきますよね」。外見は力が抜けて柔らかいが中のほうで引き締まっている。そんな「見えない筋肉の奥ゆかしさ」を兼ね備えたくびれを目指していきましょう。
くびれのある体は一朝一夕にならず
あまり使ってこなかった筋肉を使えるようになるのは簡単ではありません。でも、使えるようになると信じてやっていくことが大切。「日常生活で内転筋がオフになってしまったら、もう一度、内転筋をオンにする。また抜けたら再びオンにする。そうやって何度も、地道に繰り返してやり直すことが大切」。例えば、固まっている粘度の形を一気に変えるとパキッと折れてしまう。粘度の形を根本から変えたいのなら、一度水につけてドロドロにしてから組み立て直していくしかないのと同じように、体の使い方も一度リセットして、一から積み上げていくしかないのです。
「腹横筋も内転筋も、見えないところにあるから、効果を感じにくい。でも、効果は徐々にだけれども確実やってくる。そう信じて練習を積み重ねていると、勝手にいい体になっていきますよ」。
出典:『YOLO.style』vol.8「知っているともっとくびれやすくなる!くびれの解剖学」
監修:大江清一朗(鍼灸整体師/アスレティックトレーナー。骨ナビディレクター。サッカー、サーフィンなど多くのプロアスリートや音楽などの芸術家に、骨・関節機能のパフォーマンス向上と効率のいい身体操作を指導。大江整体院横浜元町本院代表。
ライター:YOLO編集部(サカイ)
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