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本場カリフォルニアのリアルなサーファーズハウスが見たい! vol.4|ベンチュラ・ラコンチータ

本場カリフォルニアのリアルなサーファーズハウスは、サーファー独自の感性に満たされた個性的なものばかり。しかしそこに共通するのは、“豊かに暮らす遊び心”。そんな夢の城を、私達は敬愛を込めて“Surf Shack(サーフ小屋)”と呼ぶ。

NALU本誌の人気連載vol.4は、オールハンドメイドにこだわるCA生まれのアウトドアブランドIron and Resinのオーナーであるトム。ハリウッドスターのような端正な容姿からは、想像もつかないワイルドなサーフをするトムが選んだのは、リンコンとリトルリンコンに挟まれた、べンチュラのスモールコミュニティ、ラコンチータだ。

「サーファーズハウス」
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乗馬、バイク、波乗り、何をさせても絵になる男。そんな誰もが憧れるトムのフリーダム・ライフスタイル

’67年にノースカロライナで生まれたトムは、9歳でサーフマットを使ってサーフィンを始めた。誰から教わるわけでもなく友達同士で見よう見まねでがむしゃらに楽しみ、経験を積むにつれいろいろな種類のボードで遊んだ。高校を出ると、アメリカ国内でも人気が高い、海沿いにあるUCSBに入学するため18歳でサンタバーバラに移住した。キャンパスポイントをはじめ多くのサーフポイントに囲まれた環境で4年間を過ごし、気がつけばサーフィンが生活の一部となっていた。
ホースバックライディング、モーターバイク、サーフトリップを趣味とするトムは、とにかく自由である事を重要視する。その3つに共通することは“無”になれることだという。サーファーとバイカー向けにつくった自身の会社Iron and Resinの通称名にも、Freedom Riderと名付けたほどだ。
アイルランド、スペイン、ポルトガル、中南米など世界中の波を求めて旅をしたが、ここべンチュラに住んでからはリンコンやサーファーズポイントなどカリフォルニアを代表するポイントブレイクに囲まれ、年中素晴らしい波を楽しめる場所がホームになったので、次第にサーフトリップに行く必要がなくなっていったそうだ。
彼のオフィスとしても使われている’80年代に建てられたサーフシャックは、2階のリビングから望遠鏡で毎日波をチェック出来る。自転車のラックにボードを乗せ、気ままにコースト沿いのバイクレーンをクルーズして、まだ誰も気づいてないSwellを味わうこと醍醐味だと言う。三人の子供達はもう巣立っているが、チャンスがある限り、ファミリーでサーフィンを楽しむという。
▲赤い50年代のピックアップトラックや、ピストタイプのビンテージ・ビーチクルーザーには、いつもサーフボードが積まれ、気ままに海に入れる環境が整っている

▲室内全体を見下ろせるロフトの快適なベット

▲動物達と過ごす時間を大切にするトムは、毎週末、最愛の妻ローラとの共通の趣味でもある乗馬を楽しむ

▲2階のリビングルームから太平洋を一望、遥か遠くから来るスウェルを望遠鏡で常に確認できる。人気ブランド“Iron and Resin”のオーナーだけあり、広い室内にはセンス良く小物や写真が散りばめられ、その世界観を演出する。

カリフォルニアの父とも言えるレニー・イエイターとの出会い

大学を卒業後、アメリカのサーフTシャツを一手に引き受ける会社に勤め、当時は画期的だったスクリーンプリントの技術を習得した。そんな矢先、サンタバーバラのサーフショップ、ビーチハウスでレニー・イエターと出会ったそうだ。そこで意気投合した二人はYaterT-shirtsを立ち上げ、25年に渡りそのビジネスも続けている。「レニーとは家族のように親しくさせてもらっているよ。Tシャツの素材やデザインの話はもちろんだけど、トピックはスポーツ、歴史まで及ぶ事もある。一緒にサーフィンに行った時なんか、話しは尽きないね。本当に多くのことを吸収させてもらったよ」
レニーは’50年代からシェイプしてきた数少ないリビングレジェンドシェイパー。’61年に出演したサーフムービーBig Wednesdayを皮切りに、’60年代の大サーフィンブームが訪れた時代の生き証人だ。サーフィンビジネスがミリオンビジネスになり、みんなが大量生産に力を入れていく一方、レニーはローカルとハンドメイドにこだわり、他とは一線を画した。
▲何気なく飾られている一枚一枚の写真や絵には、大切なたくさんの思い出が詰まっている。ブランドを通じて常に新しいものを生み出し続ける原動力は、家族や仲間のサポートに尽きるという

レニーがシェイプしたボードの中でも、もっとも有名なモデルは1964‐1968に作られたスプーン。当時にしては画期的な軽さ、薄さ、乗り心地からセンセーショナルなボードだった。特にリンコンのような整ったパーフェクトライトのポイントブレイクにぴったりのマニューバブルなボードだ。トムのリビンクに飾られているロングボードは、レニーの引退前に100本限定で作られたボードのひとつ。
▲ボードと自転車さえあれば、いつでも夢中になれるのがサーフィン。毎回新鮮な気持ちで挑めることも大きな魅力で、形の整った波をグライドする感覚は病みつきだそうだ

トムはゆっくりと語り出した「2000年代のはじめ、レニーはリタイヤする前にスプーンを100本限定でシェイプすると宣言し、このボードはその時の1本さ。だけどレニーはみんなが知っているようにStill Stay Strongで、そう言ってからも、今でもずっとシェイプし続けてるさ。彼の生きがいだからね。死ぬまでやめられるわけないよ。最近はBack to Classicでショートボード革命が起きなかった前提で進化したロングボードをテーマに、バルサ素材の板に最新の技術を組み込んだりしてるんだから、本当に頭が下がるよ。だって今年88歳だよ。

▲忙しい夫婦にとって癒しの時間。ローラが馬に乗り、トムはバイクに。二人にとっては日常だが、まるで映画のワンシーンのような光景だ。レースになると負けず嫌いの血が騒ぐという

このボードを毎日見ることで、今ある全てのことに感謝し、僕は初心に戻れるんだ。でもレニーの最後のボードにはならなかったけどね』と笑い飛ばした。

トムとレニーの友情の証。レニー・イエターはトムの人生に大きな影響を与えた、カリフォルニアの父とも言える大きな存在だ。

 

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NALU 編集部

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テーマは「THE ART OF SURFING」。波との出会いは一期一会。そんな儚くも美しい波を心から愛するサーファーたちの、心揺さぶる会心のフォトが満載のサーフマガジン。

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