自身の経験を元に人々を健康に!管理栄養士パーソナルトレーナー・小椋利佳さんの思い
久下 真以子
- 2021年02月01日
フィットネス業界を支えるトレーナーを訪問して、仕事へのやりがいやトレーニングへのこだわりをインタビューする連載企画「トレーナー探訪」。
第10回は、社会人2年目!管理栄養士パーソナルトレーナーとして活躍する、小椋利佳さんです。高校時代から今の職業を志していたという小椋さん、きっかけは自身のある経験でした。それは一体何だったのでしょうか。
Index
食×トレーニングで1人でも多くの人を健康に
名古屋出身の小椋さんは、大学卒業とともに管理栄養士国家試験に合格。新卒で上京し、パーソナルトレーナーとしての活動を開始。食のプロとしての視点から、お客様の体作りをサポートしています。
週に21回の機会を大切にする、食事のプロによる指導
管理栄養士パーソナルトレーナーという肩書きが気になり、今回インタビューさせていただきました。普段どんなサービスを提供されているのですか。
トレーニングを提供する中で、毎日の食事のフィードバックを行っていますね。トレーニングはだいたい週2回くらいの方が多いと思うのですが、1週間のうちの2時間って実はそんなに多くないですよね。でも食事は1日に3回もチャンスがあります。お客様に合った食生活を一緒に見つけて、痩せやすい体を作っていくことを目指しています。
確かに食事って1日に3回だとすると、週に21回も時間がありますよね。
例えば「ローラさんになりたい!」とか芸能人の体を目指してしまうと、キツい食事制限に走ってしまいがちですよね。でも私の指導する食生活は、ある程度食べて代謝を上げて痩せる体作りなんです。食べてもいいんだ、と解放されることによってストレスもなくなるし、野菜もいっぱい食べるようになるし、健康的で引き締まった体になっていくんですよ。すごく楽に毎日の習慣として食生活とトレーニングに取り組めるようになったというお客様が多いですね。
食事指導はいろんなジムやトレーナーさんも提供していますが、管理栄養士ならではの強みってありますか。
私が国家資格を取るにあたって学んだ中には、病気や高齢者、赤ちゃんに向けたものも幅広く含まれており、ダイエットに関する知識を深めるために大学卒業後もたくさん勉強しましたね。多くのトレーナーさんも知識は持ってらっしゃいますが、私が伝えることで説得力が増すのは強みかなと思っています。
確かに、管理栄養士さんが言うと説得力は増しますよね。
トレーニングで意識しているのは、大きなマシンだけでなくダンベルやボールなどの小物を使ったメニューが多いことですね。私の作ったメニューは「地味にキツい」んですよ。というのも、普段の生活の動きでマシンは当然使わないですよね。日常生活で体を上手に使えるように鍛えて、毎日がシェイプアップにつながっていくことを目指しているんです。例えば、普段の歩きや立ち上がる時のお尻の力の入れ方とかですね。
高校時代の摂食障害がきっかけで……管理栄養士パーソナルトレーナーを目指した理由
小椋さんは高校時代から今の仕事を志していたんですよね。
実は、高校生のときに拒食症になってしまった経験があるんです。小学校時代からダイエットをして、高校3年生の時に163センチ39キロまで痩せてしまって。自分が摂食障害になったときに管理栄養士の先生に救われた経験から、私も正しいダイエットをみんなに伝えたいと思ったのがきっかけです。
その身長で39キロは、なかなかですね……(泣)
朝食は、家族の夜ご飯の残り。昼は片手サイズのお弁当。夜は食べないという生活でした。陸上部で長距離を走っていたのに、もうスタートラインからお腹が鳴っていて、全然力が入らなくて息もすぐに上がって脚も上手く上がらないような状況で……「タイムを上げるために痩せなきゃ」という思いが、真逆の結果ですよね。もうその時は、パッケージのカロリー表示を見るだけで吐きそうなレベルにまで達していたんですよ。
それは大変でしたね…。どうやって克服したんですか?
「食べないと結果出せないよ」って管理栄養士の先生に注意されて、泣きながら食べましたね。もうそのあとの記憶ってほとんどないですよ。徐々に食べられるようになって、今は当時より13キロ多いですね。友達には「すごく健康的になったね、それが普通なんだけど」と前置きしながらも言われるようになりました。悩んでいたアトピーも、今ではすっかり治ったんですよ!
