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モデル仲川希良の「絵本とわたしとアウトドア」#20 ぐりとぐらの1ねんかん

だれもが一度は手にしているであろう、おなじみの”ぐりとぐら”シリーズ。お料理することと食べることが大好きな2匹の野ねずみが、遠足に出かけたり海水浴に出かけたり、突然やってきたお客様に驚かされたりします。

ストーリーもイラストも、大胆でシンプル。それでいて、森で焼く大きなカステラの甘い香りや、海風にさらされた真珠灯台の乾いた質感など、ワンシーンワンシーンが本当に体験しているかのようにくっきりと感じられるのです。

「ぐりとぐらの1ねんかん」は、自然とともに暮らすぐりとぐらの日々の楽しみを、季節を追って描いています。表紙に散りばめられているかわいらしい植物たち。2匹のまわりにあしらわれたのはワスレナグサです。それからハナニラ、ドクダミ、クマシデの実、ヒノキの実。名前が分からないものも、ああ見るよね、あの季節にね、となるような絶妙なチョイス。

見返しのドウダンツツジをめくってまずは1月のページ。雪景色の森を歩くぐりとぐら。続いて2月もまだ雪ですが、2匹と友達はみんな素敵なニットを着込んで、ソリ滑りをしています。

3月はこれ、4月はこれ、と読み進めていくうちに「そうそう、この季節はこの感じが楽しいんだった」と、未来に対してだんだんとポジティブな気持ちに。

私のお気に入りは8月です。「テント かついで おなべ もって おひっこし」した2匹は、シラカバの樹のそばに夏休みの我が家を構え、山を眺めながら外での食事を味わうのです。

12月末の北八ヶ岳で山納め。私は手作りおみくじを持参して山小屋で友人にプレゼントし、年末らしさを楽しんだ。新年に向けて心が洗われる、北横岳の上で迎えた朝日

山には山の季節感がありますね。ぐりとぐらの家はカラマツ林のなかにあり、絵本をよく見ているとストーリーの季節に合わせてカラマツの葉のようすが描き分けられていることに気づきます。

私はカラマツの新芽が大好き。毎年春を迎えると、そろそろあの山なら見られるかしらと、カラマツの新芽を目的のひとつに山行計画を立てたくなるくらい。

溶け切る直前の雪から顔を出す山菜を採りに、中秋の名月を愛でに、その季節の特別な景色を目的にする山旅の準備は、いつもよりソワソワ。街以上にあっという間に姿を変えていく山の季節で何かを狙うのはなかなか難しいですが、うまくいったときのうれしさはひとしおです。

さあ来年はどうしましょう。

12月は葉を落とし次々裸になる木々に、急かされるような寂しさも感じていたけれど、なんだか新しい年がとっても楽しみになってきましたよ。

 

ぐりとぐらの1ねんかん
(中川李枝子 作、山脇百合子 絵/福音館書店)
大人になったいまだからこそ気がつける、イラストのディテールの愛らしさ! 歌うような調子で読みたくなるのもこのシリーズの特徴。音読するうちに心が晴れ晴れしてくる。

 

モデル/フィールドナビゲーター
仲川希良
テレビや雑誌、ラジオ、広告などに出演。登山歴はランドネといっしょの12年。里山から雪山まで幅広くフィールドに親しみ、その魅力を伝える。一児の母。著書に、『わたしの山旅 広がる山の魅力・味わい方』『山でお泊まり手帳』

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仲川 希良

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テレビや雑誌、ラジオ、広告などに出演。登山歴はランドネといっしょの12年。里山から雪山まで幅広くフィールドに親しみ、その魅力を伝える。一児の母。著書に、『わたしの山旅 広がる山の魅力・味わい方』『山でお泊まり手帳』

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テレビや雑誌、ラジオ、広告などに出演。登山歴はランドネといっしょの12年。里山から雪山まで幅広くフィールドに親しみ、その魅力を伝える。一児の母。著書に、『わたしの山旅 広がる山の魅力・味わい方』『山でお泊まり手帳』

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