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モデル仲川希良の「絵本とわたしとアウトドア」#24 おべんとう

お弁当といっしょに思い出す
あのとき、あの場所の思い出

空っぽのお弁当箱の絵。ページをめくるたびにひとつずつ増えていく中身。ミートボールに卵焼き、ブロッコリー……どれもこれもおいしそうでたまらない絵本「おべんとう」は、布巾でキュッと包まれた最後のページのお弁当を持って、いますぐどこかへ出かけたくなる一冊。

珍しくないおかずばかりだからこそ、絵本を見ながら思い出されるのは、これまで自分が食べてきたいくつものお弁当です。

小学校で塾通いを始めたときから、中学、高校と、私は母にずいぶん長いあいだお弁当を作ってもらいました。彩り云々よりも栄養を重視するタイプだったのだと思います。

卵焼きは大量の桜海老(カルシウム対策)がギュっと卵で押し固められたものだったし、デザートのドライプルーン(鉄分対策)がお弁当箱の中を飛び回って味が移っていたり。

家族の健康を考えた結果、どこかおもしろいことになっていた母のお弁当ですが、飾らないいつもの感じが、教室にいながらにして家のごはんを食べているような、安心感をくれていた気がします。

登山の場合、私自身はお弁当を自作することは少ないかもしれません。準備に余裕がなかったり、運動量が多いと食欲が湧きづらく、行動食で済ますこともあります。

でも人に作っていただけるなら、ウェルカム!山小屋に泊まって縦走するときは、翌日お昼用のお弁当をお願いするのを楽しみにしています。

透明なプラスチックのパックに大きいおにぎり2個、すき間にソーセージや唐揚げ、というのがよくあるパターンでしょうか。おにぎりの具も真っ赤な梅干しや昆布の佃煮というド定番。気を張って疲れたときこそ、それがうれしい。

そしてお弁当がバックパックに入っていると、「どこで食べようかな?」というすてきなソワソワもいっしょに背負って歩くことになります。時間や、空腹具合、どんな景色をおともにするか。お昼休憩がたちまたひとつのイベントになるのです。

▲槍沢ロッヂのちらし寿司弁当。日を浴び続けた体に酸味がうれしい。竹の皮と割箸しか残らないことも◎。槍ヶ岳目指して上ばかり見ていたが、大岩に腰かけて弁当を広げ槍沢を見下ろす開放感も味わった

表銀座縦走中、大天荘の焼き鮭弁当を広げて向かい合った北アルプスの稜線。白馬大池山荘のそぼろ弁当を食べながら、雲の向こうに想像した白馬岳の山頂。あのときはお天気が悪くて、小蓮華山でお弁当にしたあと引き返したんだったなぁ。

味はあまり覚えていないことが多いのですが、腰を落ち着けてお弁当を頬張りながら眺めた景色は、不思議とはっきり思い出せるのです。

今回の絵本は……

おべんとう
(小西英子・作/福音館書店)

リアルさを暖かさが包む小西英子さんの絵。ほかにもおいしい絵本を多数作られていて、息子はいつも食べ真似をしながら読む。あなたが思い出すのはどんなお弁当だろう

モデル/フィールドナビゲーター
仲川希良

テレビや雑誌、ラジオなどに出演。登山歴は13 年目。里山から雪山まで広くフィールドに親しみ魅力を伝える。一児の母。著書に『わたしの山旅 広がる山の魅力・味わい方』『山でお泊まり手帳』

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仲川 希良

モデル/フィールドナビゲーター

仲川 希良

テレビや雑誌、ラジオ、広告などに出演。登山歴はランドネといっしょの12年。里山から雪山まで幅広くフィールドに親しみ、その魅力を伝える。一児の母。著書に、『わたしの山旅 広がる山の魅力・味わい方』『山でお泊まり手帳』

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テレビや雑誌、ラジオ、広告などに出演。登山歴はランドネといっしょの12年。里山から雪山まで幅広くフィールドに親しみ、その魅力を伝える。一児の母。著書に、『わたしの山旅 広がる山の魅力・味わい方』『山でお泊まり手帳』

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