よかったです!大学時代は、食事の他にもトレーニングの勉強をしていたんですか?
名古屋市内の高校で、陸上部の専属学生トレーナーとしての活動をしていました。食事のセミナーをベースに、ランニングやトレーニングの指導をしましたね。大学での管理栄養士課程の勉強と、陸上部のトレーナーの経験があったからこそ、今の仕事にもスッと入る基盤ができたというのはありますね。
大事なことは「理想を下げる」?自分の体は伸びしろだらけ
小椋さんのように、目標を持つがゆえに自身を追い詰めてしまう女性は少なくないと思います。
まずは「理想を下げること」ですね。今の時代は情報がすぐに入ってくるので、「2週間でこれだけ痩せました!」みたいなのをインターネットやSNSのダイエットアカウントでよく見かけるじゃないですか。そんなの絶対にないです、絶対に(笑)。
(笑)!
自分の身体をよく分析して、自分の理想を下げるマインドセットをすること。短期的に頑張っても絶対反動が来るので、健康的な食事を整えて1週間や2週間まずは頑張ってみることが大事ですね。でも意外と1人じゃ難しいから、例えば誰かと一緒に頑張ってみるとか、相談する人がいなかったら私たちトレーナーに頼っていただきたいですね。
自分としっかり向き合って、受け入れることが大事なんですね。
自分の体はつい悪いところばかり見えてしまうけど、いいところもあるはず。その上で、改善点が見つかったらそれは伸びしろになるはずなんです。「なす術がないと思っていたけど、まだまだこんな方法があったのか」と一緒に気づいていくのが私の役割ですね。
改善点に対するアプローチの手段の選択肢を広げるわけですね。
食事とトレーニングだけでは結果が出なかった人が、ストレッチを取り入れたら改善したケースもあります。「もっと早くここに来ればよかった」と言ってくれるお客様もいて、本当に嬉しい瞬間ですね。
週に2回も会いたくなるパーソナルトレーナーへ。1人でも多くの人に健康を
社会人2年目。毎日たくさんの刺激がありそうですね。
本当に毎日楽しいですし、もう天職だと思っていますね。スキルアップの為にどんどん仕事を変えていく方も多いですが、私はこの仕事の中でいろんなことを見つけていこうと思っています。
今後の目標はありますか。
まだまだ駆け出しなので、まずはもっと色んな勉強をしてパーソナルトレーナーとして成長して、1人でも多くのお客様が理想の体に近づけるようになることですね。いずれは、アスリートや子どもに指導がしたいです。パーソナルトレーナーとアスリートへのサポートの2つの軸で出来たらいいなと考えていて、いつかは自分のお店を持つのが夢ですね。
ご自身が関わってきた分野ですもんね。どんなお店にしたいですか?
「週に2回も通いたくなる空間づくり」ですね。例えば美容院とかだったら月に1回とかですけど、週に2回って友達よりも頻繁に会う関係になるじゃないですか。お客様の日常に溶け込めるような、いい意味で家のようなお店を将来開きたいですね。
小椋さんが関わったことで健康な人がたくさん増える、そんな世界って素敵ですね。
はい。今はInstagramにも力を入れていて、トレーニング方法を紹介したりオンラインライブをしているんですけど、もっといろんな人の目に留まるようなアカウントを作って、知識や思いを発信していけたらと考えています。
小椋利佳(おぐら・りか)
大阪生まれ、名古屋育ち。管理栄養士、パーソナルトレーナー。イーストレッチ代官山店所属。陸上に打ち込んでいた高校時代に摂食障害になり、管理栄養士の先生に救われた経験から、今の職業を目指すように。食のプロの視点から、お客様の体作りをサポートしている。
Instagram:1.rika.29
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Profile
YOLO / コンテンツディレクター
久下 真以子
現役のアナウンサーでスポーツライター(専門はパラリンピック、野球、サッカー)。トレーニング好きが高じてYOLOメンバー入り。夢はベストボディ出場とフルマラソン完走。欲しいものはウエストのくびれ。猫と一緒に暮らす30代女子。
現役のアナウンサーでスポーツライター(専門はパラリンピック、野球、サッカー)。トレーニング好きが高じてYOLOメンバー入り。夢はベストボディ出場とフルマラソン完走。欲しいものはウエストのくびれ。猫と一緒に暮らす30代女子。