美しい姿勢もポーズの安定感も「足裏アーチ」に秘訣あり
大嶋朋子
- 2020年03月23日
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足裏は体バランスのカギ
足裏のアーチと聞くと土踏まずを思い浮かべる人が多いでしょう。この土踏まずを含めて、足裏には三つのアーチがあるそう。日常生活の癖などで重心バランスが偏ると、そのアーチを支えている足底筋膜(かかとから各指のつけ根まで扇状に広がる)にも偏った圧力がかかり、アーチ自体が崩れてしまいます。結果、下半身の安定や背骨に影響し、体のあちこちに不調が現れると言います。
三つのアーチとは?
土踏まずは「内側縦アーチ」と言い、かかとから土踏まずを通り親指つけ根までのこと。反対側、かかとから小指の付け根までは「外側縦アーチ」。そして、親指付け根から小指の付け根までを結ぶ盛り上がり曲線が「横アーチ」。これら三つが緩やかにカーブしているのが本来の足裏の形です。
足元に見る要注意サイン
ではアーチの崩れはどんな兆候でわかるでしょう?例えば扁平足。土踏まずがない状態で、内側縦アーチが崩れています。また、外反母趾は横アーチの崩れが原因。ヒール靴を履くことが多い女性は、内側縦アーチの曲線が高くなっている場合が多いそう。
アーチが崩れると?
足裏アーチは重心バランスをとる他に、歩行などの動作の際にクッションとしての役割もあり。アーチのバランスが崩れるとクッション性が低下し、体のどこかに負担がかかり痛みなどが出てきます。また、背骨のS字カーブにも密接に関係しているため姿勢にも影響が…。
ヨガ中にもサインあり
もし、アーサナ中に安定しない、練習を重ねているのに片側の筋肉だけが発達したり前後左右に苦手な方向があるなら、足裏アーチの乱れを意識してみたほうがいいかも。逆にバランスが整えば、脚の筋肉をうまく使えるようになり、骨盤や上半身の調整へと自然とつながっていきます。
セルフケアは足裏ほぐし
この崩れを解消するためにできるのが「足裏ほぐし」。三つのアーチを支える足底筋膜は、日常生活の癖で凝りかたまりがちに。直接手でほぐして正しいアーチを作ることで、重心位置を正しく整え、関節なども正常な位置に戻しましょう。
横アーチへのアプローチ
- 2本の足指の付け根部分を両手でつまみ、横に広げてから前後に動かして指と指の間をほぐしていく。親指から小指まで、左右両方の足で行う。
- 足の甲につながる各指の骨の間のくぼみをもみほぐす。とくにヒールの高い靴を履く人はここが詰まって硬くなっている可能性があるので入念に。
- 横アーチ線上の人差し指と中指の間に、両手の親指以外を押し入れ、山を作るように足の両サイドを包み込むようにして開いていく。
縦アーチへのアプローチ
- かかとから足指の間まで扇状に広がる足底筋膜の全体を、両手の親指で押してほぐす。
- 足指と反対側の手指をつなぐように絡ませて、足首を伸ばすように手前に引き足裏を縮ませる。その後反対に、足首を折り曲げるようにして足裏を伸ばす。最後に足首を左右に回して足裏を全方向に伸ばす。
重心が整うことで
ヒールで歩くことが多い人は重心が前のめりになりがちで、そこからバランスを取りに行くから腰は反り気味に、さらに猫背になりやすい。でも重心がかかとにのると、腰の反りが自然になり、肩の緊張もやわらいで、胸も適度に開いていく。自ずときれいな姿勢になります。そしてヨガにおいても、下半身に安定感があればポーズの完成度が高くなるのです。
監修:Lisa
りさ。aratiヨガ &健康コンサルティング代表。ヨガインストラクターであり整体師。独自のメソッドを取り入れた「整体ヨガ」など、体と心を内側から高め、自分らしく美しく健康でいられるようなレッスンが人気。
Text:内池朋子
編集者を経てRYT200を取得後、ヨガやアロマなどを取り入れたライフスタイルを発信。AEAJアロマテラピーインストラクター、JAMHAハーバルセラピスト。
出典:Yogini アーカイブ ヨガのきほん
「足底アーチと足底筋膜がポーズを制する」
- Brand :
- Yogini
- Credit :
-
Photo=小澤義人、樋口雄一郎
Text=内池朋子
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