またできた!生理前のニキビは防げるの?肌荒れの原因と正しいケアでゆらがない肌へ
YOLO 編集部
- 2022年03月25日
生理前の肌荒れといえば、ニキビ。毎回同じ場所にできて跡が残ることもあり、うんざりしている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、生理前にニキビができてしまう原因と、効果的なお手入れの方法などをご紹介。生理のメカニズムと正しいケアの方法を知れば、毎月やってくる肌の不調も怖くないはず!!
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女性ホルモンって何?種類と特徴とは
「生理前の肌荒れには女性ホルモンが関係している」と言うことは比較的よく知られています。しかし、具体的にどのように関わっているのでしょうか。
ここからは、生理の仕組みと女性ホルモンの特徴についてご紹介します。
生理のメカニズム
生理は女性が妊娠するための準備として起こる現象です。
まず、卵巣から卵子が排出されると、それを受け止めるために子宮内膜が厚くなります。ここで受精すれば、そのまま妊娠ということになりますが、卵子が受精しない場合は厚くなった子宮内膜が不要になるため、はがれて体外に排出されることに。この時の出血が、いわゆる生理です。
女性ホルモンと生理の関係
排卵と生理のサイクルに大きく関わっているのが、卵巣から分泌される2つのホルモンです。
まず1つ目が、卵胞ホルモン。
エストロゲンとも呼ばれており、代表的な女性ホルモンです。子宮内膜を厚くしたり、女性らしい丸みのある体をつくったりする作用があります。
エストロゲンは生理終了後から分泌量が増えていき、およそ7日後にピークを迎えた後は徐々に分泌量が低下します。エストロゲンの増加に伴って成熟した卵胞は、前回の生理開始日からおよそ14日程度で卵子が排出されて排卵を迎えます。
その後、卵子がいなくなった卵胞は黄体という組織に変化し、今度は2つ目の女性ホルモンである黄体ホルモン、いわゆるプロゲステロンを分泌するようになります。プロゲステロンは、受精卵を着床させるために子宮内膜をやわらかく整えるなど妊娠を維持する働きを持つホルモンです。
妊娠が成立しなければ、排卵後1週間程度で分泌量は徐々に減少し、妊娠の為に厚くなっていた子宮内膜が剥がれて再び生理を迎えます。これが、生理周期と女性ホルモンのメカニズムです。
女性ホルモンとニキビの関係は?
女性ホルモンが生理周期に大きく関わっているということが分かりましたが、こうしたホルモンの変化が肌の不調にはどのように影響してくるのでしょう。
結論から言うと、エストロゲンが出ている時は肌の調子が良く、プロゲステロンが増えるとニキビなどができやすくなります。エストロゲンは、肌や髪の水分量を増やして潤いを保つと同時に、自律神経を整える働きを持つホルモンです。
肌の水分量が増えると外部刺激から肌内部を保護するバリア機能が正しく働いてくれるので、自然と肌が強くなり、調子が良い状態に。自律神経も整うので、気分も前向きにしてくれます。
一方で、プロゲステロンが増加すると、皮脂の分泌量が増えたり、体内の水分をため込んでむくんだりするようになります。皮脂は増えますが、肌自体はエストロゲンの分泌が減って乾燥しやすくなっているので非常にデリケートな状態に。したがって、ニキビができたり、かゆみや赤みが出るなど、肌の不調が起こりやすくなってしまうのです。
生理前はスキンケアに注意を
『エストロゲンが増加する生理終了日〜排卵前までの時期は肌の調子が良く、プロゲステロンの分泌が増加する排卵〜次の生理までの時期は肌が荒れやすい』
このように考えると、生理前はニキビができやすいというのも理解できますが、毎月肌トラブルに悩まされるのは避けたいところです。そこで、生理前に必ずニキビができるのであれば、生理周期に合わせてスキンケアを変えてみてはどうでしょうか。
例えば、プロゲステロンが増加する時期は、普段使っている洗顔料から皮脂の分泌を抑える洗顔料やニキビ用の基礎化粧品に切り替える方法など。もしくは、肌が敏感になっているので、低刺激性の洗顔料や化粧品を使ってみてもいいでしょう。
この時、皮脂が気になるからと洗いすぎてしまうと、さらに肌が乾燥して皮脂を過剰に分泌させてしまいます。ニキビ用の洗顔料を泡立てて優しく洗ったあとは忘れずに保水・保湿をするようにしましょう。
皮膚科の受診や食生活改善も効果的
肌のコンディションは生活習慣と深く結びついています。
したがって、プロゲステロンが多く分泌されて肌が不調になる時期は、食事内容や睡眠時間を見直すことも大切です。
例えば…
- 肌のバリア機能をアップしてくれるビタミンB12を積極的に摂取する。
- 油分や糖分の多い食事を避けて、栄養バランスの良い献立を心がける。
- 寝る前にスマホやテレビを見る時間を短くして、自律神経を安定させ、質の良い睡眠をとる。
このように、ちょっとした生活習慣の変化が積み重なることで、肌の不調を回避することにも繋がります。
また、セルフケアではどうにもならないほどニキビがひどくなってしまった場合は、一度皮膚科を受診するのも選択肢の1つです。ニキビくらいで、と思うかもしれないがニキビは尋常性ざ瘡という立派な病気。度重なるニキビで跡に残ってしまうこともあります。
素人判断でだらだらと市販薬やサプリメントなどを続けるよりは、医師に診てもらって症状にあった薬を処方してもらう方が安心です。医療用の塗り薬や飲み薬を併用することで、早く的確に治すことも可能なので、気になる場合はぜひ一度皮膚科医に相談してみましょう。
正しくケアして生理前でもゆらがない肌へ
今回は、生理前のニキビと女性ホルモンの関係についてご紹介しました。
原因とメカニズムを理解して効果的な対策ができれば、毎月悩まされていた肌トラブルともサヨナラできるはず!気になっていた方は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
【監修】
今泉スキンクリニック
今泉明子 院長
- 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。
- 聖マリアンナ医科大学を卒業後、皮膚科医として経験を重ねるほか、最先端の美容医療を学ぶため渡米。ニューヨーク ワイル・コーネル医科大学では皮膚の修復・再生にアプローチする「ペプチド」の研究に従事する。
- 帰国後、都内皮膚科クリニック院長を経て、今泉スキンクリニック(六本木)を開院。日々診療を行う傍ら、国内外の学会・講演に登壇、世界中のドクターへ注入技術の指導を行うと共に、『ヒアルロン酸注射』『ボトックス注射』治療の啓蒙にあたる。
【この記事を書いた人】
古谷 祥子(ふるたに しょうこ)
- WEBライター 二児の母
大学卒業後、外資系製薬会社にてMRとして勤務。
その後は医療事務や秘書業務を経て、出産を機にフリーライターの道へ。
現在は医療や育児、美容などの分野をメインにWEBライターとして活動中。
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- Credit :
- ライター:古谷 祥子
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