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田村友絵・アルティメット|完璧主義にならないことが、夢に出会うコツ

第一線で活躍する女性アスリートにインタビューして、競技の魅力や選手の生きざまに迫る連載「アスリートの女神」。第1回は、アルティメットの田村友絵選手。大学入学後にアルティメットに出会い、2014年から日本代表として活躍。鍛え抜かれた肉体美で、世界の頂点を目指しています。

連載「アスリートの女神」
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アルティメットの「顔」田村友絵選手に迫る!

今回は、アルティメット日本代表として活躍する田村友絵選手です。人生を変えたアルティメットの出会いから、自分との向き合い方、そして今後の夢について話を聞きました。

豊富な運動量と多彩なプレーが魅力のアルティメット

アルティメットがどんなスポーツなのか、あらためて教えてください。

簡単に説明すると、7人制のフライングディスク競技です。「エンドゾーン」と呼ばれるフィールドの端にあるエリアを目指して1枚のディスクをパスでつなぎ、エンドゾーンでディスクをキャッチすると得点となります。アメフトのボールをフリスビーに変えたというとイメージしやすいですね。

フィールドも広いんですよね。

広さは37×100mです。サッカーが(五輪やW杯で)68×105mとされているので、サッカーのピッチの横幅を短くしたくらいのサイズですね。

サッカーはドリブルがありますが、アルティメットはドリブルがないし、7人でプレーするので、運動量はかなり多いですね。私は1試合で9~13kmくらい走っています。

アルティメットの魅力って何だと思いますか?

たくさんあるんですけど、ディスクを投げたときの独特な軌道はすごく魅力だと思います。たとえば、野球の変化球って初心者が見てもわかりづらいと思うんですけど、アルティメットだとかなり曲がるので、見ているだけでもすごく楽しいと思いますよ。

野球でいう球種のように、私もいろいろな投げ方は持っています。カーブはもちろん、S字に曲がるスローも投げますよ。自分と味方の間にディフェンスがどうついているかによって、使い分けているんです。

ディスクは風によってかなり影響を受けそうですよね。

そうなんですよ。風が強い日は本当に「風取り合戦」という言葉があるくらいなんです。追い風側のチームは点数を取りやすいので、守る側のチームは本当に大変ですね。また、夏場の試合は本当にキツいです。試合時間は前後半合わせて100分あるのですが、1試合で体重が3~4㎏落ちることもありますね……!

友人の一言が人生を変えた。アルティメットとの運命の出会い

田村さんがアルティメットに出会ったのは大学時代なんですよね。

大学に入って、アルティメットサークルに興味を持った友達から誘われたことがきっかけです。私が人見知りでその子とばかり一緒にいたので、その子が入るなら私も……という感じで入りましたね。

でも、サークルの紹介VTRを見て、ダイビングキャッチとか、ディスクの競り合いがすごくかっこよくて、「これをやりたい!」って心から思えました。

大学2年生のときには、田村選手はそのサークルでキャプテンを務めていますね。

男子は全国優勝するようなチームだったんですけど、女子は参加する大学のなかで下から2番目だったんです。でも自分たちの代になった時に、「勝ちたくない?」ってみんなに声をかけました。そして、大学のOBの家に行って「教えてください」って直談判して、コーチとして来ていただきましたね。我ながらすごい行動力ですよね、人見知りなのに(笑)。最終的に、4年生のときには参加大学のなかで5位まで行くことができました。

すごいリーダーシップ!でも大学卒業後にアルティメットから離れて、なぜ再開したんですか?

大学1年でアルティメットに誘ってくれた友達が、まだ社会人でも続けていて。「社会人チームで試合に出たいんだけど、人数が足りないから一緒に出てよ」って言われたんです。それで、軽く楽しむくらいの気持ちで出てみたら、もう死ぬほど楽しくて……。もう1回やってみようと思って、社会人2年目から復帰しました。

そこから、世界を目指すようになったのはどうしてですか?

最初から世界を目指そうとか思っていたわけじゃないんですけど、まわりの人たちに背中を押してもらって、選考会に呼んでもらううちに、どんどんステップアップして日本代表として戦うようになりました。こういう取材も1つのきっかけになっていると思うんですよ。あらためて言葉にすることで、「何でやっているのかな」とか、「何で上を目指したいのかな」って考えるじゃないですか。自分の目指していることや現在地の言語化って、すごく大事だなって感じさせられますね。

仕事と夢の両立、そしてこれから

アルティメットで鍛え抜かれた自慢の筋肉!

アスリートならではの引き締まった体をしていますよね。自慢の筋肉を教えてください!

ベスト3は腹筋、三角筋、大腿四頭筋ですかね。アルティメットはコアが必要な競技なので、プレーをしていると勝手に割れてくるんですよ(笑)。ディスクを遠くに投げるのもそうだし、体をぶつかられながらキャッチするので、体幹はかなり必要。

でも接触プレーはないし、ジャンプも必要なので、あまり重くしすぎてもダメなんです。必要な筋肉だけがついているという感じですね。

三角筋と大腿四頭筋も素敵ですね!

