プラーナとヨガのふか〜い関係
大嶋朋子
- 2020年02月07日
ヨガクラスで耳にすることもある「プラーナ」という単語。生命力や生命エネルギーと訳されることが多いけど、目に見えないし実際なんのことを言っているのかよくわからない…。でも実はヨガの考え方と切っても切れない、ふか〜い関係なんです。
そもそもプラーナってなに?
何か変化が生み出される時には、そこにエネルギーの存在があります。それらに囲まれて生活している私たちは、体の中にも当然エネルギーが流れています。それらが体を作り、感情を動かし、思考を巡らし、言葉を発しているのです。つまりエネルギーは生命そのものであり、何かを変える力を持っているもののこと。ヨガではこれをプラーナと呼んでいて、古くから心と体をつなぐものとして大切に扱ってきました
プラーナは、体だけでなく感情や生理機能にも影響する、生きる根源、つまり生命力のこと。食事や生活習慣を整えるのと同じように、呼吸によって体内に取り込まれるプラーナの質を良いものにすることが重要です。プラーナの詰まりを解消し全身に巡らせることで、心と体の健康を目指すテクニック。それがヨガの聖典の一つ、「ハタヨガプラディピカー」に書かれています。
プラーナの種類
ハタヨガプラディピカーによると、ただプラーナと言っても5つの種類があります。
①ヴィヤーナ
場所:全身を巡る
働き:プラーナや血液、体液を全身に循環させる。全身の流れが良ければ、心身は健康な状態を保つことができる。
②ウダーナ
場所:ノド
働き:表現やコミュニケーションにかかわる。ノドのチャクラと同じように、不調だとシャイになったり、人との関係が難しくなる。
③プラーナ
場所:胸のあたり
働き:吸う息。主に取り入れることが仕事。胸は心臓のある大事な場所で、何かを感じる場所でもある。
④サマーナ
場所:胃のあたり
働き:消化をつかさどる。食べ物の消化や精神的なものも消化する。ストレスが胃にくるのはこのプラーナの不調が原因。
⑤アパーナ
場所:下腹のあたり
働き:プラーナが下腹に届きアパーナになる。排便や生理、出産などの排出をつかさどる。不調だと便秘やストレスを溜め込む傾向になる。
目には見えないけれど、何かが動く場所に必ずあるプラーナ。筋肉など、目に見える部分だけでなく、そこに確かにある目に見えないエネルギーを捉え、探っていく。つまりヨガのポーズを行うことは、単なる筋肉と関節の動きだけではなく、もっともっと微細なエネルギーが体の内側で働いていることにより起こっているのです。それが体感値として感じられた時、ヨガがただのエクササイズではなくなるのだと思います。
出展:『Yogini』vol.62 / ヨガでは体をどう伝えてきたのか?
監修:森田尚子
「クリシュナマチャリアの教え」正式指導者。ヴェーディックチャンティング正式指導者。ヨーガヴェーダ協会代表。
監修:小山一夫
クンダリーニJP代表。クンダリーニヨガ、古神道、中国養生医学、東洋哲学を研究。ヨガの技法に中国の英知を取り入れ、「火の呼吸」メソッドを確立。
- Brand :
- Yogini
- Credit :
-
Photo=小澤義人
Text=Saori Suzuki
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