ディスクを上投げすることで、肩まわりの筋肉は発達しますね。脚に関しては、ヒザを怪我したことでヒザまわりのトレーニングをかなりしました。

体を維持するためにどんなことに気をつけていますか?

私、大学を卒業するくらいまではアイスやお菓子ばっかり食べていたんですよ。食べ過ぎて太ったらダイエットする……みたいな繰り返しだったんですけど、本格的に世界を目指すようになってからは食事を見直しました。

肉、野菜、ご飯、といったバランスの取れた食事で、たんぱく質はしっかり摂取していますね。アイスやお菓子は今でも食べますけど、毎日食べていたのが1~2週間に1回という頻度に減りましたね。

体の感覚は変わりましたか?

むくみがスッキリしたし、筋肉がキュッとしたような感覚はありますね。ケガもしづらくなったような気がします。「絶対食べない」って制限してしまうとストレスになるので、量や内容をコントロールすれば食べてもいいと思うんです。「何を我慢するか」より「何を摂るか」に意識を向けたほうがいいと考えています。

田村選手に学ぶ、「やりたいこと」の見つけ方

田村選手は、競技と仕事の両立で忙しい20代を過ごしてきましたね。

アルティメットに本格的に打ち込み出したときには転職をして、土日にしっかり休みが取れる会社に入りました。平日は仕事終わりに練習するんですけど、「何時に仕事終わって、何時に練習場について、ストレッチはどれくらいの時間をかけて、何時に終わって、何時に家に着いて……」というのは毎日逆算して考えていますね。就寝が22時とか本当に寝るのが早いので、そこだけは超緻密にやっています。今更ですけど、「20代忙しかったな」、「遊びに行ってないな」っていうのは思いますね。

やりたいことや好きなことを見つけるには、どうしたらいいですか。

私の場合は、本当にまわりの人に見つけてもらったような感じですよね。「やってみない?」って言われて、やってみたら楽しかった。だから、ちょっとでも興味を持ったら何でもやってみたほうが、新しい自分に出会えると思うんです。「やっぱり嫌だ」ってなるのか、「めっちゃ楽しい」ってなるのか、それ自体もやってみないことにはわからないですから。

「ちゃんとやらなきゃ」って完璧主義に考えるとハードルが上がってしまうから、軽い気持ちでいろんなことにチャレンジしてみたらいいのかなってすごく思います。私自身も、アルティメット以外にもボクシングとか、やってみたいことはたくさんありますよ。

田村選手の今後の目標を教えてください。

今年7月に開催される予定だった世界大会「ワールドゲームズ」が来年行われる予定なので、代表入りして優勝することが目標です。ただ自分が世界一になることだけじゃなくて、競技を普及したいという思いも強く持っています。アルティメットを応援してくれる皆さんに対して自分ができる恩返しは、強くなってアルティメットをたくさんの人に知ってもらうこと。その魅力をより多くの人に伝えていきたいですね。

東京五輪では陸上の寺田明日香選手が「ママさんアスリート」として注目を集めましたが、思い描いているキャリアはありますか?

2028年のロサンゼルス五輪で、アルティメットが正式種目としての採用を検討されています。自分がこの先いつ結婚や出産をするかはわからないですけど、7年後のロサンゼルスまで頑張るのなら、少なくともいったん休憩してから目指そうと思っています。アルティメット日本代表監督や他の選手も、お子さんを連れて練習を頑張っている人はたくさんいるんです。キャリアとして、自分にもそういう選択肢があっていいなって思いますし、そういう人があふれる世の中になれば素敵ですよね。

田村 友絵(たむら ともえ)

1990年、東京都生まれ。小さい頃から空手、ダンス、野球、バスケットボールなど、様々なスポーツを経験。大学1年で始めたアルティメットですぐに頭角を現し、クラブチームのキャプテンを務めた。2014年に日本代表として初選出されると、「WFDF2016 世界アルティメット&ガッツ選手権大会(ロンドン)」では、女子日本代表として4 位に。現在は、強豪チーム「MUD」に所属し、仕事とチーム活動を両立させながら、活躍の場を広げている。
Instagram:t0m0e_tamura_13

 

その他の「アスリートの女神」はこちらから。

連載「アスリートの女神」

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Profile

久下 真以子

YOLO / コンテンツディレクター

久下 真以子

現役のアナウンサーでスポーツライター(専門はパラリンピック、野球、サッカー)。トレーニング好きが高じてYOLOメンバー入り。夢はベストボディ出場とフルマラソン完走。欲しいものはウエストのくびれ。猫と一緒に暮らす30代女子。

久下 真以子の記事一覧

現役のアナウンサーでスポーツライター(専門はパラリンピック、野球、サッカー)。トレーニング好きが高じてYOLOメンバー入り。夢はベストボディ出場とフルマラソン完走。欲しいものはウエストのくびれ。猫と一緒に暮らす30代女子。

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